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2009/07/19

手を止める

ボクの脳ミソというのは勝手で、間違った考えなんは自分でも気がつかない間にすっかり消去されて、正しかった考えが上手くカタチになった時にだけ「ほらねっ」という、都合のいい作りをしている。ただ、考えを文字にすれば、その考えが正しかろうが誤っていようが、意図的に消さない限りは未来永劫残り続ける。

たとえば、ここに綴る文章が、未来の自分が読み返すアルバム的な用途だとすれば、嘘の内容ほど意味のないものはない。自分がどこで間違って、どこで軌道修正をして、どこで頭を打って、どうやって立ち直ったのか。ボクは数年後に、そういう文章を読みたい。すでに去年の考え方ですら、自分の中で全否定できてしまうようなモノがあったりするから、まぁ、考えというのはコロコロ変わるし、逆に変わらない部分が自分の芯なのだなぁ、なんて勉強にもなる。その為にも自分の置かれている状況は正直に綴るべきだと思う。

ここ2年ほど、ボクは漫才以外に常に2本以上の制作物を抱えてきた。『日の出アパートの青春』の裏では『Dr.インクの星空キネマ』をカリカリと。『日の出アパートの青春』が終わって、空いた一席に『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』を入れて、それが終わればそこに『グッド・コマーシャル!』。『グッド・コマーシャル!』が終わったと時期をほぼ同じくして、『Dr.インクの星空キネマ』も終わった。去年の12月頭頃だ。そのタイミングで2席空いて、何をしたらいいかわからなくなって頭がおかしくなりそうになったけど、まもなく『Zip&Candy』と日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾の制作を始めた。年明けには、そこに『ダイヤル38』も加わって、制作部屋ZipMotorsは散らかりの限りを尽くしたが、それはそれで居心地がよかったりもした。一つの制作に詰まれば、別のモノに移動して…なんてのも、案外ストレスの溜まらない方法だと知った。なにより、抱えている制作が多いことでの安心感もあったのだと思う。

そして、この夏。実は日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾はひととおりのカタチは出来上がった。しかし。どうもガツンとくるものが足りない。それはどうやらそのモノの外見ではなく、もっと内側から溢れ出てくるようなもの。自分で言っちゃ世話ないが、『Dr.インクの星空キネマ』の時は確かにそれがあったのだ。たぶん、子供の頃から溜まっていたものもあったのだろう。

ヤスリで削って、どうにかなるのであればいいのだけど、さっきも言ったように足りないのは内側から出てくるうようなもの。つまりはボク自身の内容の無さが今回の事態を招いているわけだ。

そこでいろいろ考えたけど、引き続き『Zip&Candy』の制作は進めるとして、日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾に関しては、この夏の間は手を止めようと思う。今の状態でテコ入れをしても大して違いはないように思う。決めた。作業は9月1日に再開する。それまで、とにかくインプット。正直、2つの制作物の同時進行に身体が慣れていたから、若干不安はあるんだけれど、やっぱり妥協なんてしたくないし、誰にも作れないモノをボクは作りたい。こんな文章を読まされたところで、皆さんからすれば「知らねえよ」という話なんだけど、ダイエットを宣言するような感覚です。決意表明をもって、己にハッパをかけとるわけです。

この夏は死ぬほど勉強します。

2009.08.19 『第40回 西野亮廣独演会 大阪公演』