« 2009年8月 | トップページ | 2009年10月 »

2009年9月30日 (水)

『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』を終えて

酒を呑むと、本当にスケベなモードに入るボクだけど、例えば、ライブ終わりにキャバクラになだれ込んで、女の子と夢のようなアバンチュールな夜を過ごしたわけでもない。結局は糞ダルマと二人で酒場をハシゴして、ああだ、こうだ、と話し合って解散した盛岡の夜。

今はホテルで一人。ペイチャンネルのカードを購入して、後々、ハッスルする予定だ。

今日の独演会を振り返った。大阪公演は別として、独演会は基本的には全国のこじんまりとしたライブハウスでやっている。本番前、これを続けられるのはTVのおかげだなあ、という話にもなった。大切にしなきゃいけないバランスがある。自分が在れる原因を見失っちゃいけない。

ライブはナンダカンダで、結局2時間喋った。前日のKING KONG LIVEのこともあったから、声が少しかれていたけれど、無事に最後までもった。お客さんの笑い声の後押しのおかげ。

ライブの内容を文章で書けるなら、そもそもライブなんてやってないので、だから内容を書くつもりなんてサラサラないけれど、ただ、ライブのことで何かを書けるとしたら、ボクは盛岡のお客さんと逢えて嬉しかった。ホント、それだけ。

また逢いたいと思う。生で見せられていないアプローチがまだまだ残っているし、せっかく知り合えたんだから、これっきりにしたくない。そして、なんなら、ファンレターなんかを通じて、お客さんの近況も知りたい。

全てをさらけ出して、その上で、人の胸を打てるかどうかの勝負だと思っている。受け手は決してバカじゃないし、嘘クサイのは、やっぱり長続きしない。

その為には、やりたい事をやれなきゃダメだ。少しずつ、ホントに少しずつだけど、その環境が整ってきている。

とにかくやらなきゃいけないことは、今日のライブに来てくれたお客さんをカッコつけさせてあげること。今日のお客さんがお爺ちゃんお婆ちゃんになった時に、「西野のライブを生で観たことがあるんだよ」と孫に自慢させてやれる、そんな自分でありたい。

盛岡の皆さんありがとう。また必ず戻って来ますので、また逢いましょう。

そして大阪の皆さん。京橋花月で約束した通り、また戻る日に向けて、のらりくらりと歩き始めています。ワガママを言いますが、待っていてください。

人の胸を打てる芸人でありたいと思います。

2009.10.11 仙台市シルバーセンター 『KING KONG LIVE 仙台公演』

2009年9月29日 (火)

幸せなこと

アンコールが起こって、さらに1本やったので、結局、9本の漫才をやった『KING KONG LIVE 埼玉公演』

公演終わり、最後に礼をして舞台を降り、楽屋になだれ込んだ。身体は汗でビチョビチョになって、息はあがるし、立つのも喋るのも面倒になるぐらいヘトヘトになったけど、それが全て漫才のせい。こんなに幸せなことはない。

TVも好きだ。メンバーやスタッフさんと一緒にいられるのは楽しいし、対象となる人数が圧倒的に多いのも刺激的だ。小説や絵本も好き。自分を出していい場だし、作品として残るし、海の向こうにも飛ぶし、その可能性にはワクワクさせられっぱなし。

だけどボクが生まれたのは舞台で、その時、漫才をしていた。やっぱりコレが自分の活動の背骨なわけです。手を伸ばしてみたり、片足で立ってみたりできるのも、背骨があるから。これからも大切にしていきたい。

漫才の可能性を再発見できたのは去年。まだまだ誰もやってないことがたくさんあるぞ、と。『Made in KingKong』を観に来られている方はご存知、たとえばあんなような漫才も。漫才の未来はとても明るいと信じている。だからこそたくさん作って、そしてそれをブラ下げて、これからも全国をまわりたい。

埼玉公演に観に来てくれた皆さん、どうもありがとう。おかげでとても楽しい時間を過ごせました。

皆さんには他にもたくさんのモノを見せたい。あと、いくつかだけ引き出しに用意しているモノがある。それらをお客さんと死ぬまで共有できるなら、たとえ結婚のない人生でもいい。だからこそ、とっとと次を作りますね。とにかく、いつもありがとう。

そして明日は『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

なかなか盛岡でライブができる機会も少ないので、楽しみです。声は少しかれたけど、明日になればきっと大丈夫。盛岡の皆さま、明日、舞台で逢いましょう。

舞台に立てることが本当に幸せです。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡』

2009年9月28日 (月)

漫才旅

何に追われているわけでも、何と戦っているわけでもないが、どういうわけか徹夜してしまった。糞ライブ『ろくでもない夜』が終わって帰宅したのが、朝7時。

そこから、少しだけ小説を書き進めてみたら、気がついたら昼で、そこから寝るのも面倒なので、結果的に徹夜となった。睡眠時間が少ないのはあまり苦じゃないが、徹夜がとにかく苦手、今晩はスヤスヤ眠ることだろう。

今回の「ろくでもない夜」も笑った。毎度のごとくオープニングからフルスロットル。我が青春のバイブル「スラムダンク」を読んだことのないイシバシハザマの石橋が、スーパールーキー流川楓を指して、「背の高い一年生」と表現したことでスイッチが入った。淡い思い出を土足でズカズカと上がられた気分。まったくもってド阿呆である。

キング・オブ・コントの後日談で堤下(先輩)が吠え、平成ノブシコブシ吉村は舞台には出ず普通に客として観に来ていた。どちらも「ろくでもない夜」では相変わらずな光景。微笑ましい。

ライブの内容については、糞ダルマがどこかのサイトで紹介しているらしいので、あまり多くは書かないが、まあ、とにかく楽しかったということなのだ。

明日から、『KING KONG LIVE』と『独演会』と『ツッコミバカボーイ』という、3日連続でライブがある。どれも楽しみ。

明日(日付上は今日)は『KING KONG LIVE 埼玉公演』、我々キングコングのライフワークのど真ん中を走るライブ。内容は漫才だけ。お爺ちゃんになっても続けたいライブでございます。

とても変な感覚で、最近は夢から覚める寸前に文章の言い回しを考えるようになっている。『Dr.インクの星空キネマ』の第3部の森を描いている時も、「あそこを描かなきゃ」と夢から覚める寸前に考えるようになってしまって、ボクの場合、それ自体が状態がいいのか悪いのかよくわからないけど、なんとなくのイメージで頭をスッキリさせた方が健康に良さそうだし、明日はめいっぱい漫才をして、その時間だけでもスッキリしよう。

それでは埼玉の皆さま、劇場で待ってます。

2009.09.28 埼玉市民会館おおみや 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月27日 (日)

はねるの宴

「はねるのトびら」の吞み会があった。メンバー全員集合で、プロデューサーやディレクターといったスタッフ陣も集まった。

番組は9年目になる。それでも、笑って、喧嘩して、仲直りして、ゲロ吐いて、笑って、眠った、なんとも賑やかな酒場は昔と変わらず。

店を貸し切っての宴は、いろんなグループができていた。ボクは総合演出の近藤と呑んだ。深夜時代、パイプ椅子を持ってADを追いかけまわすというレスラーまがい逸話を作った男だ。そこだけ切り取ればヒドイもんだが、それだけの熱量で向き合っているということ。間違っている、とボクは思わない。今も変らずそんな調子だから、近藤と話すのは楽しい。先日のSPの事と、「フジテレビの8時をやる」という覚悟について、あれやこれやと話し合った。

新しく番組に入った赤池ディレクターが隣に来て、近藤さんと西野さんのカンペが奇妙だ、と言った。二人とも、一瞬何の事かわからなかったが、聞いて納得。

順位を発表する場合など、演出として手カンペを持つ場合はあっても、ボクが番組を進行する時は基本的にカンペがない。TVカメラの下でディレクターさんがコーナー趣旨説明のカンペをペラペラとめくるという光景は、はねトびでは見られない。しかし、赤池君が言ったのは、それではなく、近藤が「トークをこっちの方向に持っていって」という指示のカンペを出す時だ。

「もしも」「それだと」「ちょっと」「じゃあ」「逆に梶」、というふうに、大体3~4文字しか書かない。最後まで書き終えるのを待っていたら、タイミングが遅れるので、いつからかそうなった。この場合だと、あなたがやりたいのはアッチの方向かコッチの方向でしょ?というふうにお互い考えていることは分かる。「黄色」と「赤色」に選択肢を絞った状態で、「き」とヒントをもらっているようなもの。そればっかりは一朝一夕ではない。9年の歴史を感じたのでした。

先日のSPで、ハリセンボンの春菜より「歯スッカスカのお化け」と形容され、鮮烈なデビューを飾った竹谷ディレクターは、すっかり町の人気者になったとのこと。

はねるのトびらは今日も元気です。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月26日 (土)

阿呆の独り暮らし

今月末は3日続けてのライブがある。28日に埼玉でKING KONG LIVE、29日に盛岡で独演会、30日には堤下(先輩)のライブに呼ばれている。なんとも楽しみなスケジュールだ。10月は仙台と福島でKING KONG LIVEがある。ここのところ立て続けに伊坂幸太郎さんの本を読ませていただいているので、「仙台」の響きに胸躍る。

そしてマネージャー佐伯君の「面白そうだし、やっときませんか?」の一言で、第43回となる独演会を、なんと学園祭でやることに。初めての試み。確かに、何かネタになりそうな匂いがプンプンする。長野の飯田女子短期大学という学校。女子大ということなので、今のところエロイ想像しかできない。まあ、楽しみだ。

10月に入ると、新しい仕事も始まるし、背筋をシャンとしないと。ライブもして、TVもして、そして漫才や小説や絵本といった作りモノをしっかり作って。

小説を書いている。内容はまだ言えないけれど、舞台は神奈川県綾瀬市。親族が住んでいるとか、友達が住んでいるとか、好きな女の子が住んでいるとか、そういった繋がりは何もないんだけれど、綾瀬市を舞台にさせてもらった。もちろん綾瀬市じゃないといけない理由はある。それはストーリーの中身で。

とはいうものの、ボクの中に綾瀬市の情報が圧倒的に少ないので、パソコンで綾瀬市商工会青年部さんのブログなどを拝見させてもらっている。綾瀬市花火大会を運営する素晴らしいお話に、涙がチョチョ切れそうになる。愛車ムスタングが修理から帰ってき次第、ドライブがてら綾瀬市に遊びに行こうかと。

そして、明日は『ろくでもない夜』。今週、収録がお休みになった『はねるのトびら』のディレクターさんが観に来るとのこと。そういえば、なんじゃかんじゃで他にもお客さんの中に番組スタッフさんが目立つライブだ。糞みたいな内容に付き合っていただき、ありがとうございます。

ブログの終わらせ方をどうしたもんかと悩んでいる。お気に入りのカフェに行って、岩盤浴なんかも行っちゃって、オススメの小物を紹介して、それらの写真を載せて「イエ―イ」みたいな最終回にしてやろうかと思っていたけど、カドしか立たない気がして、やめることにした。いつも通りに書いて終わるのが一番良いかも。

ああ、女の子とイチャイチャしたい。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月25日 (金)

まあ、こんな感じの毎日

開口一番、「お前、なにしてんねん」と圧倒的に乱暴な電話をよこしてきたのはチーフマネージャーの鈴木さん。そのトーンから察するに、よっぽどマズイ事に手を出してしまったのだ、と胸に手をあててみたが、心当たりがない。それが呑みの誘いだと分かったのは、しばらく経ってから。会社からの電話だったので、「今、なにしてる?呑みに行こー」とは言えず、結果的に厳しめのトーンになってしまったらしい。30分後、代官山で集合。

とくべつ大事な話があったわけでもなかったが、漫才のこと、TVのこと、小説のこと、絵本のこと、あれやこれや喋った。嘘くさい漫才はやりたくない、という話になり、MCとしてもっと素人にならなきゃダメだなあ、という話になり、小説や絵本を出版するときに全国キャンペーンをやるかやらないか、という話になった。怪我をしないよう、無難にやり過ごす選択をし続ける人が多いね、と文句も言いあった。

高校を卒業してすぐに表の舞台に立たせていただいた。贅沢だ、自慢だ、と外からは良い部分だけしか見えないけれど、実際、中身は散々だった。朝作ったネタを、昼にはTVでやらなきゃいけない日が続いたし、初めての仕切りはライブでもラジオでもなく、『はねるのトびら』。アウトプットばかりで、インプットする時間なんてなかった。露出度に内容が追いついていないのにも、芸人として薄っぺらいのにも、もちろん気がついていたけど、やるしかなかった19歳からの数年間。毎日のように焦って、苛立って、ひいひい言っていた。梶原は梶原で、失踪しやがるし。もう、しっちゃかめっちゃかだ。

鈴木さんはその姿を隣で見てきたし、そもそもそれを仕掛けた張本人だったりするから、当時と今を照らし合わせて話した時に、やけに説得力がある。今でも平気で怒ってきたりする。20代でやらなきゃいけなかったこと、そして来年やってくる30代でやらなきゃいけないこと。そんな話しができるのは、やっぱり楽しい。

呑みが続く。SPの放送も無事に終わった今日は、収録をお休みにして、夜にはメンバー全員が集合する。「はねトびゴールデン進出4周年記念お食事会」という無理矢理なタイトルがついたお食事会だが、なかなか全員で呑みに行く機会もないし、悪くない。少し、恥ずかしいけど。

呑んでばっかで罰が当たらないように、夜まではシコシコと作業をしよう。うまく転がらないことも多いけれど、そんなのでイチイチ止まってたらキリがないので、ジタバタと足掻いてみる毎日です。

板金屋さんに預けたムスタングの車中に、読みかけの小説を入れっぱなしにしていたことに気がついて、ひとつタメ息。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月24日 (木)

元気な大学生

夜中に袖山さんがなかなかの熱量のメールがあって笑ってしまったせいで、それにお応えしようと、シコシコと作業していたら朝になった。仮眠での寝坊も怖いので、そのまま現場へ。『はねるのトびらSP』のお知らせを持って、コンビではいつ以来になるのか、朝の生番組の出演を果たしたのです。出演時間は少しだったけれど、梶原と二人で「おはようございます!」と言うのが新鮮で、なんだかとても楽しかった。

そして、それが終わると今度は急いでアルタへ。隠しゲストということだったので、本番前の挨拶に行けず。タモリさんと、積もる話がたくさんあったんだけど、また次の機会か、呑みに行った時にでも。

事前に、ディレクターさんから「何か番組内で自慢できる特技はありませんか?」と訊かれていて、「縦列駐車」がソレにあたるんだけど、スタジオで披露できないので、泣く泣く諦めた。近くに傘があったので、足に乗っけてみると意外や意外、見事にバランスが取れたので、これを特技とさせていただき本番に臨む。

結果は、放送をご覧になられた方はご存知。タモリさんの邪魔が入りズッコける。「邪魔がなければ絶対にできる!」と豪語して再チャレンジするも、失敗。

厳密に言うと、傘が倒れかかった寸前で手に取り、「ここまでですが、何か?」というような演出をして、いとも簡単に見破られ、野次られる。ボクは何を一体ハシャイでいるのだ、と恥ずかしくなって、爆発しそうだった。その時、有吉さんに付けられたあだ名が「元気な大学生」である。グウの音も出ない。しかし、先輩方に囲まれて、本当に楽しかったのだ。

エンディングの告知の時に、まえだまえだがいて、ボク達のかわりに「是非、観て下さい」と言ってくださった。宣伝部隊として駆り出された我々だが、まったく戦力にならず。申し訳ない。たくさんの人に観てもらえれば。

今夜は堤下(先輩)と呑みに行く。それまで、もう少しだけ作業。絵本の第2段より、小説の方が先に完成すると思います。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月23日 (水)

インパルス

今日はとにかく笑った1日だった。

下北沢で『Made in KingKong』があった。オープニングは新ネタを1本やることに決めていて、お客さんの前でやって、あらためてお気に入りの漫才となった。今後の舞台でもかけていくことになると思う。お気に入りのネタができた夜はムフムフするボクなので、今夜はムフムフしているのです。

そしてゲストはリットン調査団さんとFUJIWARAさん。もう、こればっかりは文章で表現しきれないので、ライブに足を運んでいただいたお客さんだけのお楽しみになってしまう。とにかく、たたみ掛けるように奇跡が起こって、会場が爆発したのでした。さすがの先輩だったのです。ありがとうございます。

次回の『Made in KingKong』はゲストにココリコの遠藤さん、ガリットチュウさん。またしても、まったく内容の読めないゲストで、今から、ひたすら楽しみ。また、新ネタも作らなくては。漫才を観たい、とお手伝いに来てくれた後輩ちゃんの為にもね。

終演後、会場を出たら、お客さんがたくさんいて、写真を撮ったり、サインをしたり。『キングオブコント』を観たかったので、ボクがお客さんの相手をしている間に、マネージャーの佐伯君に愛車ムスタングを駐車場から出してくれるにようお願いするが、「あれを運転するのは、チョット」と難色を示す佐伯君。

確かにムスタングの運転は、慣れない人には難しく、しかたがないか、と諦めて、お客さんの相手が全て終わってから、自分で車を出す事を決めた矢先、佐伯君の方から、「西野さん、やっぱり挑戦させてもらってもいいですか?」と申し出てきたのである。その瞳はやる気に満ち溢れていて、そんな男のやる気を見捨てるわけにはいくまい。「よし、頼んだぞ」とムスタングのカギを渡す。

そして5分後。「すみませんでした」という佐伯君の声と共に、傷だらけのムスタングが登場した。車を出す時にガリガリガリとやっちゃったらしい。うなだれるボク。泣きそうになっている佐伯君を責めるわけにはいくまい。そもそも、ボクが頼んだわけだし。

涙目で運転した帰り道、佐伯君の「やっぱり挑戦させてもらってもいいですか?」の顔が浮かんできて、そして笑ってしまった。よくよく考えると、あれは成功しなきゃいけないパターンだ。まぁ、笑ったからいい。明日、いい板金屋さんを探そう。

そして帰宅。『キングオブコント』である。ずっとドキドキと笑い声がとまらなかった。東京03さん、本当におめでとうございます。部屋で一人で笑って、拍手して、なんだか幸せにさせていただきました。惜しくも敗れたコンビや、そして審査員として会場にいたコンビ、本当に本当に皆、カッチョ良かった。

隣に女の子がいたら、きっと「この人達と喋ったことがあるねん」と痛々しい自慢をしていたと思う。それぐらい誇らしかった。あの場にいた芸人さんと、まがいなりにも同じ職業であることが嬉しかった。とにもかくにも、素敵な大会になって良かった。

そして、インパルス。板さん、つっつん、本当にお疲れさま。歳はボクより3つ上だけど、古い付き合いで、もう友達みたいになっている。昔から知ってるよ。あなた方は立派なコント師。メチャクチャ面白くて、いつもカッチョ良い。明日も明後日も、堂々と胸を張って欲しい。そして、全力でバカにさせてもらう。今日がどうだとか、この先、どんな評価が下ろうが、ボクはやっぱりインパルスのファン。生涯やめるつもりなんてないよ。

明日の夜、堤下(先輩)と呑みに行く約束をした。笑い飛ばそうと思う。

2009.09.28 埼玉市民会館『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月22日 (火)

ドギマギの前夜

途中、作業を中断して、須藤さんの事務所に遊びに行った。男2人で休日の昼間から、コーヒーとケーキをつっついた理由は、そこで楽しい話がおこなわれたからだ。まだ言えないけれど。

TVというのは本当に多くの人が観ていて、そこでは本当に大きなイメージが作られて、そして時に、大きな誤解を招く場合もある。TVに出ている人は、皆、それを承知でカメラの前に立っている。何年かやらせていただいているけれど、あいかわらず異常な世界だと思う。

しかし、それを辞めないのは、やっぱり楽しいし、多くの人を相手にできるし、刺激もあって勉強にもなるし、そして最近思うのは、少しのコンプレックスを作り続けてくれるというのも、悪くない。

例えば、「タレント本」というものに対して、あまり良いイメージを持っていない人も、少なくないと思う。本屋さんのタレント本コーナーの前を通ると、「どうせ」という声が聞こえてきそうだ。実はボクも一冊だけ絵本を出していて、ページを開いてもらう前に、「どうせ」という声を上げた人もいるだろう、と思っている。そして、しかたがない、とも思っている。

ボクは「baseよしもと」という劇場で生まれて、そこからジタバタして東京に出てきたんだけど、たとえばグルメ番組に出させていただいた時なんかに、「タレントになってしまった」という劇場のお笑いファンの声を何度も耳にしてきた。逆に、「アイツはまだTVに出れない」という声も聞いたけど。

そんなもの、サッカーと野球みたいなもので、そもそも畑違いだから、どっちが上で下かなんて、比べるもんじゃないんだけど、比べる人がいるという事は、身をもって知っている。舞台が絶対で、TVでのタレント業を浅く観る人がいることも知っている。もっと掘り下げれば、芸人とは海に落ちる生き物で、「落ちることを拒む奴は芸人ではない」と烙印を押してしまう人がいることも知っている。

本当に色んな種類の人がいる中、TVというのはそういう人達全てを相手してしまうほど大きな媒体だから、当然のように「アウト」の声も多くなる。つまりそういった意味で、TVに出ることが、コンプレックスを生んでくれるわけです。ここの言葉だけ切り取らないでね。

長くなっちゃったけど、コンプレックスがあるのはいい。ないより、あった方が絶対にいい。ボクは、性格が少しだけSっぽいから、いいタイミングでいいカードを出して、斜めに見て偉そうに批評する人の頭をゴツンとやりたいのです。嫌いなんだよ。お笑いでも、映画でも、音楽でも、文学でも、スポーツでも、なんでもかんでも、簡単に否定から入ってしまう人のことが。否定する事で、自分が上に立った気でいる人のことが。そして、そうしていた昔の自分のことが。

須藤さんと話した帰りの車の中で、そんな事を考えた。途中、新宿に用事があって、寄り道した帰り道の信号で、横を見ると、偶然にも須藤さんの車で、「どこに行くんすか?」と訊いたら、須藤さんが「渋谷にオモチャを買いに行く」と力が抜けるような事を言ったので、笑ってしまった。

家に着くと、後藤ひろひとマンからメールがあって、明日の『Made in KingKong』に後藤ひろひとマンのお友達が来られるとのこと。『KING KONG LIVE』も『独演会』も飛ばして、いきなり『Made in KingKong』というのも珍しい。まあ、ここでしか観られないどうしようもない漫才もあるし、明日はリットン調査団さんとFUJIWARAさんという、何が生まれるか分からない貴重な組み合わせだし、それも良しか。本編が始まってしまったら、完全にフリートークだから、何もお知らせできないけれど、今言えることは、オープニングの新ネタがとにかくフザけているということだ。

明日はいつもよりもスタートが早いらしく、終わるのも早いということなので、ライブ終わりは、すぐに劇場を出て、『キング・オブ・コント』を観戦する予定。皆、お世話になっている人達だし、皆、頑張って欲しい。でも、やっぱりボクは、インパルスを観てしまう。

負けたら全力で笑い飛ばすから、頑張れー。板さん、つっつん。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月21日 (月)

土の中

売れるか売れないか、で言えば、売れた方が絶対にいいと思う。自分の半径何メートルかの人を助けることができるから。理由は他にもたくさんあると思う。

だけど、誰が売れているだのどうのには、ほとんど興味がない。その人がダメになったところで、自分が上がるという、そんな繰り上がり当選のようなことは存在しないからだ。他人の結果と自分の人生に、繋がりなんてない。誰がどうであれ、自分は自分のやるべきことをやるしかないと思っている。

じゃあ、ボクは何に嫉妬するか?それは面白い事をしている人に、楽しそうな事をしている人に嫉妬する。ここに関しては、興味ない、という寛容な気持などない。非常に嫉妬する。

昨晩は1時に帰宅して、今朝が早朝からの仕事だったので、ギリギリまで観に行くか悩んだ。平成ノブシコブシが夜通し漫才をしているというのだ。なんだ、そのバカな試みは。しかし、そこから車を飛ばして劇場へ向かっても、途中からになるし、さらに途中で抜けなければ仕事に遅れそうだったので、泣く泣く観劇を諦める。

そんなわけで昨晩は、我が作業部屋ZipMotorsで小説を書きながら、舞台で泥くさく汗と唾を飛ばすノブシコブシを想像して、悶々としておったのです。嗚呼、羨ましい。

漫才を除いて、ボクが作っているモノは蝉のようで、そのほとんどの時間が地中に埋まっている。2年はザラだ。モノによれば、もっとかかるものも。小説と絵本第2段『Zip&Candy』と、もう一つは須藤さんにあずけているモノ。今のところは、この3つか。早く、陽の目を浴びたい。

ボクが書いている小説は大きく分けて4ブロック。夜に仕事から帰ってきて、1ブロック目をヤスリでコスコス磨いて、たった今、袖山さんに送ったところ。どれだけ愚痴っても、やらなきゃ終わらない。

明日は昼間に須藤さんの事務所へ。なんだか面白そうな話が聞けそうなので、それを楽しみに、今夜はもうひと踏ん張り。今からは『Zip&Candy』の制作。

ミンミンミンと鳴ける夏までは、まだ少しかかりそうです。とほほ。

2009.09.29 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月20日 (日)

大切にしなきゃいけないこと

深夜1時前に帰宅。『はねるのトびら2時間SP』の収録が全て終わった。とにかくたくさん笑ったので、今夜はよく眠れそうだ。あとは、SP放送当日に朝の生放送番組などに出させていただくことに。コンビで朝の番組に出るのは何年ぶりだろうか?なんだか新鮮だ。元気一杯「おはようございます」と言う予定。

SPの放送が終わると、翌週は放送がお休みになるので、それに伴い、来週の収録もお休み。どうやらメンバー全員で呑みに行くらしい。これも、いつぶりになるだろう。少し恥ずかしい。

そして、本当に急遽決定したのは、今月29日の『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』だ。公演10日前に決定が出るというのは、正直、あまり納得がいかない。これは妖怪ちんぷんかんぷんの時も一度怒ったことがある。二度とないようにしなければ。とにかく、遅くなって本当に申し訳ございません。精一杯やらせていただきます。

好き嫌いを度外視しても、これからの時代、モノ作りとライブ、これらの重要性をもう少し考え、理解し、大切にすべきだと思う。5年前とは状況がまったく違うのだ。これからの芸人が何をすべきか?結構、明確な答えが出ているようにボクは思うのだが、いかがか?まあ、これは、こっち側の話。

ボクの周りには、何か仕掛けてやろう、というが大人何人かいて、やはりそういう人達と一緒にいる時間が圧倒的に楽しい。時代や体制のしかたがない部分は受け止めて、しかし諦めず、そこにどういう方法が残されているのか?どうすれば網目をくぐれるのか?そういった事ばかり考えている人達が、ボクの憧れだ。やっぱりすぐわかるもん。そのステージから降りた人と、往生際悪くジタバタしている人というのは。表情がまったく違う。もちろんボクが好きなのは後者。反権力みたいなのが、芸能の原点のような気もするしね。人の胸を打たなきゃいけないのだから。

確かなモノを作って、あとは酒呑んで寝るだけです。

2009.09.28 CLUB CHANGE WAVE 『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』

2009年9月19日 (土)

ソフトクリーム29

来週22日にある『Made in KingKong』の新ネタは無事に完成。10分間どうしようもない事を延々と言いあうだけのネタだけど、またまた大のお気に入りとなった。仕事合間に梶原と合わせて、あとは本番を待つのみ。28日にある『KING KONG LIVE 埼玉公演』に入れるかどうかは、22日の感触次第といったところか。とりあえずネタができたので一安心。

秋から、大阪のラジオが1本終わって、名古屋でTVが一本始まる。ボク達の芸歴とほぼ同じぐらい続けてきたラジオが終わるのは寂しい。だけど、前向きに。これは、また別の機会に書こうと思う。そして名古屋で始まる番組の顔合わせがあった。毎回、ゲストに芸人さんを呼んで、芸人だらけでどうしようもない話を30分話す。面白い番組になりそう。初回、収録が楽しみだ。

夜は梶原とラジオのスタッフさん達と呑んだ。思い出話に花を咲かせた。帰りのタクシーの中で携帯にメールが入った。ブラックマヨネーズの小杉さんから。ボクの連絡先を、きっと誰かにわざわざ聞かれたのだと思う。誰かにわざわざ聞いてまでして送られてきたメールの内容は、『Dr.インクの星空キネマ』のとても優しい感想。尊敬する先輩からのメールは、メチャクチャ嬉しかった。芸人は、先輩がいちいち優しい。寝る前にそのメールをもう一度だけ見て、ニヤニヤして眠った。

朝起きて、前に使っていたパソコンを開き、メールアドレスなどを新しいパソコンに移し替える作業をしていたら、前のパソコンにメールが届いていた。恐る恐る開くと、『CIRCUS』で連載している和田竜さんのコラム。さすが小説家の方は文章が面白い。そして、どういうわけか、ボクごときがそのコラムの挿絵を担当させていただいている。どこかで時間を見つけて挿絵を描こうと、ちなみに締切を確認したら、昨日だった。すべて後回しにして、絵を仕上げる。

袖山さんから小説の反応があった。手ごたえを感じ、ニンマリ。そちらを進めつつも、『Zip&Candy』の制作もやらなくては。すぐにサボろうとする自分に「月に一枚」というノルマを課せているが、今月はまだ半分も進んでいない。こういうノルマは一度でも破るとガタガタガタといってしまうので、そうはさせない。夜から『はねるのトびら』の収録があるので、それまでは『Zip&Candy』をやろうかと。

毎度のごとく昼食は「ゆで太郎」でいただいた。帰り道にソフトクリームをペロペロなめながら歩いていたら、道行く人にジロジロ見られた。そりゃそうだ。寝グセがダラシナイ三十路手前のオジサンが、平日の昼間にパジャマ姿でソフトクリームをペロペロしているのだ。不審がられてもしかたがない。

しっかりしなくては。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月18日 (金)

サンタの部屋

悩みがある。

部屋が片付かないのだ。どんなに頑張っても、すぐに散らかってしまう。こんなんじゃ、女の子を部屋に連れ込んでイチャイチャできない。原因を考えたら答えはすぐに出た。我が家には収納スペースがない。ないわけが、ない。あるには、あるんだけど、常に占領されている。

収納スペースにずでんと居座り続けている犯人は、『絵』だ。

ただの暇潰しで描いたような絵は、後輩達が我が家に遊びに来た時に堂々と盗んで帰るので、その残りは少なくなったが、現在制作中の『Zip&Candy』の原画に加え、『Dr.インクの星空キネマ』の原画の全てが保管してある。それらの原画はすべて額縁に入れられており、原画の数は100を越える。つまり100の額縁があるのだ。こいつがとんでもなく場所を使う。

そのほとんど(約80枚)が『Dr.インクの星空キネマ』の原画なんだけど、さて、どうしたものか?と考えた時に、そもそもコイツは役目を終えたのか?という疑問に辿りついた。よくよく考えてみれば、絵が役目を終える瞬間なんてくるのか?我が家のクローゼットに眠るぐらいなら、どこかで活躍できないだろうか?誰かの目に留まって、何かを思わすことはできないだろうか?

友達の芸人が店でも出すなら、友達が気にいってくれるなら、お店のディスプレイとして全ての原画を提供するのだが、今のところ友達が店を出す予定もない。母校にでも寄贈しようか?少し、悪戯が危険か。故郷、川西の市役所のロビーにでも飾ってくれないだろうか?大切に扱ってくれて、人の目に触れる場所に置いてくれる誰かいないものか?

とにかくクローゼットの中に入れておくのは、違うような気がしてきた。「まるまる、面倒見てやるぜ」という足長オジサンの登場を待っている。もし、そんな人がいたら、一報頂きたい。絵が好きな人だと嬉しい。そして、早く貰い手が見つかると嬉しい。

寝床を追いだされたクリスマスツリーが、この時期にリビングで燦然と輝いているのだ。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月17日 (木)

風の吹くままヒュルリーラ

あいかわらず0.03ミリの筆をカリカリと走らせていた。絵本制作である。陽が昇る前から作業していたので、ずいぶん描いて、時計を見ても、まだ朝の10時だった。

ちょうどその頃、郵便が届いた。誰からだろうと、開けてみたら、大蔵さんから。CDとDVDが入っていた。作業を再開しながらも、さっそくDVDを拝見させていただく。とても楽しかったし、感動した。ケツメイシさんのライブの終了と同時に、筆を置いて、ひとつ大きく伸びをした。

お昼を食べに「ゆで太郎」に向かう道中で、ありがとうございます。楽しかったです、と大蔵さんにメールを送った。

まわり道をしながら帰ったのは小説を読みたいから。今日は「ラッシュライフ」を読んだ。しかし、すっかり読書っ子になってしまった。ちなみに枕元には「Dr.インクの星空キネマ」の読者の方から、幻冬舎に送って頂いた「スズキコージズキンの大魔法画集」が置いてある。こちらも楽しい本なのだ。寝る前にページをめくってニヤニヤしている。

ちなみに昨晩は、急に思い立って、松本大洋さんから頂いた宝物の手紙を読み返してデレデレした。今、描いている『Zip&Candy』の絵を松本大洋さんに見せたい、と思ったのだ。ボクは、逢って話したい、というのはあまりない。どうせ緊張してちゃんと喋れないし。作ったモノを見せ合いっこして、感想を言いあう文通ができれば、それが幸せなのです。

「ゆで太郎」から戻り、小説を直した。何ブロックかに分かれているうちの最初のブロックを袖山さんに送った。一昨日の呑みの席で、合格ラインをタレントに合わせてくださるな、と伝えた。何度でも書き直すつもり。もちろん書くときは、書き直すつもりで書いてはいないが。さて、反応やいかに?

糞ダルマと電話で話す。「おスネかじり虫」の異名を持つ糞ダルマが、秋から新たにおスネをかじる事が決定したようだ。良かった良かった。秋は少し動きがある。また、時期がきたらお知らせします。

梶原からメールがあった。次回の「Made in KingKong」の新ネタのネタ合わせについてだ。「明後日やろう」と返したつもりが、「明日」となっていたみたいで、またメールを作り直すのも面倒なので、明日の仕事合間に新ネタの合わせをすることになった。

というわけで、今、大急ぎで漫才を書いている。「Made in KingKong」に関しては、TVでもルミネでも出さないような、かなり実験的なネタを作っているので、毎回楽しい。来られるお客さんも、もうそろそろ、ここでのネタの感じを掴んでこられたようなので、気持ちが良い。「もっとテンポを」と言う人は、この日ばかりはいないのである。

毎日、あっという間に夜が来る。

正直しんどいのO・Aが今夜だっけか?ボクはデジカメも持っていないし、なかなか旅行に行ける機会もないので、しんどいの放送が旅のアルバムを見かえしているみたいで、とても楽しいのです。打ち上げの席で冗談交じりに言っていた「しんどい世界遺産DVD化」の話が実現すればいいのに。まぁ、大人の事情がかなりありそうだけど。O・Aでは使われていない、夜の呑みの席の模様。これがまた楽しいのです。素材テープだけでも頂こうかしら。旅をしたいね。景色を観たいね。

嗚呼、ヨーロッパや。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月16日 (水)

黒い本と白い本

29歳にもなって、ファンレターというものをいただいたりもする。ありがたやありがたや。ライブ終わりで直接渡される場合もあるし、吉本興業や、幻冬舎さんに送っていただいたりもする。メールで送られてきた場合は、ボクのパソコンに転送していただいている。

幻冬舎さんに届く手紙の内容は、ほとんどが『Dr.インクの星空キネマ』のことだ。人によっては絵本の中の登場人物のイラストを描いてくれる人もいる。そして、ことごとくお上手。素晴らしい。

絵を生業としているわけでもないし、タモリさんに言われるまであまり絵を描いてこなかったもんで、それでいて数年前に描いた最初のページは、今見るとなかなか恥ずかしい出来だったりもする。だけど、あの時はあれが限界だったから、嘘はないし、袖山さんは「あれがいい」と言ってくれる。

今、描いている『Zip&Candy』と見比べた時に、何事も続けてみるものだ、と思う。本当に大きく言っているワケでもなくて、皆さんをドンガラガッシャンとひっくり返す自信があるのです。まぁ、これは『Dr.インクの星空キネマ』を作っている時にも、同じようにここで、同じような事を言ったんだけど。その時も、「絵本でひっくり返る事なんてあるかいな」と言われたけど、本当にひっくり返るんだからしかたがない。完成するのは再来年になりそうなので、まぁ少し気が早い話だけど。

だけど、いつか『Zip&Candy』も完成する日が来る。袖山さんとは「『Dr.インクの星空キネマ』は黒いから、『Zip&Candy』は白い本にしよう」という話をしている。黒い本と白い本、2冊並べた時の景色はどんなだろう?なんだか、まとまりがいい気がするし、ボクはそれでも次を描こうと思うのだろうか?いずれにせよ、黒い本と白い本が並んだ夜は、嬉しい夜に違いない。

もうひと踏ん張りどころか、まだ3分の1も進んでいないお粗末な結果。コツコツやっているんだけど、これがなかなか進まない。とりあえず、明日は小説の執筆はお休みにして、『Zip&Candy』の制作をやろうかと。

黒と白の2冊の絵本が並ぶ夜を想う今夜でした。

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月15日 (火)

だって作るしかない

誘ったり、たまたま連絡があったり、用事があったりで、まとまりのないメンバーが集まって、呑んだ。NHKや日テレや幻冬舎や糞ダルマがいた。しかし話題は一貫していて、やはりモノ作り。

小説は20分の1ぐらいまで進んで、書けたところまでを糞ダルマに見せた。糞ダルマの隣で、袖山さんがニヤニヤしながらウキキと言っていた。その微笑ましい光景を肴に、ビールを呑んだ。0時前だったと思う。遅々として進まない執筆の、いい息抜きとなったのだ。

気がつけば来週に迫った『Made in KingKong』、まだネタを書いていない。今日か明日にでも書かなければ、と少し焦っている。そして手をつけられていない『Zip&Candy』も気がかりだ。

やらなきゃいけないことがたくさんあるけど、腕の数には限りがある。イカのようであれば、と嘆きたくもなる。しかし、モノを作れば、その先にとても幸せな時間が待っているのも知っている。皆で、酒を片手に「やったね、やったね」と言いたい。

20代前半は今よりも、もっと見られ方を気にしていたと思う。そしてここにきて、生き方というのが大体決まってきた。妥協じゃなく、自分はこれをやるのだ、という。誰が何を言おうが、やりたい事をやるのだ、という。自分の人生なのに、他人に合格印を押してもらいながら生きるというのも、なんだか違うなぁ、と思ったからだ。

そして、ちゃんと面白いモノを作っていきたい。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月14日 (月)

世界一の嘘をさがせ

「ブログを見てください」とは口が裂けても言わない。言わない以上は、どこまでいっても、見ている人が“勝手に見ている“という立ち位置になるから、そこでボクが何を書こうが文句を言われる心配がない。

そこで文句をつけるということは、動物が野放しになっている『ふれあいパーク』に自ら入って、「ウンコが落ちてんじゃねえか」というクレームをつけてくるようなもので、「じゃあ、入るなよ」の一言で一蹴できる。インターネットに文字を綴る以上、その文字は一生残る。そういう場でボクは、「まあ認めてやるよ」と言ってもらいにいくような文章は書きたくないのである。

そのように、クレームをつけることが圧倒的に間違いである、という状態にしているつもりではあるのだが、それでも堂々とクレームをつけてくる奴らがいる。

オリエンタルラジオの中田と歌手のmisonoちゃんである。

中田はもはや制作日記と化しているこのブログを堂々と切ってくる。「もっと交友関係を教えろ」だの、「外に出ろ」だの言ってくる。ここに書いていないだけで、昔から友達は多い方だと思うし、外にも出ているので、言い返したいところだが、ボクは言い返さない。口喧嘩をすると確実に負けてしまうからだ。

奴は口論の途中で、ボクが知らないとっても難しい言葉を織り交ぜてくる。「それって、どういう意味?」と訊いてしまった時点で、アホとカシコのポジションが明確になり、ボクの意見は“アホなりの意見“ということになる。勝てるわけがない。人として、とても卑劣なやり口だ。

そんなわけで、中田とは呑みに行っても口論にならないし、ならせない。恥ずかしい思いをしたくないから。ボクは「もっと交友関係を」「もっと外に」という彼のダメ出しに、「なるほどねぇ~、そんな手があったか~」と、ひれ伏す毎日である。

そしてmisonoちゃんである。番組でゲストに来てくれる度に「西野さんのブログは行間がなくて読みにくい」と、いとも簡単に文句をつけてくる。言わせてもらえれば、ボクはパソコンから更新して、まさか携帯電話で自分のブログをチェックしていたりするわけでもないので、パソコンの文章が主流となっている。そこでは長くても4、5行で改行しているはずなのだ。

しかし彼女は本当に裏表のない良い子で、そこに悪気はなく、ボクのことを真剣に考えて言ってくれているので、これはもう真摯に受け止めるしかないのである。とはいうものの、本日もいつもの調子で文章を綴っている。やはり改行がたくさん、というのに少し照れがあったりもするのです。「気をつけます」と本人にはそうお伝えしたが、どうやら嘘になりそうだ。

さて、「嘘」である。

昨晩、寝る前に嘘についてずっと考えていた。

たとえば各々が嘘を発表する「嘘の世界大会」があったとしたら、優勝する世界一の嘘はどんな嘘だろう?と考えてみた。よくある自己言及のパラドックスのような理屈っぽいのは抜きにして、もう少し頭にスッと入ってくる嘘で。

自分の見た目をイジるような嘘や、「前世は〇〇でした」という反応に困る嘘は書類選考で落とされるだろう。悲しい嘘も決勝には残らない。きっと優勝争いをするような嘘は、幸せになる嘘だ。TV中継されている決勝戦で、フィアンセの悪口を言ってそれをプロポーズの言葉とする人もなかなかいい線をいくだろうけど、優勝はなさそうだ。そして、ボクの頭にパッと浮かんだのは親がクリスマスについた、あの嘘。

今のところその嘘がボクの中では一番だが、はたして世界一の嘘は何だ?

2009.09.22 『Made in Kingkong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月13日 (日)

ゆかいな毎日

吉本にいるおかげで寄席の出番は常にある。NGKから京橋花月にルミネ、そして営業とよばれるモノまで。月に20回は漫才をさせていただいている。これが吉本のいいところ。

もちろん、そういった舞台も楽しいけれど、そろそろライブが恋しくなってきた。寄席でやる漫才と、『KING KONG LIVE』でやる漫才は違うし、『Made in KingKong』でやる漫才は新ネタなのでこの日限りでサヨナラする場合もある。小屋によって、客層によって、ライブの目的によって漫才が変わる。いろんな漫才をしたい。それにしても今月の『Made in KingKong』のゲストはリットン調査団さんと、FUJIWARAさん。共通の会話は一体何だ?蓋を開けるまで分からない。

毎月、新宿ロフトプラスワンでおこなわれる糞ライブ『ろくでもない夜』、このライブは楽しい。この日、楽屋にはどこからか芸人が集まって来てヤンヤと騒ぎ、出演者が決まっている企画もあれば、有志で出る企画もある。罰ゲームはムチャクチャで、42.195㎞走り幅跳びや、富士登山といった、もはやその罰をお客さんがほとんど確認することができないものもある。むしろ、その方が多い。だけど、芸人さんと遊ぶのは楽しいから毎月やっている。今月は26日。翌日がオフなのでテンションがあがっている。

そして今月の29日に独演会が決定した。『第42回 西野亮廣独演会 盛岡公演』である。詳細はまだ出ていないようだけど、決定らしい。公演2週間前に決定、という乱暴なライブの打ち方はお客さんに親切でないので、かなり嫌いだけれど、やるからには全力。詳細はおってお伝えします。遅くなって申し訳ございません。

そういえば先日、堤下(先輩)に「西野がライブに向かうのは、『はねるのトびら』の反動だ」と言われて、そうかもしれないなぁ、とも思った。本当のことなんて演者さんとスタッフさんにだけに知ってもらえてたらいいや、と思いながらも、どこかで発散したかったりするのかもしれない。番組はボク一人で生きているワケじゃないから、役割を守らないと、バランスがおかしくなる。まぁ、たまに『正直しんどい』で素を出しちゃうときがあるけれど。まぁそれも、あまり見せすぎるといけない、というのもあって、きっとその思いがライブに向かってしまうのだと思う。「なんで見せちゃいけないの?」と訊かれれば、「目的がもっと先にあるから」としか言いようがない。ボク達がやっているのは団体プレーだ。

こういう書き方をしてしまうと、『はねるのトびら』でストレスを溜めているみたいだが、そうではない。ルールを守っている、というだけ。番組の収録は楽しい。だってメンバーが楽しい人達ばかりだから。スタッフさんをふくめて。今から『はねるのトびら』の収録。今日は何が起こるやら?昨日はハリセンボンの春菜が頑張っていて嬉しかった。アイツはやっぱり可愛い。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月12日 (土)

エビスグサの種子

パソコンを新たに購入したものの、データを移す方法がわからないし、「すぐに使える」と聞いていたメールを使おうとするとパスワードのようなものを求められるし、そういった手続きが死ぬほど嫌いなので、結局、旧パソコンと並行して使っている。

我が作業部屋ZipMotorsの机は、パソコン2台に、スケッチブックに、山のように積み上げられたペンに、資料用の写真集やデザインブックといった感じで、なかなかエキセントリックな佇まいだ。そして部屋はゴミ屋敷のように散らかっていて、なんとかせねば、と思いながらも、目をつむって逃げて続けている。

前に付き合っていた彼女とは犬を飼っていて、物を出しっぱなしにしていると片っ端からカジられて歯形をくっきりハッキリ残されてしまうので、物を片付ける習慣があったが、彼女と共に愛犬は我が許を去り、家はすっかり散らかっている。片付いていた頃を思い出すと、いつだって涙を流すことができる虚しい特技を身につけてしまった。そして、『えろつべ』のお世話になっている。

今月29日に独演会をやるかどうかでゴタゴタしている。やるとしたら盛岡公演になる。いろいろあるようだ。ここはチーフマネージャー鈴木さんの判断を待とう。分かり次第お伝えします。申し訳ございません。

『はねるのトびらSP』の収録が続いていて、今日は夕方から深夜まで。そして明日も。そんなわけでこの文章も真昼間に書いているわけだが、夜はまったく作業ができないので、早朝に起きて小説をカリカリと書いていて、軽く行き詰ったせいで、お昼寝に入ろうかとも思うほどの睡魔がやってきた。が、たった今、大蔵さんから、プレゼントした物語のとても素敵な感想のメールをいただき、今日のお昼寝は断つことを決めたばかり。今なら便秘気味だった文章もブリブリ出るのでは、と思えてきた。決明子の効能である。

そんなわけで、そろそろ作業に戻ろうかと。小説に出てくる登場人物は3人。今日は2人目の書き始め。皆さんのもとに届くのはいつになるやら。とは言うものの、去年の12月に書き始めた時は「早く出したい」という気持ちでいっぱいだったが、おかげ様で夏前にポッキリと折れて、一度壊したのもあってか、今はドンブラコッコとじっくり作業です。

素晴らしい作品を届けられたら、と思います。

2009.10.14 いわきアリオス『KING KONG LIVE 福島公演』

2009年9月11日 (金)

オリオンを見つけた

夜中4時頃、作業が煮詰まって、近くの公園へお散歩に出た。ふと上を観れば、夜空がとても綺麗だった。星があったのだ。しばらくボケーッと眺めていたら、あら?夏に観れたっけ?と首を傾げた。そこにオリオン座を見つけた。冬の星座と認識していたが、何度確認してもオリオン座だったので、間違いない、あれはオリオン座だ。どうやら夏にも観れるようだ。いい歳ブッこいて、やけにドキドキした。

できればマネージャーと呑んで、あれやこれや作戦会議して、どんどん仕掛けていけたら楽しいんだけど、会社の体制もあるし、そういう体制にする狙いもよく分かるし、しかたがない、とグッとこらえる。

そのかわり、現場の人との繋がりというものには制限がないから、いくらでも密になれる。今日より明日、明日より来年、関係性を深めていくことができるし、共通の思い出を作っていくことができる。「お前といると楽しいから一緒にいようぜ」という学生時代の仲間とつるんでいるような感覚だ。たとえば他でストレスを感じた時に、そういう人達との繋がりが支えになる。格好悪いマネはできないな、と思う。

そして芸人さんの繋がりも永遠だ。今年の夏に入る前に、本当に信じられない事がおこった。お腹を痛めて産んだ我が子を誘拐されたような出来事だった。その事をどこかで聞いた先輩芸人が、昨日の楽屋で自分のことのように怒ってくれていて、とても嬉しかった。『ダイヤル38』の大阪公演のこと。そういや、この件で以前、久馬さんが話しかけにわざわざ来てくださった。久馬さんと、まともに話したのはこの時が初めて。芸人さんが皆、優しかったのだ。

『Dr.インクの星空キネマ』を想った。丸林さんの奥さんが絵本の朗読会で子供達に読み聞かせる本として選んでくださった。何度も読む練習をされていた事を丸林さんから聞いていたので、実は一度だけコッソリ観にいった。とても温かくて柔らかい素敵な声だった。お礼に『ヤクとヤヨイの千年物語』をご夫婦にプレゼントした。『Dr.インクの星空キネマ』の完結編である。さて、コイツを世に出すにはどうしたもんか?『Dr.インクの星空キネマ』を読んだことのある人にしかわからないストーリーだから、出し方に迷う。いつか原画展のようなものをやる機会があれば、その時にでも。

空が少し明るくなってきたので家に帰った。小説を少しだけ書いて、気がついたら寝ていた。

2009.09.28 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月10日 (木)

酒呑みボルサリーノ

男にはボルサリーノでキメなければいけない夜があるのだ。

ムスタングに乗って珍しくショッピング。助手席に座る糞ダルマがgrandcanyonの展示会でいただいたカタログを観てニヤニヤしていたので、突き落とそうかと思った。

『ダイヤル38』のハットを買ったお店で、お目当てのボルサリーノを発見。茶色の皮で高級感あふれ、まるでコメディー映画に出てくるマフィアのボスのよう。即購入。堤下(先輩)の誕生日プレゼントなのだ。

糞ダルマが一緒だったので、一念発起。パソコンを買いに行った。以前は一人で挑戦したが、おまじないにしか聞こえない専門用語のオンパレードに負け、すごすごと引き帰してしまったのだ。今回は二人がかりでの挑戦。ちなみに今使っているパソコンは液晶が半分割れているのである。

1つ目の店では、「申し訳ありませんが、私、専門用語を並べられてもあまり入ってきませんので…」と先手を打ち、店員さんに話しかけたが、「まずインストールしていただいく際にですね…」という話し出しにガッカリして、店を後にする。インストールってなんだ?

「もう帰ろう」と言ったが、「あきらめず、頑張りましょう」と糞ダルマ。2つ目に店に入る。店員さんがすごく親切な方で、無事に購入。良かった。

夜はgrandcanyonのデザイナーのyoshiさん達とご飯。当然のようにモノ作りの話。いつか一緒にやりましょう、という楽しい未来の作戦会議。いい刺激になった。

解散して糞ダルマと二人で渋谷の街へ。堤下(先輩)が誕生日会をしているというので、ボルサリーノを届けに。延々続くミニコント地獄に参加して、腹を抱えて笑う。芸人が好きだ。堤下(先輩)おめでとう。

そしてそこにケツメイシの大蔵さんもおられて、ここでもモノ作りの話で、朝まで語らった。楽しかった。楽しいお話を聞かせてくれたお礼に、ボクから一つ、プレゼントを贈ることにした。ご自宅の方へ送る予定だ。喜んでもらえるだろうか?

デザインの話と音楽の話を聞いて、ボクも少しだけお笑いの話をした夜。作っているモノは違えど、とにかく人を楽しませたい、というのは皆同じだ。会話が弾むわけだ。嬉しくなる。そして何より嬉しかったことがある。

プレゼントしたボルサリーノが、とてもよく似合っていたのだ。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』 ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月 9日 (水)

ファンタジーを叫ぼう

仕事を終え、翌日が休みで心踊ったボクは「飯に行きましょう」と須藤さんの事務所に行ったのでありました。このようにオヤジの懐にズカズカと土足で上がり込むあたりが、笑福亭鶴瓶に「妖怪オヤジゴロシ」と言われるのである。

去年のクリスマスに行った思い出の店に行き、モノ作りのことをあれやこれやと話す。共通していたのは、「ダークサイドに光を当てることが、なんだか深い事をしているという、そんなまやかしはもう飽きた」ということ。細かく言いたいことは山ほどあるけど、ボクは批評家ではなく作り手なので、言いたい事は作品で言う。

そして、「どうなりたい?」という話になった。ボクは堂々とハッピーエンドを描きたいし、堂々と嘘をつきたい。そして、例えば誰になりたいか?という話で、行き着いたところ、恥ずかしながらウォルト・ディズニーになりたいと思った。やっぱり、あそこを引き受けた責任感には感服するしかないのです。

須藤さんと解散して、なんだか呑み足りないボクは、店が幻冬舎の近くだということに気がついて、袖山さんに電話。まもなく作業を終えられた袖山さんと合流して、第2ラウンド。

今書いている小説の話と、『Zip&Candy』の話。森見登美彦作品に出てくる登場人物が愛おしすぎるという話。小説は去年12月から夏前までに書いた分を全部捨てて、9月から書き直しているが、その書き直した一部はすでに袖山さんに送っており、その部分を読まれたようでキャーキャー言っておられた。とにかく書き直して正解だ。

袖山さんは「こんな時世だからこそ、堂々とファンタジーを作りましょう」と言った。それはついさっき須藤さんと話していた内容だったので、嬉しくなった。実は須藤さんと解散した後、酒場を探して歩いたが見当たらず、結局須藤さんと呑んでた店に戻ってきて、同じ席で呑んでいたのだ。そこにきて話題まで同じだったから、デジャブのような変な感覚に襲われた。

仕事を終えたブロードキャストのオッパイ顔担当の房ちゃんから電話があって合流。袖山さんが「小説を書きなおして良かったんですよ~」と房ちゃんに熱の弁だったので、新たに書いた分を房ちゃんに見せた。そういえば、この男、いつもボクが作る作品のスタート時を観ている。「実は『Dr.インクの星空キネマ』という絵本を作ってるのよ」と恵比寿の店で話したのが数年前。パソコンに撮っておいた第一部までの絵をスライドショーで見せながら、ストーリーを話した結果、男2人の個室にて涙を流した豪傑である。舞台『グッド・コマーシャル!』のプレ公演にも参加してもらったし、『Zip&Candy』の話が出来上がって、幻冬舎の皆さんと呑みの席でストーリーを話した時も、なぜかそこに房ちゃんがいたのである。小説に造詣の深い房ちゃんの感想に勝手に手ごたえを感じ、袖山さんとボクはニンマリ。

素敵な夜だったということです。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKoug』 ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月 8日 (火)

ツッパったり、尻尾をふったり

昨晩は女の子と呑んだ。エロイこともほどほどに考えながら、「昔から『はねるのトびら』を観ている」と言うので、その話をずっと聞いていた。

デビュー当時からずっとずっと先輩の中でやってきた。くわえて、上には、ブラックマヨネーズさんやフットボールアワーさんのような再結成コンビも多かったから、「参加資格:コンビ結成〇年以内」というお笑いコンクールなどでは、ずっと一緒だった。だけどTVを観ている人からすれば芸歴なんてまったく関係なく、10年違おうが横並び。それこそNSCの時に初めていただいたラジオのレギュラーは、さっきまで高校生だったキングコングと中田ボタン師匠の3人。その中で、ぜんぜん結果を出せずにいて、「だって、そりゃあよー」と言いたくなったけれど、言ったら終わりだと思って我慢した。

今となっては、その時の無茶苦茶な経験はやっぱり血となり骨となり、あの時あそこに放り込まれて良かったなあ、と思えるようになったけど、当時は自分の境遇を恨んだりもした。梶原なんかはそれに耐えきれず3か月の失踪をする始末。考えてみるとスゴイ。アイツったら、「失踪経験」があるのだ。

その中で唯一、20歳当時から同じ世代(とは言っても一番後輩には変わりないが)だけでやってきた番組が『はねるのトびら』である。とても贅沢な話だ。

そして、ここ1、2年でそういう機会が増えてきた。同期のNONSTYLEや山ちゃんがゲストで来てくれたり、それこそ最近『はねるのトびら』に平成ノブシコブシが頻繁に出るようになったのは、やっぱり嬉しい。この先もそういう機会を増やしていきたいし、そのために自分が引き受けなきゃいけない役割も少しは心得ているつもりだ。でも、間違っていたら教えて欲しい。

今日、NGK出番の間に京橋花月の出番があって、坂田師匠が1人で舞台に立たれるということだったので、舞台袖に飛んでいった。「頑張っていきますので、これからも坂田利夫をよろしくお願いします」とネタの最後で深々と頭を下げられた時、もう本当にカッコ良くて、全身に鳥肌がたった。舞台袖に降りてこられた師匠に、「西野、今日のネタどうやった?」と声をかけていただく。師匠は「ド」がつくほどの後輩にもそんな言葉を簡単に口にされる。ボクが坂田利夫のファンたる所以だ。

そして今日の京橋花月は珍事があった。それは舞台に来られた方だけのお楽しみだが、とにかくカラテカの矢部さんとボクの2人で舞台に立った。キッカケは舞台袖で観ていたボクに、舞台上の矢部さんが発したまさかの叫び。「西野クン、たすけてー!」である。矢部さんの生き様に腹の底から笑わせてもらったのでありました。

そうして帰りの新幹線。知らないアドレスからメールがあった。雨上がり決死隊の蛍原さんである。そこには『Dr.インクの星空キネマ』の感想がビッシリ書かれていました。感想を伝えるために、わざわざマネージャーにボクの連絡先を聞いて、そしてこの感想文を書いてくださったのです。この嬉しさを形容する言葉なんてない。

恥ずかしい話だが、やっぱり『ひょうきん族』のようなのに憧れはあって、自分たちの世代で、といった青臭い気持ちがあったりもするんだけど、先輩は先輩で、坂田師匠のように鳥肌が立つほどカッコよかったり、矢部さんのようにくすぐられるほど笑わせてくれたり、蛍原さんのように海みたいに優しかったり、そうやっていつもボクをドキドキさせてくれる存在です。

結論は、この人達がいる世界に飛び込んで良かった、ということなのです。

2009.10.14 いわきアリオス 『KING KONG LIVE 福島公演』

2009年9月 7日 (月)

モノ作り、その後

今日の仕事場で一緒だった雨上がり決死隊の蛍原さんが、『Dr.インクの星空キネマ』を観て、「鳥肌がたった」とおっしゃってくれた。非常に嬉しい。発売から半年が過ぎても、作品というのはこんな思いをさせてくれる。こういう声が次の作品制作のいい後押しとなる。ありがとうございます。

日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾は先日バラしてしまいましたが、小説であります。とは言っても、去年の12月から書いていたモノは一度全部壊した。今は再構築の1ページ目。まだまだ手探りの状態。当然、皆がひっくり返るような作品に仕上げたい。もっと言えば、ひっくり返るような作品に仕上がるまで、完成としない。急ぐ必要はまったくない。残す。圧倒的なモノを残すのであります。

この夏の間中断していた小説の執筆を再開してみたけれど、絵本制作と同時進行でやっていた時の感覚が戻らず、作業がどちらかに偏ってしまう。ここ2日は『Zip&Candy』に手をつけていない。はて、どうしていたっけ?

ガーデニングなんかと感覚が似ていると思う。自分が作るモノは自分の好みだから、ボクは自分が作ったモノに囲まれたい。部屋がそれで埋まれば幸せだ。

自分の事を話すのがだんだん嫌になってきて、その仕事を作品が代わりにやってくれるから、このさき離れることはないだろう。やっぱり一番の名刺だと思う。

それにしてもモノを作るのは時間がかかる。今日も九州で小説の宣伝活動をしていた板倉さん曰く、しつこく言えば吉本も宣伝してくれる、という事なので、次のモノが出来上がるまでそのお願いを会社にしてみようかと。やっぱり広めるという活動は絶対に大切だ。「知られなくてもいい」なんて思えない。作品は自分1人のモノじゃないから。

とにかくボク達は、届けなきゃダメだ。

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月 6日 (日)

太陽の塔

弟のタッチャンがいた覚えがないから、タッチャンが産まれる前。となるとボクが幼稚園の頃か。

住んでいたのは兵庫県川西市だったけれど、西野家の親戚の住まいは大阪府吹田市界隈に点在していて、夏休みや正月など、ボクの家族は事あるごとに吹田に足を運んだ。

ボクには兄ちゃんがいるけれど、歳が離れていたので親戚の家に行ってまで一緒に遊ぶことはなかったし、2つ上の姉ちゃんは親戚のお姉さんと女同士で遊んでいて、当時末っ子だったボクは当然のようにあふれてしまった。そして気がついたらボクはいつも母ちゃんに連れられて、吹田よりもうひとつ奥に行った千里中央にいた。

母ちゃんがいつも連れていってくれたのは、千里中央にある万博公園。大阪万博の跡地で、岡本太郎さんの太陽の塔があるあそこだ。

万博公園の隣には『エキスポランド』という遊園地があって、万博公園の敷地内からでも、観覧車や賑やかなジェットコースターが見えた。

本当のことを言えばあっちに行きたかったけど、ボクの家がそれほど裕福じゃないのは分かっていたし、あっちに行ったらお金がかかることが分かっていたから、「ああいうの興味ないねん」と嘘をついて、それよりも太陽の塔に食いつく子供を毎回演じたが、今思うとそれが演技だったという事もきっとバレていただろうな、と思う。

だとすれば、あの時の母ちゃんの心境は一体どんなだっただろう。考えるだけで胸がしめつけられる。

SPということもあり、昨日に引き続きなかなかカロリーの高い収録を終えた、『はねるのトびら』の帰り道。ポンコツ・ムスタングを運転して、東京湾の夜景を横目にレインボーブリッジを渡り、東京タワーの横を走る。20歳の頃から毎週末、必ずこの道を車で走るが、どういうわけかここを通ると、きまっていつも昔の事を思い出す。景色のせいだ。東京タワーを観ると、東京以外を想ってしまう。もう何年も太陽の塔を観ていないが、今もあのまま立っているというのが少し信じられない。また行ってみたい。

外はすっかり秋の風。今夜は少し眠い。

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月 5日 (土)

ボクらフリムン

キンコンヒルズのスタッフさんはお笑いが好きで、だからボクはそんなスタッフさんが好き。先日のキンコンヒルズのスタッフさんが仕切ってきれた特番の収録では、今年の春から『はねるのトびら』のディレクターになった元キンコンヒルズディレクターが普通に収録を観にきて、おかげで現場はとても幸せな空間になっていた。なんだか、ああいうのは良い。

今日、明日と、『はねるのトびらSP』の収録が深夜までビッチリと入っていて、体力勝負。空き時間もあるだろうから、パソコンを持っていこうかと。楽屋で小説執筆である。

絵本第2弾『Zip&Candy』は月に1枚のペースで仕上げていたが、7月8月で3枚仕上がったのだ。ボクはこのペースだと発売を早められるのでは?と期待したが、考えてみれば、その間小説を進めていなかった。今はもうすっかり元のペースに戻った。やはり月に一枚である。

作らなきゃいけないモノは他にもあって、月に一度必ず新ネタをおろすことに決めている『Made in KingKong』のオープニングの漫才である。今月は22日。聞けばキングオブコントの裏で、いったい誰が観に来るんだ、と言おうかと思いきや、ゲストが豪華でリットン調査団さんとFUJIWARAさんのお二組。10年先輩と20年先輩である。この面白ブッキングは佐伯くんのファインプレー。もちろん共通の話題などない。今、思うのは。、いったい何を観に来るんだ、である。とにもかくにも、どこかで時間を見つけて漫才を作らねば。

そしてキングオブコントである。やっぱり同じ釜の飯を食っているインパルスが決勝に行ったのは嬉しかった。頑張ってほしい。だけど、他も一緒に舞台に立っている人達ばかりで、心境は複雑だ。みんな優勝ではダメか?個人的にはロバートやバナナマンさんの姿を決勝で観たかったというのもある。また来年もあるし、再来年もあるか。みんながいつもの力を出せたらいい。

芸歴の換算のしかたがフワフワしているのが気に入らないが、M-1はボクの期がラストイヤーとなるはずだ。つまり僕ももうすぐ10年を迎えるわけだ。早い。ボクはそこからだって、『オンエアバトル』に出たいし、『エンタの神様』にだって出たいし、『漫才アワード』にも出たい。んんだか、そういった一喜一憂できる場所に身を置いておきたいというのがある。

ゴリさんと、品川さんが『南の島のフリムン』と『ドロップ』の映画を撮られて、楽屋で素材のDVDをボクにくれた時、ボクは飛びあがるぐらい嬉しかった。10年なんか関係なく、そういった勝負の場があることを教えてくれる先輩はやっぱり好きだ。品川さんの映画はずっとドキドキしたし、ゴリさんの映画はずっとニヤニヤしていた。どちらもとても幸せな時間だった。今回のゴリさんもそうだし、品川さんの映画公開の時も、「観て下さい!」と言っている姿が、とてもカッチョ良かったのでした。

それが映画じゃないにしてもね、その姿勢にはボクも続こう。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』 ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月 4日 (金)

出直して一歩ずつ

前夜の『はねトび総選挙』で大惨敗を喫したドランクドラゴン鈴木拓。彼は一体どういう顔で翌日の街を歩くのだろう、と考えた新宿ルミネの帰り道。

そこに向かいから、痩身の眼鏡男が歩いてくる。そう、お察しの通り。

ドランクドラゴン鈴木拓、その人である。

芸人は時に、こんなミラクルを起こしてくれるから、ボクの胸はいつまでも芸人にときめいたままなのだ。理解しがたい人もいるようですが、腫れものには大いに触って、可愛そうな空気にしてやることこそ芸人間の愛情でありますから、嫌味を多分にこめて「よく、街を歩けますね」と言ったら、彼からはこの言葉が返ってきた。

「歩いてゆくしかねぇだろ」

なんと重い言葉だろうか。皆さん、かの鈴木拓は言いました。この人生、歩いてゆくしかないのであります。

ありがとう、鈴木さん。愛しています。

さてさて、この夏、制作を一時中断していた日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾。

第1弾は絵本、『Dr.インクの星空キネマ』であった。そして第2弾。ライブなどに足を運んでくれるお客さん、10人中10人に「第2弾は小説でしょ?」と言われるが、これがハッキリ言ってご名答。

小説である。

長い間ひっぱって、誰1人の予想も裏切れなかった自分を深く恥じているところだ。

それはたしか、まだ『Dr.インクの星空キネマ』の制作をしていた頃。舘野さんの「よそで小説を出したらボク自殺するよ」という、長年文字に携わっている人間とは思えぬバカ丸出しの誘い文句に笑ってしまい、小説の執筆を決意した。そして去年の12月に『Dr.インクの星空キネマ』の制作が終了して、それから絵本第2弾『Zip&Candy』と同時進行でやってきた。

それが夏前には仕上がったのだが、ガツンとした感じがなかったので、8月は苦手な読書に時間を割いてみた。人のオススメ本を20冊ほど読んだ。勉強と思って読み始めたのだが、9月に入っても読書が止まっていないところを見ると、まんまと本の虜となってしまったようだ。

だけど正直に言ってしまえば、この一ヶ月で何を得たかなんて、結局わからずじまい。まあ、一ヶ月やそこらでどうにかなる問題でもないのだろうけど。それでも袖山さんが「文章が変わった」と電話をしてきてくれたので、ボクはなんとなくその言葉を信じて、今日から日本列島ドンガラガッシャン大作戦第2弾の制作を再開しようと思う。

ひびが入った箇所を修正して、「つぎはぎ」だらけのモノを作ってしまってもしかたがないので、去年の12月から作ったモノはいったん全部壊して、白紙に。0から作り直しである。

とはいえ今までの9ヶ月という時間が無駄だったとも思わない。確かにカタチとして残っているものは何もないが、ボクの血となり骨となってくれていると…まぁ、信じよう。

本を出したくて出したくてたまらない人が星の数ほどいる中、どう考えたってタレントは出版までの距離が近い。だからといって、ズルくはないとは思う。何の保障もない中、この世界に飛び込んで、なんとか名前を残した。その貯金ぐらいはあってもバチはあたらないと思う。ちゃんとリスクを背負っている。

ただ、本を出したくてたまらない人達がいる、ということを忘れちゃいけないし、そういう人達を納得させなきゃダメだ。「タレントだから出せたんでしょ」という口を黙らせられる作品でなきゃ、それは失礼だ。そこに対してはキチンを敬意をもって、「ああ、これならしかたがないな」と言っていただくほかない。

そんなわけで、またふりだしに戻った小説執筆。皆さんの手元に届く日を夢見て。明日は仕事の始まりが遅いので、今夜、筆を走らせようかと。とはいえ、そんなに都合よく筆が走るとは限りません。筆が走らないのであれば、

歩いてゆくしかねぇだろ。

ですね?鈴木さん。

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月 3日 (木)

成長を見守る

収録現場にはポンコツムスタングを自分で運転していくのが常だが、なんせナビを搭載していないもので、昨日のように初めて行く現場となると、タクシーに乗っていく。

タクシーの中は暇で、道中は窓の外をずっと眺めていた。そしたら一羽の白いハトが堂々と飛ぶ姿が目に入ってきて、そしてそれは少し自慢気にも見えたのでした。現場まではまだまだだったので、暇つぶしに昨日の文章を書いた。白いハトが結果的にマジシャンの新ネタを生む物語。それはただの暇つぶしで、昨日書いたお話は、どこでどうする、というような狙いがあったわけでもない。

そして今朝。ジョギングをしていたら袖山さんからの電話が鳴る。昨日の文章を読まれたらしく、ウキキーッと凄い勢い。話題は昨日のブログから始まって、あれやこれやと枝分かれ。おかげで朝からなんだか楽しい気持ちになった。ボクがしたいのは「作る」作業。できればそれだけしかやりたくなかったりするグータラ野郎なので、「あれをしましょう」「これをしましょう」とケツを叩いてくれる人の存在はありがたい。たいした文章ではないけれど、昨日の文章は、書いて良かった、と思ったのでした。

『Made in KingKong』では毎回オープニングで新ネタを一本おろすことにしている。そこでやってみて、感触の良かったモノをルミネで叩何度も叩く。ある程度、形になってきたら、『KING KONG LIVE』に入れる。もちろん『Made in KingKong』でやって、イマイチ感触が良くなくてそれっきり、というものもある。前回おろした新ネタもなかなかお気に入りで、今日のルミネで叩いた。今度の『KING KONG LIVE 埼玉公演』には間に合いそうなので、入れようかと。

新ネタを生むところから、最終的に『KING KONG LIVE』に落とし込むまでの流れがキレイにできているので、漫才と向き合うのがより楽しくなっているこの頃です。

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

2009年9月 2日 (水)

マジックショー

生まれもった天性のこの白い肌をそんじょそこらのグレーの肌の三流ハトポッポどもに見せつけてやろうと、日比谷公園を威風堂々歩いていたら、まあ見事にとっ捕まって、ただいまマジシャンの帽子の中でスタンバイしている。

私のような白い肌はマジシャンにとってはカッコウの的だった。なにせ膨張色だ。帽子を脱いだ時に大きく派手に見えるからだ。まさかこの白い肌が裏目に出るとは。

コイツのショーはつまらない。ただ黙々とマジックを積み重ねていくだけ。もっと要所要所で軽く笑えるユーモアを入れなければ客は離れていってしまう。まったく分かっていない。

マジシャンの帽子の中は狭い。そして臭い。コイツ、おそらく昨日お風呂に入っていない。そして臭い理由はもう一つある。帽子から飛び出す前に、私の人生を狂わせた腹いせにと、コイツの頭の上にフンをしてやったのだが、段取りが変わったのか、はたまた段取りを忘れたのか、なかなか帽子を脱ぎやがらない。そしてこの密閉空間だ。臭いが充満している。さっきからやたらと眠気に襲われる。気絶しそうだ。

もちろん死ぬわけにはいかない。なぜなら私は平和の象徴だからだ。マジシャンが帽子を脱いで、客の視聴率がもっとも集中している場面で、白いハトの死骸を見せつけるわけにはいくまい。末代までの恥。グレーの肌の三流ハトポッポどもがでかい顔をするに違いない。

大体、どうして私はこのような目に遭っているんだ?

思えば、自衛艦『さざなみ』の出港イベントのオープニングセレモニーに選ばれなかったのが、そもそもの始まり。

自分の美貌には自信があった。だがその自信が鼻につくといけない、そう考えた私は、エサとなるようなモノを自ら地面に落して、「それを食べに来た白いハト」を演出したのだ。その場所が偶然、出港イベント用に白いハトを提供する会社の玄関前だった、というとっても自然な演出だ。それでも会社の人間に「自ら来やがった」と疑われたならば、「お姉ちゃんが勝手に…」作戦でも使ってやろうと、次の手も考えていた。そうして朝から晩までウロついてみたが、箸にも棒にも引っかからなかった。そこで知った。

あの手のハトは幼少の頃より、それ用に英才教育をされているというのだ。私のような野バトは、何の信用もないのである。そりゃそうだ。毎日がサバイバルで、木の間にいる変な虫ばかり食べて育った私には、協調性の欠片もない。号令で揃って飛び立つのは難しい。

それで言えば、このマジシャンの怠慢さにはほとほと飽きれる。マジックに使われるハトもきっと幼少期より共に過ごし、キチンとした教育が施されているハズなのだ。それがどうだ?日比谷公園を歩いている成人ハトを大きな網でとっ捕まえて、その翌日が今日である。もしや、急遽いなくなった他のハトの代役として使われているのか?それはそれで腹が立つ。

話を戻そう。

自衛艦『さざなみ』のオープニングセレモニーを遠くから見ることとなった私は、それでもグレずに活動を続け、話題作りに奔走した。銀座のオフィス街に建つ時計台に行き、正午ちょうどに「ホロッホー」と鳴き、リアル鳩時計をやってみせた。メディアがそれを面白がり、一時期は「ポッポちゃん」として世間の話題もさらった。

ただ、世間は勝手だ。盛り上がるのが早ければ、飽きるのも早い。半年もすれば「ポッポちゃん」の仕事は、地方から来たおのぼりさんの写メールの被写体が関の山。まもなく私は銀座を去っ…ダメだ、臭い!

もう、いよいよ限界だ。自分のフンの臭いがこれほどまでとは。どうしてコイツは帽子を脱がない?確実に私の存在を忘れている。こうなったら気づかせるしかない。頭頂部をクチバシで突っつくか?いや、ダメだ。そんなことをして、頭から血が吹きだしたらどうする?全身血だらけのハトをお披露目するハメになるぞ。街頭TVでチラッと観たぞ。ウサギが青かっただの、何だので、今、世間はマンモス大騒ぎだ。赤いハトなんか出た時には大パニックだ。

突っつくのはやめよう。うむ、うむ。そうだ、毛を抜いてやろう。これなら、血も出ないし、さすがに毛を抜かれればその痛みで気がつくだろう。

私はクチバシを使い、男の毛を5、6本挟み、目一杯の力で引き抜いた。が、「うん」とも「すん」とも言わない。まったく何の反応もない。

どういうことだ?どうして、毛を抜かれたのに気がつかないんだ?痛みは確実にあるはず……あ!…なるほど、そういうことか。…コイツ、「ズラ」だ。

はあ、なるほど。そういうことですか。これはイイことを思いついたぞ。私が外に飛び立つ時にコイツのズラも一緒に持っていってやろう。最高の見せ場で、最高にみっともない姿をあらわにしてやるぜ。それもこれも私をここに閉じ込めた罰だ。

ちょうど、その時だった。「コンコン」帽子を軽く2度叩く音、帽子を脱ぐ合図だ。

サラバ、糞マジシャン。ようこそ、つるっぱげマジシャン。

視界が瞬時にして明るくなった。私は爪に全ての力を入れ、男の頭皮を握って飛び立った。男の頭皮はそのままついてきた。やっぱりだ。マジシャンのズラを持って会場の天井をグルグルと飛び回ってやった。

地響きのような笑い声が聞こえてきた。ざまあみろだ。私の人生を狂わせた罰、恥をさらして生きてゆくがいい。

続いて、横なぐりの豪雨のような拍手が聞こえてきた。うん?なんだ?歓声まで上がっているぞ。私は天井のシャンデリアにとまり、ステージ上のマジシャンを観た。

マジシャンはその両手を大きく広げ、アインシュタイン博士よろしく、舌をお茶目にぺロッと出しているではないか。ズラを持っていかれたことを、すっかり自虐ネタにしてやがる。結果的にアイツに新ネタをあげてしまったではないか。まあ、でも、客は喜んでるし、面白いからいいか。

舞台袖にいるマネージャーだけだぜ。豆鉄砲を食らったような顔をしてるのは。

2009.09.22 北沢タウンホール 『Made in KingKong』 ゲスト:リットン調査団 FUJIWARA

2009年9月 1日 (火)

また逢いましょう

この夏最後のライブ、『Made in KingKong』が終わった。この日、台風11号が直撃。それがいかにも最後らしくて雰囲気があった。

新ネタを1本おろして、あとはレギュラーさんとマキシマムパーパーサムとのトーク。2組とも本当にバカ野郎で、たくさん笑わせていただいた。ありがとうございました。

明日も朝から収録なので、今夜は喉の大事をとって真っ直ぐ帰ってきた。そういえばこの夏、たくさんのライブをしたが、呑まずに帰ってきたのは今日が初めて。夏の終わりは部屋で一人。まぁ、それも悪くない。雨が上がったので部屋の窓を開けた。湿ったアスファルトの上を走る車の音がときどき入ってくる。夏が、静かに終わろうとしている。

ライブ終わりにいただいたファンレターを読んで、この夏を振り返ってみた。

パッと頭に浮かんだのはお客さんの顔。東京のライブから大阪の独演まで足を運んでくれたご夫婦の顔だったり、鹿児島の独演会の最前列に座っていたオジサン2人組の顔だったり、手紙をくれた消防士を目指す男の子の顔だったり、前日の京橋出番、そして大阪独演会と、2日連続で最前列に座っていた女の子の顔だったり、『ろくでもない夜』の常連さんの顔だったり…、ボクがこの仕事をしていなければきっと逢うことのなかった、いろんな顔。

そしてボクの頭の中にあるその顔は全然曇っていなくて、笑顔で、声のイメージは間違っているかもしれないけれど、いつもガハハと笑っている。

例えばあなたが、どうしようもなく落ち込んだり、涙に濡れる夜を迎えたりした時、憧れのスポーツ選手の頑張りをニュースで知ったり、あなたの大好きな音楽を聴いたり、親友がただ黙って隣にいてくれたり…、例えばそんなことがあなたを励ましたり、支えたりすることがあると思う。

ボクだって同じように、どうしようもなく落ち込んだりする夜がある。そんな時、あなたにとってのそれが、ボクにとって何になるか考えてみたら、それはやっぱり、あなたの笑い声だ。あなたが笑う顔だ。それに励まされ、それに支えられている。いつもいつもだ。

だからライブがしたい。直接、笑い声を聞きたい。直接、笑顔に触れたい。それだけ。

そして、それが親でも、青春時代を共に過ごした友人でもない、見ず知らずの人達だった時に、ボクはお笑いの可能性を無限に感じて、それは本当にどうしようもなく嬉しい気持ちになる。

損得勘定、始める前のいちいち理屈、煩いよ。ボクらのこんな小さな脳ミソが、全て正解をはじき出せるわけがない。ボクらは何様でもない。外野からじゃどれだけ目を凝らしても見えない。とりあえずバットを振って空振りをして罵倒されて、全力で走ってズッコけて笑われて、そのとき見えた景色が最初の道標。自分が一生をかけて守りたいと思えるモノの第一歩。

この夏、ライブで出会った皆さんへ。皆さんのおかげで、とても楽しい夏になりました。ありがとうございました。

今度また、あなたの笑い声を聞かせて下さい。おやすみなさい。

西野亮廣

2009.09.28 埼玉市民会館 『KING KONG LIVE 埼玉公演』

« 2009年8月 | メイン | 2009年10月 »