2009/11/23
短編映画『日の出アパートの青春』
昔から工作が好きで、木材やら粘土やら、もっと言えば紙とペンだけ渡しておけば、静かで落ち着きのある子供に成ったものだ。ネタ作りや、ミニ四駆の改造に勤しんでいる方が教室も静かになるから、先生もボクの教育を諦めて授業を進めた。それはクラスの皆の学力向上の為にも、先生の正しい判断だったと思う。
そんな調子で青春を駆け抜けたもんだから、不良でもないクセに中学3年の最初には、高校進学後早々に中退を果たした上野君と学年最下位争いをすることとなる。母ちゃんにはめっぽう怒られた。
上野くんはそれなりに他校の生徒と喧嘩もしていたし、煙草もプカプカ吸っていたので、阿呆の理由もあったが、ボクにいたっては、黒髪だし、爽やかだったし、先生とも仲が良かったので、言い訳のしようがない正真正銘の阿呆だったのだ。
ボクは義務教育が生んだゴミであったが、良い子も悪い子も先生も、皆と仲良く過ごせたのは、その間に「お笑い」があったおかげ。工作があったおかげ。休み時間には家と授業中にこしらえた自作のマシーン(電圧を上げ、ラジコン船のギアを使用した超高速で走るミニ四駆など)を披露し、終わりの会では毎日新ネタを披露した。そういったものがコミュケーションツールとして頑張ってくれて、ド阿呆童貞男子は見事青春を謳歌できたのだ。
子供の頃からのクセは治らず、今でも同じように毎晩シコシコとモノを作っているし、ソレが嫌いじゃないし、そしてソレに救われている。おかげで、人とも会話ができるのだ。
漫才はもちろん、舞台脚本や絵本、そして今は小説。それらをこしらえて、集まってきてくれた人に、ようやく話せるのだ。一人は寂しいし、できるなら皆とワイワイ言って歳をとっていきたい。その為には、切っても切れないのが、やはりモノ作り。ボクのコミュニケーションの窓口なのだ。
目的はそういったことで作っている。それこそ思春期真っ盛りの頃から観てきた三谷さんが、ボクの書いた舞台『日の出アパートの青春』のDVDをわざわざ買ってくれていて、初めてお会いした時にその話で盛り上がれたのは本当に嬉しかった。この世界に入って初対面の方と連絡先を交換したのはそれが初めて。『日の出アパートの青春』に救われたのだ。
その『日の出アパートの青春』は、吉本興業が作った100本の短編映画のうちの1本を膨らませて書き直した作品。もともとは短編映画用に書いたモノだったのだ。そいつが、この度、突然ひょっこり顔を出した。
短編映画版『日の出アパートの青春』が、本日限りで上演されるんだとさ。また誰かと繋がれるといいな。




