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2010年2月28日 (日)

それはルール

実家から遊びに来ていた母ちゃんを愛車ムスタングに乗せて品川駅まで送った。そしてボクの兄ちゃんもたまたま偶然ムスタング(ボクのより少し新しいやつ)に乗っていて、そんなわけでボクの母ちゃんは「ムスタングの助手席にしか座ったことがない」というイケイケガール。ちなみに、兄ちゃんは来週結婚する。家族の前でチューするのかなあ?

母ちゃんを送った後はまっすぐ家に帰り、再び作業に戻る。絵本制作が遅れているのだ。

ボクの中指は、内側の皮が何度も破れて、母ちゃんの踵のようにバリバリになっている。数時間の作業の後は中指の内側がベッコリと凹んでいるが、時間が経過すると逆にプックリと腫れてきて、あとはそのまま。絵本制作のおかげで中指が変に歪んでしまって、「手がキレイな人が好き」と言う女の子の言葉が胸にグサリと突き刺さる。

絵本第二弾『Zip&Candy』の制作は“月に2枚”というノルマを課していて、今月の完成が危ぶまれていたけれど、この調子でいくとどうにか2月分は最終日(2月28日中)に仕上がりそう。今回のページは背景の『サンピエトロ大聖堂』がとにかく手ごわかったのだ。しかし、場合によっちゃ、次のページにも『サンピエトロ大聖堂』が‥。畜生。早く終わらないかなあ、この生活。

そんな中でスイスイッと横から誰かが何かの結果を出した時には羨ましく思ったりもするけれど、やはりそこは拍手。これから進んでいく場所が違うし、そのまま頑張って欲しいし、なにより自分の時間を使ってその人の邪魔をするほど、時間に余裕がない。それに人の足を引っ張るということは、自分も後ろに下がるということだ。そんなことよりも、きっと自分のやっていることに対する興味の方が勝ってしまうから、昔から、あまり他人には干渉しないタイプなのだ。

だけどボクは、半端な覚悟でボクの邪魔をする人に対しては感情を表に出したりもする。「ほおっておいてもあなたの邪魔はしないから、ボクのことはそっとしておいてね」と思っている。できるならばそこの一線は越えてほしくないし、越えてくるのであればそれなりの覚悟はしておいてほしい。神保町花月の舞台にもう二度と立つつもりがないのは、そんな理由。ボクにはいろんな人との約束がある。やらなくちゃいけないことがある。

皆をドキドキさせたい、と毎夜思います。その為には譲れない部分があるし、ちょいと静かにしておいてほしい。そして、それが叶うのであれば、ボクはいろんなことを諦めようと思います。ドキドキさせたい、というのはボクの絶対的な目標です。

たとえば、あなたがいろんな方向にいい顔をして、「YES」を言い続けたとき、あなたはそれなりに重宝されて、あなたには何の被害もないかもしれない。だけど、そのシワ寄せは必ずどこかに表れる。それがたとえば自分が大切にしている人だったり、そもそも昔の自分が大切にしていたはずの想いだったり。「YES」を言い続けることが、巡り巡って、そこを傷つけてしまうことになる意識を持っていないことは、「悪」だと思う。

ただ、もし他人を否定するのなら自分より強い相手の方がいいね。テレビやラジオで人を否定するのは自由だけれど、自分よりも先輩にしておいた方がいい。否定する以上は、自分の立場が不味くならなきゃ。たとえば、理由がどうであれ、後輩の欠席裁判なんかはやっちゃいけないとボクは思います。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年2月27日 (土)

ピンチの2月

泣きそうだ。

“月に2枚”というノルマを課せている絵本第二弾『Zip&Candy』の制作に黄信号である。現在描いている20枚目にとにかく苦戦している。付け加えて、2月は28日までしかない。一度こぼしてしまうとそのままズルズルと崩れそうなので、なんとか間に合わせるつもりだが、しかしまいった。

「何故、絵本制作に追い込まれなければいけないんだ」と声を荒げたくなるが、何を隠そう自分で決めたことだ。誰かに締切を言い渡されたわけではない。とほほ。とにかく今日と明日でこのページを仕上げなければ。

『Zip&Candy』はロボットの物語。前作『Dr.インクの星空キネマ』が描き上がるのとほぼ同時に制作をスタートさせた。『Dr.インクの星空キネマ』の間逆をいってやろう、という単純なところからスタートさせて、話を作っていくうちにそんな事はどうでもよくなったのだが、出来上がってみると、そのイメージカラーは『白』。前回が『黒』の絵本だったので、結果的に間逆となった。

ペンは前回と同じ筆先0.03ミリのものを使っているが、それだと今回の作品には少し太すぎるので、インクを減らしてカスカスにさせてから使っている。これにより、かなり細い線が描くことができるが、当然そのぶん、時間も費やすことに。完成までにかかる時間はページによってマチマチだが、一枚平均で約70時間ぐらい。一日平均5時間。

一昨年の12月から制作しているので、今までにかなりの時間をこの『Zip&Candy』に費やした。これが今年中に本屋さんに並ぶなんて、今のところは信じられない。ボクには途方もなさすぎて、完成する日が頭の中で思い描けていないからだ。だけどその日は来るらしい。

そりゃ作業に疲れる日もあるけれど、今回は完成までの間に小説が一冊発売されるから、その時に読者の声が聞こえて、ボクはきっと救われることになる。

夏に全ての作業が終了する。作業が終わればどんな気持ちになるんだっけか? まあ、やるしかない。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年2月26日 (金)

かわいい女の子

今年の夏におこなう全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』の雰囲気を知っていただく機会が、この春にある。そこでの内容は、もちろん今年の夏に予定しているものではなく、去年の全国ツアーでやったネタを5、6本。ネタ順も決まったので、あとは当日を待つのみ。いやはや楽しみなお仕事だこと。そちらの詳細は3月に入ってから。

一昨年の夏にマイブログシステムというものを開発した。一人のアイドルのブログだけを一定期間見続けて、親心からそのアイドルを好きになろうというもの。確かに効果はあった。が、自分の中でそのアイドルが美化されすぎてしまうという危険性がある。実例があったわけではないが、もし万が一、そのアイドルとお仕事でお逢いさせていただいた時に、自分が描いていたイメージと違う、ということになりかねない。これは危険だ。

そこをどうクリアしようかと考えたところ、「お逢いする機会のない女の子にすればいい」という結論が出て、ここ最近はまったく何の面識も繋がりもない一般の女の子のブログを見ていて、そしてすっかりメロメロになっている。ボクにとって“画面の中の人”なのだ。

普通の女の子の飾り気のない日々の暮らしを覗いてニヤニヤしたり、その子が男友達と肩を組んで写真に写っていたりするとヤキモキしたり。都内在住とのことで、ブログに出てくる街を車で通った時は、「もしかしたら、あの子に逢えるかなあ」なんて考えたり。

ブログが更新されていると嬉しくて、朝方まで続く作業の疲れをそれで癒してもらっている。

気持ちが抑えきれず、そのブログに(自分の名前は隠して)コメントを書こうかと思ったけれど、『アメーバ会員からのみのコメントを受け付けています』と表示されており、おそらく自分はそういった会員ではないので受け付けてもらえないのだ。まいったぜ。しかし、女の子はかわいいなあ。ボクはもうすぐ30歳になるというのに、まったく。

すっかり暖かくなって、平和な今日。

バンクーバーオリンピックの盛り上がりについていけてない山本博が、女子フィギュアの長洲未来(ナガス・ミライ)選手を、天然で誤って、『チョウシュウ・ミキ』と読んでいました。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年2月25日 (木)

ムスタングのエンジンが一発でかかったことで、少し暖かくなってきたことを実感する。嬉しい春がやってくる。

夕方、そのムスタングに乗って幻冬舎まで。今日は5月に出版する小説の表紙の打ち合わせ。

装丁を担当してくださるのは、『Dr.インクの星空キネマ』でもお世話になった、ニューヨークまで酒を呑みにいくという希代の呑んだくれデザイナーの山本知香子姉さん。

幻冬舎の会議室で袖山さんと3人で打ち合わせ。3人が3人、気を利かせて、おやつを持ってきたせいで、机の上にはおやつがたくさん並ぶ結果に。呑気におやつをポリポリと食べながら、それそれの考えを話す。

紆余曲折ありながらも、ボクがフラッと言った「並んだ本は電飾看板で個性をぶつけ合う歌舞伎町のようで、歌舞伎町で一番目立つ店は閉まっているお店ですね」という一言で、「霧が晴れた」と山本さん。袖山さんが「レゴみたいな感じで」と言ったところで、「そうだ、そうだ」と話がまとまった。こうやって台詞だけを抽出して書くとほとんど無理問答であるが、3人の中では本当に明確な答えが出たのだ。

方向性はバッチリ決まったところで、あとは山本さんのお仕事。きっと今度お逢いする時にはいくつかの候補があがってくるのだろう。表紙のテーマは『色』。色にはそれぞれイメージがある。物語に合った色が必ずあるはずだし、なにより、子供の頃から色を扱うことが苦手だった(いつも白黒の絵ばかり描いていた)ボクは色に対しての憧れが強い。色本来の個性が存分に活かされた表紙であればいいなあ。

ここまでずいぶんと時間がかかったが、小説発売まで3カ月を切った。悔いのないように、自分好みの絶対オリジナルを、最後まで突き詰めていきたいと思う。今夜、もう一度だけ文章を見直す。

完成までもう間もなく。間もなくですよ。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年2月24日 (水)

節目に救われる毎日

本日は『キングコングのあるコトないコト』の収録。収録終わりでキングコングの漫才のことでスタッフさんと打ち合わせ。夏の全国ツアーの前に、去年の『KING KONG LIVE』の雰囲気をお披露目させていただく件で。先日、このブログでも「詳細は近々」と書かせていただいたが、まあ近々。3月に情報解禁とのこと。

スタッフさんが帰られて梶原と二人で、どのネタをしようか? と話し合う。とりあえず漫才を5本用意した。話の熱からして、相方共々、今一番楽しみにしている仕事かもしれない。早くその日が来てくれないだろうか。

毎日毎日机に向かってカリカリカリカリと作業をしている。昨日よりも今日、今日よりも明日と少しずつ進んではいるんだろうけれど、目に見えて大きな変化があるわけじゃないので、正直に言ってしまえばそこに焦りを感じたりすることもある。だからこそ今回のような機会には非常に助けられる。

明日のスケジュールは幻冬舎で小説の表紙のデザイン決め。いよいよだ。これもまた作業の節目であり、作業が進んだという確実な証拠なので、救われる。果たしてどんな表紙になるのか。ボクは楽しみで楽しみで。

とにかく小説の発売が迫ってきている。阿呆のように掲げた『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』の第2弾である。このブログで追いかけられることができる最後の作品となるだろう。

それにしてもブッ倒れそうだ。今日も作業。明日も、作業。

2010年2月23日 (火)

約束ですよ

その時々で誰かの言動がヤリ玉にあげられて、それを皆で徹底的に叩く。表に出る以上、批判というのは付いてまわるものだから、それはしかたがない。しかし批判が改善に向かわなくなる瞬間がある。その瞬間、意見から、「批判」という名を借りたただのストレス発散になってしまっている。

そんな方法でストレスを発散してもしかたがない。それは本当に一時的なもので、何の解決にもならない。だって、あなたを取り巻く環境そのものがストレスの溜まるシステムになってしまっているのだもの。毎年氾濫する川のよう。

ストレスを無くしたいのなら、そのシステムを変えなければいけない。そうでもしなければ、またストレスが溜まって、そしてその都度誰かをヤリ玉にあげて、意見してその気になって、それで自分の気持ちを誤魔化す。その繰り返し。それでいいのかい?

こんなことを言っても、明日になればまたメディアは次の誰かを見つけだしてきて、吊るしあげる。でも、悪いのはメディアだけじゃない。結局、メディアが取り上げるということは、需要があるということだ。TVで流せば視聴率がとれるし、本を出せば売れる。なんだかんだ言って、皆、他人の不幸を楽しんでいる。

ボクは、こんなものに負けているのが悔しい。ワイドショーを指して言っているんじゃなくて、人が本来持っている「他人の不幸を面白がる」という感覚に対して。自分が、自分の作っているモノが、それを凌駕できていないことが悔しい。

圧倒的なモノを作らなきゃなあ、と思う。「他人の不幸なんて面白くないよ。それよりも‥」という声が聞こえてくるまで。それはとても難しいことだけど、ライブ会場でお客さんの笑い声を聞いた時に少しだけ、なんとかなるかも、と思える。

今日は作業部屋を抜け出して新幹線に乗って、仙台に行った。車内では漫才を書いたり、揺れと戦いながら絵本を描いたり。仙台では独演会。今回で44回目の公演となった。2時間喋った。

仙台の皆様、素敵な笑い声をどうもありがとう。本当は呑み屋に流れ込んで、ライブに来てくれたお客さんとたまたま一緒になったりなんかして、朝までベロベロに呑みたかったけれど、明日は朝から収録なので、今日は東京に帰ります。

きっと職場で、きっと学校で、きっと家庭内で、きっと恋人と、きっとあたなはボクの知らないいろんなところで、ボクが想像もできないような辛い思いをしていて、ストレスやプレッシャーに潰されそうになりながら、だけどそれでも「笑おう」と、ボクの舞台に足を運んでくれた。ワイドショーを見て、「こいつがダメだ」「この女優はサイテーだ」という時間の使い方もあったのに、あなたはあなたの大切な時間とお金を用意して、笑いに来てくれた。そんなあなたを放っておけるわけないでしょ。

ボクが責任をとろうと思う。石にカジりついてでも、あなたが楽しもうとしている人生の手助けをしようと思う。5月には小説を出すし、夏には全国ツアーがあるので、そっちの方にも行く。11月には絵本を出す。

とっとと作業に戻ります。日本列島がひっくり返るぐらい面白いモノを作って、またあなたに逢いにいきます。

今日はどうもありがとう。

2010年2月22日 (月)

待ち合わせ

現在制作中の絵本『Zip&Candy』の舞台はイタリア。ロボットの星の物語なので、厳密にいえばイタリアではないので、舞台というより“モデル”と呼ぶべきか。ロボット達が闊歩し、街のいたるところで蒸気が上がり、歯車が所狭しと回っております。しかしベースとなっているのはイタリアのローマや、ベネチアの街並み。

そして、現在20ページ目の絵を描いているのだが、正直に言って制作が少し遅れている。明らかな原因がある。絵の背景に『サンピエトロ大聖堂』があるからだ。その存在を知っている方には、あれを描く苦労を少しは理解していただけるでしょう。たとえ、その存在を知らない人も、『大聖堂』という響きからなんとなくのイメージをしていただければ。まあ、大変なのだ。

そこそこ根詰めてやっているのに、遅れている。少しでも油断すると「どうすりゃいいのよ」と泣き出しそうな自分を押し殺しながら、今日もカリカリカリカリと。

とはいえ、まあ、今のところは取り戻せる程度の遅れ。「月に2枚」、とにかくこのペースを夏まで保てば、年内の発売が可能となる。

そんな中、明日は今年最初の独演会。仙台公演である。

いろんな制作物を抱え、すっかり煮詰まってしまった身体をパンッと弾けさせてやろうと思う。なんだか久しぶりな気持ちだ。仙台のお客さんはどんな声だろうか? 

とても楽しみにしています。それでは明日、劇場で。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月21日 (日)

ただいまキングコング中

本日のスケジュールは、朝の8時40分に現場に入り、9時に収録開始、そして9時半前にALL UPである。労働時間が30分満たない散々のていたらく。それもこれも、山本博粉する、約1分で勝負を決めてしまうニューヒーロー『キュービックルーマン』の為せる業なのだ。

「チッ、楽な仕事をしやがって」という声が聞こえてきそうだが、驚きの労働時間の日もあるので、どうか勘弁していただきたく思う。

しかし、そこからの自由時間‥つまりスケジュール表の白紙部分も、ボクにとってはとてもとても大切な時間なのだ。現在はこの時間を使って、夏の全国ツアーのネタ作り、小説執筆、絵本制作の3つをおこなっている。

劇場を所有している吉本が好きで、吉本にいたくて、その吉本の中で更にやりたい事をやる為には、吉本に対してツッパれる部分を持ってなきゃいけない。「NO」が言える環境を。それを作るのも、また仕事なのだ。そうやって、自分の環境は自分で整えていく。

決まる前にまずボクのところに話があるので、あまりそういったことはないが、勝手にスケジュール表の白紙部分を埋まっていると、時に納得のいかないことも。おかしな事を言うようだが、ダブルブッキングに近い状態なのだ。ただ、信頼できるマネージャー陣なので、ありがたいことそういうことは滅多にない。なんてったって、絵本制作の為にキングコングのスケジュール表に、『西野、イタリア取材』と5日間押さえたバカ野郎なのだ。その時間の必要性を理解していただけるマネージャーの存在というのはありがたい。

そんなわけで、ここ最近、エンジン音が大きくなってきたのは漫才作りだ。ルミネTHEよしもとに足しげく通われているお客様ならご存知だろうが、最近、キングコングはえらくヘンテコリンな漫才ばかりしている。これはもちろんn夏の全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』に向けて。

デビューの時から今までずっと、ネタは一人で作っている。吉本の本社に行くと、作家と数人がかりで作る芸人も見かけるが、それは絶対にやらない。どっちの作り方が正しい、というのもないと思う。両方に、メリット、デメリットがあるだろうから。

だけど作り出すものは個人の偏ったものでありたいし、なにより、一番苦しい器を作って、そこに自分を流しこんだ時に何が出来上がるかを見たい。それと土壇場で踏ん張る力も養いたい。新しいモノを作っていて煮詰まった時に、「今までだって一人でなんとかしてきたから、今回も絶対になんとかなる」と言い聞かせられる力。

そうして出来上がったモノを客前に出し、反応をもらい、梶原と合わせ直す。その時に初めて他人のメスが入る。となると、磨きは自分一人じゃないね。それは小説にしたって、絵本にしたってそう。まずは自分一人で苦しむ。そして提出し、磨く。夏の『KING KONG LIVE 2010』もそうやって出来上がっていくことでしょう。全国約10都市での公演。是非、お越しください。

とは言っても、「『KING KONG LIVE 』って、どんなだ?」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。今まで来られた方でない限り、内容は知らないわけですから。そういう人に対して、「お越しください」というのも少し乱暴かもしれません。映画でも予告があるわけですから。

というわけで再来月。「『KING KONG LIVE』は、いつも大体こんな感じです」という雰囲気を全国の皆様に観ていただくことになりました。去年の公演でやったネタを数本やることになりそうです。それを観て、今年の夏の『KING KONG LIVE 2010』へ行くか行かないかを決めていただけると幸いです。

その詳細は近々。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月20日 (土)

ありがとう、『俺とバーボン』

その昔。ボクがレギュラーでやっていたラジオ番組の生放送で、携帯番号とメールアドレスをバラされた男といえば、堤下敦だ。

仕事終わりに芸人仲間数人とホテルの部屋で呑んでいた時に、「想像力は無限大だ。男の裸を女の裸に変えることだってできる」とボクは豪語し、「絶対ムリだ!」と否定の声を上げる皆の前でシコシコに挑戦したわけだが、その時、ボクの想像の対象としての男の裸モデルとなったのもまた堤下敦であった。

さて、そんな堤下敦はボクより一つ先輩になる。ボク(キングコング)は彼を「つっつん」と呼び、当然のようにタメ口。上下関係の厳しいこの世界において唯一、治外法権が認められているのだ。となるとイタズラの対象になってしまうのはしかたのないことなのだ。自分より弱い者を笑うより、自分よりも力を持っている強い相手を笑う方が、お笑いとしてあるべき姿だからだ。

そんなわけで一年前。彼のブログを勝手に立ちあげた。「堤下敦は、ブログを一年間、毎日更新します」という公約をお付けして。

「本当にやっちゃうんですか? タレントさんのブログって勝手に立ちあげていいんですか? 怒られないですか?」と怯えるブログ会社のスタッフさんとの打ち合わせを当人には内緒で重ね、晴れて、堤下敦Official Blog『俺とバーボン』はスタートしたわけだ。ブログ名も勝手に決めさせてもらった。

こうなると、更新しない方が「空気が読めていない」となってしまうのが、お笑いの悲しい性。彼が芸人である以上、一年間毎日更新しなければいけないのだ。ああ、恐ろしや。

そして彼はそれを見事にやりきった。堤下敦Official Blog『俺とバーボン』は昨日付けで、「一年間毎日更新する」という公約を果たし、最終回を迎えた。

本当に素晴らしい芸人根性だと思う。付き合いが長いのでこんなことを今更言うのも恥ずかしい話だが、ボクは彼を心底尊敬している。芸人として、人として。同じ現場で、彼が何度も人を助けているところを見ているし、ボク自身、彼に何度も助けられている。

あれだけ達者な芸人なのに、率先して縁の下での仕事を選ぶ。『はねるのトびら』は彼のそういった支えの上に成り立っていると言ってもまったく過言ではない。本当に、そうなんだもの。

この先、彼と接する機会がある人に言わせてもらう。堤下敦に遠慮はいらない。遠慮なく、彼の胸を借りた方がいい。損得で動くような人間ではないので、まず間違いなく彼は、その大きな胸であなた方を受け止めてくれることだろう。堤下敦とはそういう男なのだ。

なんだって受け止めてくれる。

堤下敦とはそういう男なので、またある日突然、勝手に立ちあげさせてもらおうと思う。

『俺とバーボン』改め、堤下敦Official Blog シーズンⅡ『バーボン越しの俺』を。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月19日 (金)

いつか素敵な結末を

昨日の梶原とのメールのやりとりの、事後報告をしておきます。

梶原は真面目に曲を覚えてきたものの、少し間違って覚えてしまったようで、劇場の隅っこで何度か合わせてみたが、間違ったクセが身についており、なかなか直らない。堪忍袋の尾が切れたボクは、「阿呆め!」と、劇場の小道具置き場に走る。

ギターを取りだしてきて、弾き、そして唄った。

梶原が覚えるまで何度も何度も唄った。相方に弾き語りをする様子を皆さんに見られた。梶原は、間違って覚えたメロディが染みついてしまっているため、ゼロの状態から覚えるよりも時間がかかる。昨日のメールは、ものの見事に裏目に出たのだ。最低だぜ。

最低と言えば今朝。とんでもないミスを犯してしまい、顔面真っ赤になる。誰かに話して、身体から出さないと恥ずかしさで死んでしまいそうだったので、糞ダルマに電話。完全にバカにされる。この出来事は仙台の独演会か、石田と吉村とやるトークライブで話そうかと。

そんな最低な一日に、ニンマリさせてくれる出来事。あの男の子からメールがあったのだ。幻冬舎に届き、それが袖山さんを介してボクに届いた。「これからは幻冬舎さんをあからさまに贔屓します」と素敵なメッセージ。ありがとう。前田敦子似の女の子は、今日も可愛くて優しいかい?

それにしても、国母選手は大丈夫かなあ。怪我をされたようだ。

今回の一連の騒動に対する見方を、『攻撃』か『擁護』の二択しか用意していない阿呆が嫌いです。人間なんて誰だって悪い部分があって、良い部分がある。それらを混同しちゃダメだ。集団に自分が属している時にしか発言できない輩の大半がそう。マイケル・ジャクソンを「変態、ロリコン」と面白がって叫んでいた奴、どこいった? 自分が官軍じゃなくなった途端、口を塞ぐのなら、最初から発言しなけりゃいい。とは言っても、いいかげんそういった事に違和感を覚える人が増えてきたようにも思う。それはとても明るいニュースだ。

いろいろあったけど、国母選手のことはちょいと長い目で見て、「お疲れ様でした。お帰りなさい」と拍手で迎えてあげて欲しいなあ。そしたら、4年後にボク達を感動させてくれるかもしれないしね。頑張ったのは確かなんだから。

国母選手へ。

4年後。金メダルを獲って、表彰台のテッペンで大歓声と拍手に包まれて、嬉しくて嬉しくてたまらなくなって顔が真っ赤になってしまった時に、照れ隠しで「チッ、うっせーなー」と言ってください。今回の騒動もまとめて笑い飛ばせる、そんなハッピーエンドを期待しています。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月18日 (木)

梶原にメール

好きな車はムスタングで、好きな女の子はアメリ。好きなブランドはgrandcanyonで、好きな街はベネチアで、すきな酒は『よなよなエール』で、嫌いな人間は梶原となる。

嫌いな理由を挙げていけば限がないが、一つに絞るとするならば、「口まわりが汚い」ということになってくる。飯の食べ方が汚いし、とにかく歯が汚い。これは冗談でも何でもなく、知りあって10年で、奴が歯を磨いているところを見たことがない。

そんな汚い奴であろうと、コンビを組んでしまったので、明日も明後日も一緒の時間を過ごさねばならないのだ。今は、夏の全国ツアーに向けて少しずつ動いている。

今日、ボクは自宅で漫才を作っていた。世の中に存在しない曲をイジっていくネタなので、まずはギターを鳴らして、奇妙奇天烈な曲を作った。明日、仕事場で梶原にネタの内容を伝える予定だったが、曲がオリジナルのため、現場で伝えるとなると、梶原相手に何度か唄わなければいけなくなる。相方にギターの弾き語りを何度も。それを他の人に見られたらどうするんだ? だけど、覚えてもらうには何度も唄うほかない。まいったぞ。

その時、ひらめいた。携帯電話のムービーで唄を撮影して、それをメールに添付して梶原に送ろう。明日、会うまでには覚えておいてもらえれば、すんなりネタ合わせができるし、相方を相手に弾き語りをしている姿を見られる心配もない。

かくして、梶原にムービーを送る作戦が始まった。ギターの音とボクの声がちょうどいいバランスで録音できるよう、携帯電話を適当な場所にセットして、録音ボタンを押そうとした。が、その指が止まった。

恥ずかしい。とってもとっても恥ずかしいのだ。

自作の曲を自分でム―ビーで撮り、さらに相方に送るだと? 童貞をこじらせて間違った告白をしてしまう中学生よりも重症だ。西野亮廣が熱唱しているムービーが添付されたメールを受け取った梶原は、一体何を思えばいいんだ。互いに地獄じゃないか。なんてこったい。

しかし、方法は二つしかない。ムービーのメールを撮っておくるか、現場で梶原に弾き語りをするかだ。どっちも嫌だ。が、しかたがない、ここは消去法なのだ。

いろんな感情を押し殺し、ボクは録音ボタンを押し、唄った。本当に恥ずかしかった。

そして、「明日、このネタを合わせよう」という文章に添付し、送った。リスクが大きすぎる。だけどボクは勇気を振り絞った。漫才師として生きていく上で、夏の全国ツアーを成功させる上で、しかたのない、苦汁の選択をしたのだ。恥を捨て、相方に熱唱ムービーを送ることこそが、今のボクの覚悟なのだ。そのボクの全力の熱量に対して、まもなく梶原からとても短い返信メールが届いた。

『うん』

アイツ、殺してやろうかしら。

恥ずかしさに押し殺されそうになりヒーヒー言いながらムービーを撮ったボクに対する敬意がまったく見られないし、なにより、若干ひいてる感じがある。そりゃ、こっちだって、相方相手に、弾き語りのムービーなんざ送りたくない。

もうちょっと、「了解。映像まで丁寧に添付してくれてありがとう」とか、「OK!明日までには絶対に覚えとくわ!」とか書けるだろう。それを、「うん」だと? ふざけるな。

もう、アイツ嫌い。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月17日 (水)

ステキなキミへ

ボクの勝手をどうか許してください。本当はやっちゃいけないことなんだけど、胸がキュンキュンしてどうしようもなくなったので、この場を使って返事をさせてもらいます。

それは先日。幻冬舎に届いた、キミからの一通のメール。

『こんばんは。幻冬舎さんのDr. インクの星空キネマを読ませて頂きました。こんなステキな絵本をありがとうございます(゜∇゜)嬉しい気持ちになりました。西野さんに直接嬉しい気持ちを伝えたいけど、どうしたらいいのかわからないので、こんなどうしようもない文章を送ってしまいました。そ してこんなステキな作品を世に出した幻冬舎さんも偉いと思います。今月中にボクは受験を控えています。僕は『ステキさ』を自分の物差しに加えようと思いました。作る側に回ります。吉本興業の社員になろうともう一度決心しました。そしてもう一つ、この本をもう一冊買って、好きな女の子にプレゼントしようと思います。バラバラになってしまうかもしれなくて、出来れば一番ステキなプレゼントがしたかったので、タイミングがドンピシャでした。長文読んで頂いてありがとうございます。幻冬舎さん、これからもこんなステキな作品を出してください。2500円は高くないです。この作品に2500円出すようなステキがわかる世の中であって欲しいです。 西野さんには、前田敦子似の超可愛くて、超優しい女の子へのプレゼントにしますと お伝えください。』

どうしようもない文章? とんでもないぞ。最高の文章じゃないか。他の誰にも書けないよ。

絵本のことは自分のことだからさておき、「ステキ」とは良い言葉だねえ。それに最後の一文ですよ。「前田敦子似の超可愛くて、超優しい女の子」だってさ。まいったね、こりゃ。

本当にいい意味での『童貞臭』とでもいいましょうか、この時期にしか出せない魅力だなあ。ボクは心底、今のキミに憧れてるよ。そしてボクは自分の憧れを形にします。事実、キミのような男が、今度の小説に登場するから絶対に読んでおくれ。

受験、頑張れよ。もし落ちたら、愛情をたっぷり込めて全力でバカにしてやるから大丈夫。

そして前田敦子似の超可愛くて、超優しい女の子を大切にしてあげてください。

キミのような男に作品が届いて良かった。もし、いつか本当にキミが吉本興業に入るようなことがあったら、その時は声をかけてください。ここに勝手にキミの文章を載せちゃったお詫びに、酒をおごるよ。

ビールの旨い店があるんだよ。

西野亮廣より

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月16日 (火)

拝啓、オーツ博士

ルミネ出番の合間は劇場の隅っこに仮設の作業スペースを作って、シコシコと作業に励んでいる。寄せ集めの机と椅子では、ちょうどいい高さが作れなくて、時に腰が痛くなる。地獄的に散らかってはいるが、作業をするなら、やっぱり我が家が一番だ。

ポンコツ愛車ムスタングを運転している間はもちろん作業はできないので、ボンヤリと漫才を考えたり、最近は次の次の小説の組み立てをしている。現在はプロットとよばれる、いわゆる粗筋を制作中。まだまだ本腰を入れてやってはいないので、他の作業に支障が出るほどでもない。

プロットの前は、一枚の絵だ。絵本制作に使うスケッチブックの空いたページに描かれた一枚の絵。記号やアルファベット一文字、それと簡単なイラストで構成された、数式のような不可解な絵。これは物語の設計図。ストーリーはボクの頭の中にあるから、紙に書くのは、ストーリーの流れを思い出せる最小限のキッカケだけになるので、ボク以外の誰が見ても、この絵から物語を想像することはできない。

チーフマネージャーのカミガソ君から電話があって、「まいりました」と一言。実は5月に出る小説のことで賭けをしていたのだ。「読んで面白くなかったら売らなくていい。そのかわり面白かったら‥」という賭け。カミガソ君の言葉を聞いて、ニンマリ。小説の仕上がりは上々だ。

実は2冊目の制作がやんわり始まってるよ、とだけ報告して電話を切った。スケッチブックのその不可解な絵の上には『俺たち、人生バンザイズ(仮)』とある。主人公は10人だ。皆様のもとに届くのは来年か。

作業中に観る映画もいいが、作業を全部済ませて、一日の終わりに、部屋を真っ暗にしてビールを呑みながら観る映画の方がいい。

だけど今は、その時間すらもったいなく感じてしまう。やけにモゾモゾとしてしまうのだ。こりゃ重症だぜ。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月15日 (月)

楽しい作業

番組ADの男の子に呑みに誘われたせいで、バレンタインのロマンチックはブチ壊れた。

朝までに済ませておきたい作業が残っていたので、帰り際にその旨を伝えると、「作業しているところを見ていてもいいっすか?」と言われ、断る理由もないので、そのまま我が家へ。背中をじっと見てくるADの男とバレンタインデーに二人。もう、ホモだ。

今日は、ルミネの合間を狙って、番組スタッフさんがわざわざ会いに来てくださって、ペチャクチャと話す。昔からお世話になっている大好きなスタッフさんなので協力したい気持ちは本当にあるんだけれど、制作物に関することだったので、「夏まで待って下さい」と正直に事情をお伝えした。絵本の発売を11月に設定したので、夏には絵本制作が終わっているはずなのだ。逆に、それまでに制作物を増やしてしまうと、夏までには間に合わなくなり、年内発売が厳しくなる。とにかく夏。夏には終わらせる。大変だあ。

小説の執筆が一段落ついたので、今は絵本一本に作業を集中させている(漫才は除いて)。作業中は音楽を聴いたり、YouTubeで映像を楽しんだりしているが、今年に入ってからはビデオ鑑賞が主流となっている。

一日一本は映画を観ているので、今年に入って50本近く観た。当たり映画を観るコツは、オススメする人を当てることだ。センスをひけらかすような人が薦める映画は、ボクの場合、たいがいハズレるので、まったくあてにしない。見たいのは、その人のセンスじゃなくて、映画なのだ。そこを理解してくださる方の意見を参考にしている。

となると、FUJIWARAの藤本さん。品川さんも。昨日、藤本さんからオススメ映画を20本ぐらい聞いたので、今からの作業時間がとても楽しみ。

ひたすら作る。ひたすら作る。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月14日 (日)

砂場で友達を待つ間

たしかに「努力」という言葉しかないから、頑張ることが努力となってしまうんだけれど、もっと別の言葉があれば、使い分けたいもんだ。

ボクと同じ職種の人から、「努力ができないんです」というような溜め息をこぼされる場合がたまにあるが、困る。努力ができない自分を嘆いたところで、そんなところに答えなんてないもん。努力ができないということ、つまりは、人を楽しませたいという気持ちがその程度しかないということだ。嘆かなきゃいけないのはそっちで、それは本当に嘆くべきことだと思う。

たとえばそれはブログ一つとっても。途中で簡単に放り投げてしまう人を見ると悲しくなる。それを当人は「続けるのがしんどい」と言うが、それは、ちょいと順番が違うのだ。

人を楽しませたくて、ドキドキさせたくてたまらない。その為にはどうすりゃいいか? あれをやれば喜んでもらえるんじゃないか? いや、あっちをやった方がもっとドキドキしてもらえるかも。よし、やろう。早くやろう。

それが、結果的に「努力」になっている。本人はやりたくてしかたがない。寝る間を惜しんでネタを作りたくて、脚本を書きたくてたまらない。そりゃ、たまにツライ時もあるけどね。だけど、正しい順番はそうだ。「努力ができない」と嘆いているうちは無理。そんなことより、人を楽しませることを好きで好きでたまらなくなっちゃえばいい。

スッポンのようにしつこい袖山さんは、「ここをもうチョット‥」「もしかしたら、ここを‥」と何度も何度も原稿の直しを要求してくる。『ほぼ完成』の合格印を押してからも、何度も何度も。さすがに先日の呑みの席で、「袖山さんはしつこい」とネタにされていたが、小説を一文字でも良くしたくてたまらないのだ。読者を少しでも楽しませたくてしかたがないのだ。呑みの席でネタにされてしまうぐらい。ボクは、そういう偏った人間が好き。それがこの世界の信用。

ボクらのやることは「努力」というよりも、「仕掛け」という言葉の方が近いかもしれない。しかし、人に説明する時に「仕掛けをしてます」と言ってもキョトンとされてしまうから、今のところは「努力」というほかない。やっぱり、適切な言葉が欲しいなあ。

ニヤニヤしながら落とし穴を作っているような感覚なのだ。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月13日 (土)

足場はまかせろ

ボクの小学校の頃からの特技の中に、一度聴いた曲はほぼ一発で弾くことができる、というものがある。これにより、リコーダーの授業などは大ヒーローだったのだ。

これは、後に番組の検証で、「相対音感が発達している」との答えが出た。「相対音感」とは「絶対音感」ほど神秘的な、天才的なものではなく、音楽に触れる過程で身についていくものらしい。しかし楽譜などは今現在ももちろん読めないし、そもそも音楽を習ったこともない子供時分。

いつ音楽に触れたっけ? と無理矢理に記憶を探ってみたところ、そういえば学校の登下校時に毎日、「♪月曜日はうんじゃらげ~、火曜日ははんじゃらげ~」や「♪コンピューターおばあちゃ~ん」と、恥ずかしげもなく大声で唄っていたのだ。その阿呆が功を奏して、ボクの身体の中に「相対音感」なるものを育んでくれたのだ。

ほかに、人に自慢できる特技でいえば、「なんか、形にするのが上手」というのがある。これは主に、彫刻や粘土、日曜大工、まあ、お絵描きなんかがそうだ。人よりちょびっとだけ上手になったのには確固たる理由がある。小学校高学年から、中学、そして高校の授業時間のほとんどを、それに費やしたからだ。高校3年の授業時間は、もっぱら、『ミニ四駆』の改造に充てた。そうしていた方が授業中も静かだったので、ボクと先生、双方の意見が一致したのだ。

おかげで「造形」に関しては、そこそこの技術を身に付けたのである。掃除、料理、洗濯、郵便ポストを開ける‥、その手の技術はからっきし持っちゃいないが、「ちょっと気の利いた棚」を作らせたら、そりゃなかなかのものなのだ。

もちろん、ボクが高校最後の夏に阿呆の男子を集めて開催した、皆が自作のイカダに乗って、川西の中央を流れる猪名川(多田神社の前~ダイエーの裏の約二㎞)下りをする、「はばたけ!猪名川大イカダ大会」では、総勢30名の参加者の中、見事優勝を果たしたのである。すさまじい強度と浮力、水流抵抗を極限まで軽減し尽くした王者のイカダは、皆に羨望の眼差しを受けたのだ。

さて。今回、ボクがこのように自慢の限りを尽くしているのには少しワケがある。今まで、まったく何の役も立たなかったボクの特技が、ついに人様の役に立ったのだ。それは今日、新潟の雪山で行われた『はねるのトびら』のロケである。

演者には、なんとなくの足場が用意されていたが、カメラさんや照明さん、音響さんや、ディレクターさんは斜面で踏ん張りながらのお仕事。これを見て見ぬフリができるボクではない。技術さんの機材のセッティングの合間を縫って、近くに落ちてあったシャベルをザクザクと雪に突っ込むボク。ものの20分で、階段付きの見事な足場を完成させたのだ。この出来に、現場では大きな拍手が起こった。

こうして、スタッフさん達は足に気をとられることもなく、いつも通りの仕事ができましたとさ。

皆様には分かっていてほしい。次回の『はねるのトびら』の雪山ロケのカメラが安定している裏には、そういう、一人の男の涙ぐましい努力があったことを。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月12日 (金)

サンセットによろしく

昨晩は、『あるコトないコト』の総合演出の太田さんや、NHKの丸林さんや、幻冬舎の袖山さん、そしてイシバシハザマの石橋君といった、バラエティにとんだラインナップで酒を呑んだ。都内では少ない、“よなよなエール”を生で出してくれるお気に入りのお店。その昔、タモリさんに教えてもらったのだ。

丸林さんが先日撮り終えた特番のDVDを「是非、観てちょうだい」と皆に配れば、ボクは袖山さんに『Zip&Candy』の描きたての原画を2枚渡し、そして袖山さんからは『Zip&Candy』の赤字が入れられた原稿を渡される。太田さんは今度出る小説をすでに読んだ数少ない人で、その感想を袖山さんに述べる。袖山さんはとても嬉しそう。石橋君は、将来、共に働くやもしれぬ関係者を、喋って喋って笑わせた。皆、働いているのだ。

家に帰り、『Zip&Candy』の赤字が入れられた原稿をチェック。パソコンの画面には、昼間に石田と漫才の話になって、その熱で書きはじめた漫才台本があり、床には、新たに描き始めた『Zip&Candy』の20枚目の下書きの絵と、次々回の小説の設計図が転がっている。収納しきれない『Dr.インクの星空キネマ』の原画も手伝って、部屋は今日も散らかっている。その部屋を見渡してみて、ひとつ小さなため息が漏れる。

同時進行でたくさんのことを抱えていて、大変といえば大変だけど、ここで一度休んでしまうと、そのままプツンと集中が途切れそうなので、なんとか自分に鞭を打つ。それに、昨晩のような酒が呑みたいし。まあ、とにかく踏ん張りどころなのだ。

夏の南国の海の夕暮れに。全ての作業を終わらせて頭をからっぽにして、ウクレレ片手に、ビールを呑みたいもんだ。もしかすると、この夏の『KING KONG LIVE』の最終日が沖縄公演かもしれないので、そこが狙い目か。

小説はもうちょっとで完成。全国ツアーの漫才は残り6本。『Zip&Candy』の原画は残り13枚。明日は朝から『はねるのトびら』。頑張るぞ。頑張るぞ。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月11日 (木)

ファインプレイ

毎日0時に更新している当ブログだが、なにも0時ちょうどにポチンッとしているわけではなく、記事の公開日時を指定して0時に自動的に更新されるようにしているのだが、ここのところその機能がバカになって、どうにもこうにも0時更新が難しくなっている。こりゃまいったぜ。どうにかならんかね。

小説をほぼ書き上げて、発売は3ヶ月後に迫った。この小説が、『Dr.インクの星空キネマ』に続き、誰もその名を呼ぼうとしない「日本列島ドンガラガッシャン大作戦」の第二弾となるのである。これは自分の気持ちを上げる為の作戦名であり、間違っても小説のタイトルではないのであしからず。

しかし「日本列島ドンガラガッシャン大作戦」とは大きく出たものだ。日本列島をひっくり返す、というんだもの。すでに世の中にはいろんなモノが出回っているし、皆さんの目も肥えている。その中で、見た事のないモノを提供して、ドンガラガッシャンとひっくり返すのは大変なこと。

それでも、まだ絵本であれば、視覚を使って1秒でなんとなくの雰囲気を知ってもらえることができるが、小説となると、やはりある程度、読み進めていただくほかないのだ。そりゃ、なかなか難しいとは思う。

だけど今回の小説を読んでくれた人をドンガラガッシャンとひっくり返して、その後、とびっきり幸せにする自信はある。少々大きく冠をつけても、バチはあたらないと思うので、「日本列島ドンガラガッシャン大作戦」と。生意気にすみません。

たくさん売れたらいいなあ、と思いますよ。単純に多くの人に読んでもらいたいし、舘野さんや、菊池さんや、袖山さんが喜んでくれるし。でも、どこまでいっても、どこか「遊び」です。

そう言うと、「仕事としてやっている人に失礼」なんて言葉を浴びせられるけれど、お笑いだってクラスの連中を笑わせる延長でやっているし、そもそも金儲けがしたけりゃこんな世界に飛び込んでないわけだ。飛び込んだ以上は少々の無茶をしてね、誰もしたことのないことをして、知らない誰かをドキドキさせたいと思うのです。その時に必要なのは、やっぱり「遊び心」に尽きる。だってエンターテイメントだもの。

今回の小説が皆さんのもとに届く日が待ち遠しい。その本にはボクの遊び心がたっぷりと入っています。本を手にした際は、楽しんで下さいな。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月10日 (水)

東京

同じく旧車マニアの秋山竜次から聞いた“冬場のエンジンのかけ方”を実践して、今朝は一発でエンジンがかかった我がポンコツ愛車ムスタング。久しぶりにやってきた暖かい朝の後押しもあって。

『キングコングのあるコトないコト』の現場までムスタングを走らせる。想うのは、番組プロデューサーが車を買い替えるかどうか。前回の収録の合間に、「ひけらかすような高級車に乗ってちゃダメだ」と熱弁し、ついには「バカみたいな旧車を買おうかなあ」という言葉を洩らすところまでもっていったのだ。それっぽい理由を述べてプロデューサーの説得にあたったが、本当は完全にボクの勝手。ただ、収録現場の駐車場に窓にスモークを貼った似たような車が並んでいるのを見るとガッカリするから、というだけの理由なのだ。

このまま順調にいけば夏には収録現場でコルベットにお逢いできるはず。今日も引き続き説得にあたろう、とムスタングを走らせた。その道中。携帯のメールが鳴り、車を止めてチェックする。「なかなか迎えに来ないので、もうタクシーに乗りました!」と、本日ゲストのNONSTYLEの石田から。

そんな約束をしたっけ、と昨晩のメールの記録を探ってみたが、ない。「そんな約束してないぞ」と返信したらば、「家が近所なんやから、だいたい分かるやろ!」と理不尽にキレられる。が、これはしかたがない事なのだ。出会った頃から今も尚、奴は頭がイカれているのだ。

収録では、NONSTYLEが喋る喋る。彼等とは本当に古い付き合い。彼等はNSC生じゃなかったので吉本に知り合いがいなかったし、ボクらはボクらで先輩芸人の輪の中に放り込まれてまだ馴染めなかった頃で、互いにポツンと取り残されていて、そして気がつけば肩を寄せ合うように一緒にいた。

東京でNONSTYLEと仕事を一緒にする時は、いつもその頃の事を思い出す。感慨深いものがあるのだ。

昨晩、『はねるのトびら』のADちゃんから電話があった。こんな時間に珍しい、と電話に出たら、「お別れ会をしているので、来てください」とのこと。演者やスタッフさんのお弁当の手配や身の周りの事を世話してくださったスタッフさんが、この春、番組を抜けられるのだ。急いで呑み屋に向かうと、ADちゃんはすでにベロベロで、軽く絡み酒に近い状態。そちらには適当に水を飲ませ、抜けられるスタッフさんに「お世話になりました」と頭を下げ、仕事を残してきたので、一杯だけ呑んで歩いて帰った。

そして今晩も酒を呑む予定が入っている(もともと昨日は入っていなかった)。

ライブの手伝いをしてくれていたスタッフさんが一人、田舎に帰ってしまうのだ。田舎へ帰る理由もまだ知らない。だから今夜、呑み席を設けて話を聞くことにした。だけど帰ることはもう決まっているらしい。とても寂しい。

共に大阪から出てきて、一緒に汗を流せることもあれば、東京を後にする人を見届けなきゃいけないこともある。東京は、何だかよく分からないまま集まってきた人たちを、毎日毎日ふるいにかける。ずっと一緒に残れれば嬉しいけど、皆がそうはいかない。なんとかできないかな、といつも思う。少なくとも自分の半径何メートルかは拾えるようでありたい。その力は、たとえば、経済力だったりするんだろうなあ。今夜はぼんやりと考える。

東京にいるのだ。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 9日 (火)

どうなる!?やや嵐

いつの間にやら冠番組を持ってしまった知る人ぞ知る『やや嵐』という糞ユニットがいる。もちろん嵐大先生のおスネをかじって生きているわけだが、本人たちはそれを否定している。

もっとも、『はねるのトびら』内でやっていることですから、言うまでもなくそんな事もひっくるめてコントなわけで、即席アイドルの仮面を脱げば芸人さん達ですから、カッコつけている様を「ブサイクですよ」と罵ってやることが最大の愛情となるわけで。そして、そのことを理解してくださっている観覧のお客さんも、やや嵐に対するボクの罵詈雑言に対してキチンとブーイングをしてくださる。全てが順調に進んでいるかと思われたが、ここにきて、ある変化が。

元来コントとしてやっていただいていたはずのお客さんのブーイングに若干の熱が入ってきたのだ。つまり、「やや嵐も一生懸命やっているんだから、『ブサイク』とか言っちゃダメじゃん」である。事実、カメラが止まっている間に、リアルな温度で「つかじゅんカッコイイ」という声が聞こえ出したのである。これが何を意味するか?

ちょっぴり人気が出てきているのだ。

これはマズイ。非常にマズイ。

同じような現象が以前にもおこったことがある。『悲愴感』というグループだ。「アイドルグループを組ませてくれ」と懇願してきた三人をメンバーは邪険に扱った。しかし、勝手に歩き出した三人はCDを出し、一曲だけのイベントに1万人が集まった。楽屋で絡む時は「なんだよ、お前ら」が成立したのだが、1万人の彼らのお客さんの前ではそれらの言葉は許されなくなっていた。気づけば立派な人気者。見事な逆転現象である。

やや嵐の収録終わり。総合演出と「これ、人気出てんじゃね?」という話になり、軽く頭を抱える。まあ、しかし、そうなったらなったで面白い。どうせ人気が出るのなら、とことん出てもらった方が何かしら遊びも増えるだろうし、いくところまでいって欲しい。

しかし個人的にこっそりと期待しているのは、やや嵐がある日突然TVから姿を消して、誰もその話題に触れなくなる、その瞬間だ。大人の事情がガッツリ働いたことは誰の目にも明らかだろう。それは芸人らしい最期で、ボクは絶対に笑ってしまう。

その日まで、微力ながらやや嵐を応援していこうと思います。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 8日 (月)

毎夜、毎夜

後藤ひろひとマンからメールをいただき、品川まで『続・コーポからほり303』を観に行った。素敵すぎるお話に、おおいに笑わせていただき、刺激をいただいた。

終演と同時にとっとと家に帰りたくなったのは、作りたくて作りたくてたまらなくなったから。ボクも頑張ろう、といつも思わせてくださる。後藤ひろひとマンは、なんともありがたい存在なのだ。

夏の全国ツアーの漫才はおいておいて、現在ガッツリと制作中のモノは5月に出る小説と、11月に出る絵本。これだけでなかなか手がいっぱいなのに、次の小説の構想が沸いてきて、ただいま作業が少し混乱している。

厳密に言えば、作業は切り替えてできるのでどれだけ増えようと混乱はないのだが、走り書きしたメモや、たいして役にたたない絵コンテなどのせいで、部屋が大混乱なのだ。探し物が見つからないったらありゃしない。

いつか、『Dr.インクの星空キネマ』と5月発売の小説と、11月発売の『Zip&Candy』と、その先に発売されるかどうかわからないけれど、現在構想中の小説。この4冊全てを読んだ人に会って、酒を呑み交わしながら朝まで話がしたい。ということは、恥ずかしいけど、きっと自分の作るモノが好きなんだと思う。誉められたいのだ。

でも一番好きな瞬間は、自分の好きなモノが誰かの手に渡って、その人の中で少しだけ歩きだしたとき。たとえば、『Dr.インクの星空キネマ』に登場するマルタ・サンポーニャ。そいつが、新宿の紀伊國屋の店員さんが売り場のポップに描いてくださっていた時は飛び上がるほど嬉しかったし、松本大洋さんからの手紙の挿絵に描かれていた時は胸がビリビリして止まらなかったし、お客さんからの手紙に描かれていた時はニンマリが抑えられなくなる。

作品を世に出す以上、自己満足じゃないんだもの。だから、自分の生んだモノが誰かの中に生きているということは幸せだ。

一つでも多く残せるよう、今夜も頑張ります。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 7日 (日)

前に並んでいる奴の膝の裏を後ろから突いて、カックンと崩れる度に声を殺して笑った全校集会。週初めの全校集会では、前日の日曜日に行われた大会での結果の表彰があり、優秀な成績を残した人たちが名前を呼ばれ、壇上に上がり、校長先生から表彰状を貰った。

ボクは、呼ばれてもいないのに壇上に上がっていって、ヤンキーの先輩達の視線をひしひしと感じながらも、壇上で一発フザけて、ウケたりスベッたり。そして体育教師に首根っこ掴まれて列に戻され、体育教師の機嫌次第ではゲンコツをくらう日もある。痛む頭を押さえ、「最悪や~」と嘆くボクを、仲間の男連中はゲラゲラと笑った。

兵庫県の川西という片田舎から出てきて、なんだか分からないうちにTVに出るようになった。山や川や暴走族や昆虫や幽霊マンション、そういうモノに囲まれて育ったボクに、TVの世界というのは目がくらむほどキラキラしていて、どこかで虚勢を張り続けなきゃ壊れてしまいそう。

それは中学校の時の全校集会の壇上のようで、そして仲間の男連中が待っている場所が、今のボクにとってはライブなのだと思う。壇上での成功も失敗も、すべて受け止めて笑いとばしてくれる場所。

一緒に舞台に立つ芸人が好きで、それを裏で支えるスタッフさんが好きで、それらを笑いに来てくれるお客さんが好き。そこでは自分の全てをさらけ出して、考えるのは、そのままその人達と心中すること。

『ろくでもない夜』を共に過ごしてくださった皆様、どうもありがとう。

お礼にボクはせっせと働いて、皆さんをドキドキさせるようなモノを必ず作ります。

そして、また集まりましょう。あなたの下品な生の笑い声が、ボクの支えです。

また笑い声を聞きに行きます。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 6日 (土)

正直な気持ちは作品の中

ブログの具合が悪く、今まで通り0時に更新を設定しても2日連続で失敗している。一体どうした?

ここのところ、かなりカロリー消費量が高い収録が続いている『はねるのトびら』。この文章が更新されている(?)今も昼間からの収録が続いていて、それが終わり次第、新宿ロフトプラスワンに直行。今回が最後となる『ろくでもない夜』を朝までやって、仮眠をとって『はねるのトびら』へ戻り、《おスネかじり虫》こと『やや嵐』さんのお相手。少々、声が心配。

転がり落ちるような毎日で、気がつけば2月に入っている。どうやら節分も終わったようだ。完成予定日を早める為に「月に2枚」とノルマを増やした絵本制作は、今月ももちろん実行中で、あいかわらず悲鳴を上げながら筆を走らせている。

しかし、お客さんからの差し入れで、ボクが使っている0.03mmのペンや、街の写真集や、デザインブックや、個人的に撮られたベネチアの写真などを頂いたりするたびに、2冊目の絵本『Zip&Candy』の完成を待ってくれている人がいるんだなあ、と頑張れるのだ。

『Zip&Candy』の制作は一昨年の12月から始めたので、かれこれずいぶんと時間を費やしているが、やらなくちゃいけない作業はまだまだたんもりと残っている。今年のクリスマスまでに発売を間に合わせる、というのが目標。願わくば11月中。

その前、5月に小説の発売があるので、今年の冬に発売される『Zip&Candy』の発売をもって、ボクが皆様のところへ発信する書籍は合計3冊となる。3冊とも手に入れられた人には、ボクの好みや作っていきたいことがバレてしまう。いずれの本も、根底にあるモノは一つなのだ。

毒舌を誇らしげに掲げることは好きじゃないし、達観した表情で毎日をやり過ごすのも好きじゃない。そういう生き方をしているうちは怪我をしない。しかしその代わりに、自分を取り巻く環境は何も変わらない。自分が未熟であることを受け止めて、渦の中に飛び込んでいく。そこで七転八倒しながら、昨日よりもチョイとだけ前に進んで、そしてやっぱりドキドキしていたいですよ、ボクは。

作品というのは、そういった作り手の思いがより濃くより正直に表れるから面白い。

小説発売まで、あと3カ月。

絵本発売まで、あと9カ月。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 5日 (金)

チビッ子の言葉

公演2週間前にして、なんとか本日、独演会の仙台公演のチケットが発売となる。あそこで言っていなかったら、もちろんまだ発売となっていなかったわけで。あらためてゾッとする。

しかし今日は嬉しいことがあったので、気持ちよく眠れそう。

夏の全国ツアー『KING KONG LIVE』でやる漫才のうち、1本のネタの基盤ができたのだ。ルミネの出番で試して、手ごたえを感じたので、コレをこれから叩いていってしっかりとした1本のネタに仕上げる。『KING KONG LIVE』は合計7、8本のネタをやる予定なので、先はまだまだ長いが、これまでも何本も書いたがずっとボツが続いていたので、ひとまず、といったところ。

出番終わり。劇場によく来られるお客さんに出口で声をかけられ、「今日のネタ、『KING KONG LIVE』でやるんですよね?」とズバリ当てられる。もしや漫才中にニヤニヤしていたのがバレたか?

歌をもじるネタなのに、阿呆の梶原が「元の歌を知らない」と言うので、しかたなしにボクのパソコンを使って何度も梶原に歌を聴かせた。劇場の隅っこの方で、キングコングで肩をひっつけてコソコソと音楽を聴いていたのだ。恥ずかしいぜ、まったく。しかし、そのかいあって『KING KONG LIVE』に一歩近づけたので、まあ良しとしよう。

そして明日は、最後となる糞ライブ『ろくでもない夜』がある。仕事の都合で少々参加が遅れるけれど、到着し次第全力でフザけて取り返そうと思う。『ろくでもない夜』のこと、最後だからと言ってもちろんしんみりとした内容にはならないのだ。フザけて、ガハハと笑って、おしまい。どうぞ宜しくお願いします。

昨日の『はねるのトびら』の終わり方が好き。やっぱりエンターテイメントは「頑張れ」と言うことだと思う。しかしボクらのような仕事で口に出して言うのは、どうしても難しい。そんなボクらの代わりに、あのチビッ子が見事なフィナーレを飾ってくれました。チビッ子の言葉を聞いて、二ヤッとした後、少しホロッときてしまいました。

その夜中に、『クレヨンしんちゃん~嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲~』を観た。こちらもホロッときてしまった。自殺を止めるしんちゃんの一言に。

「ズルイぞ!」だってさ。

まったく、いい言葉を持ってくるなあ。そうそう、「生きる」ということは、背負っていくことですね。それを放棄しちゃダメだ。

昨日はやたらとチビッ子に心動かされました。みんなバンガレー。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月 4日 (木)

公園にいる気持ち悪いオッサン

今年の7月3日にやってくる30回目の誕生日をもって、このブログを閉じようと思っている。だから、結果までを追いかける事ができるのは、ブログ終了前に出版予定の小説となる。11月に出版を予定している絵本第2弾は、残念ながら最後までお伝えすることができないのだ。

小説は、そろそろ「表紙のデザインはどうします?」という楽しい話になってきそうだ。その辺のスケジュールの舵取りは担当の袖山さんに任せっきりなので、ボクは身を任せるだけ。ちょくちょく表紙のデザインの好みなどを訊かれたりするが、正直言って、あまり「コレがいい!」という決定的なモノがボクの頭の中にはないのだ。

『Dr.インクの星空キネマ』の表紙の時のように、「原画の中からどれか一枚を表紙にしましょう」と限定してくれたなら、迷わず「コレ!」と言えるんだけれど、選択肢が無限にある今回のようなケースは迷いに迷ってしまう。「自分っぽい」表紙がいいんだけど、「自分っぽさ」って何だ?

まあ、まだ時間もあるし、おいおい探していこうと思う。

そんなボクは現在、夏の全国ツアーの漫才作り、遅々として進まない絵本制作。そして、ほぼ仕上げにかかっている小説執筆で、空き時間が見事に埋まっている。

家の近所にある大きな公園での10㎞のジョギングは日課で、その間は、もちろん筆も握れないし、ありがたいことに頭がカラッポ。だったのだが、今日は走っている時に、突然2冊目の小説のアイデアが浮かんできて、「このアイデアを家に持ち帰る間に熱が冷めたら嫌だ」とジョギングの足を止め、木の枝を拾って地面に書き始めた。

なにせ登場人物が多いので、頭の中だけで転がしていたらこんがらがってしまうのだ。だから視覚を使って整理する。自分が脚本を担当した舞台『日の出アパートの青春』も『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』も、登場人物と舞台セットのミニチュアを作って、それらを動かしながら書いたのだ。

木の枝を持って地面にカリカリと設計図を書くこと30分、「キングコングの西野さんですよねえ?」と子連れのお母様に声をかけられ、ふと我に返る。平日の昼間に30前の男が、木の枝で地面に絵や文字を描きながら、時折ニヤニヤしているのである。破壊的に気持ち悪いじゃないか。

「はい。すみません」と顔を真っ赤にその場を立ち去り、家に帰って、公園の地面に書いた内容を急いでスケッチブックに書く。取りこぼしもなさそうだったので一安心。そして、これからは最低限の大人のマナーとしてメモ帳の一つでも持ち歩かねば、と心に決める。

一冊目の小説も、そしてその後に控えている絵本の出版も、まだだというのに、なんとも気の早い話だこと。今日のコイツが陽の目を浴びるのは、いったいいつになるのやら。

しかしながら、隠しているカードがまた一つ増えたので、ポカポカとした良い気分の、気持ち悪いオッサンです。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス 『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』 

2010年2月 3日 (水)

風に吹かれて独演会

すったもんだがありましたが、無事、2月22日に『第44回 西野亮廣独演会』が決まりました。会場となるのは仙台ジャンクボックス。2010年一発目の独演会となる。短大の学園祭でやったのが去年の最後だっけ。なんだか、前回からずいぶんと間が空いたように感じる。

独演会はいつも独特の雰囲気。今まで40回以上やってきているが、一度だって、舞台に上がる時の感覚が被ったことがない。会場の作りも、土地柄も違うので、あたりまえのことなのだが。毎度新鮮な思いをさせてくれるので嬉しい。

そしてテレビなどでエピソードを話す機会をいただいく時に、いつもこのライブをありがたく感じている。引き出しをたくさん作ってくれるのだ。ライブで終わりじゃなく、その先の展開があるのも、個人的に思う独演会の素敵なところ。そして、独演会は、第40回の大阪公演を映像に収めている。どこかのタイミングでDVDとして出したいなあ、なんて展開も考えていたり。

いろんなお仕事をさせていただいているが、全ての活動の根底がライブであることは良いことだ。演芸なんて、エンターテイメントなんて、どこまでいってもやっぱりお客さんと作り上げていくものだと思うもの。

ああ、楽しみ。

第45回からの独演会の事を考えたら、ちょいと整理しなくちゃいけないことはあるけれど、とりあえず今はライブに集中。

知らない誰かと同じ目的を持って、同じ時間を共有できることが、奇跡的に素晴らしいことだなあ、と思う。あらためて、ライブが好き。

会場で逢いましょう。

2010.2.22(月) 仙台ジャンクボックス『第44回 西野亮廣独演会 仙台公演』

2010年2月 2日 (火)

どこまで行っても明日がある

キナ臭いと思っていたら、やっぱりトラブルがあったみたい。今月22日の仙台の独演会の件。とりあえず予定通りライブはおこなうようだ。半端な仕事に対して許せない部分はあるけれど、それとこれとは別の話。やると決まったからには、全力でやる。仙台での独演会を楽しみ倒すのだ。よし、やるぞ。

今日は番組収録があった。と言ってもレギュラー番組ではなく、NHKさんの『笑いがいちばん』のゲストで。実は一昨年から、呑み仲間の丸林さんからお話をいただいていて、いろいろ都合がつかなく、ついに今日までもつれた。申し訳なくも、ありがたいのが、憧れの昭和のいるこいる師匠と共演させていただいたこと。

自分たちの漫才出番を終えて、舞台袖から師匠の漫才を勉強させていただく。一体、何がどうなって、ああいう形の漫才が生まれたのか不思議で、そして師匠の一挙手一投足に笑わされて、胸がドキドキした。

コンビを組んだ当初、いつかテレビに出たい、と思って漫才を作ってはいたけれど、テレビで知ってもらえるキャラクターが漫才の障害になりうる、という事など思ってもみなかった。漫才を作っていて、自分たちの中では嘘などないのだけれど、テレビで自分たちの事を知ってくれた人たちからしてみれば、キャラクターのギャップに違和感を覚えて、そしてボクたち自身もお客さんのその温度を肌で感じるようになって、コンビ結成2年目の頃からだんだんと漫才がやりにくくなってきた。先輩方がネタをしなくなる理由が少しだけ分かった。

だけど漫才は続けたいし、どうしたもんか、といろんな漫才を漫才を見ている時に、昭和のいるこいる師匠の漫才に辿りついた。こういう会話も漫才で成立するのか、と。慌てて他のネタも見て、2本見終わった頃にはもうすっかり虜。

漫才中だけのキャラクターを作って成立するのは、漫才での姿しかさらしていないコンビ。それ以外の姿を知られた以上、コンビの本当の関係性を知られた以上、その減らされた選択肢の中で漫才を作っていかなきゃいけなくなる。

正直、息苦しい、と思ったけれど、そんなのは言い訳で、負け惜しみで。そんな中にあって、昭和のいるこいる師匠はフリートークそのままの漫才を悠々とやられていたのだ。ボクはそれで救われた。未来があったのです、そこにハッキリと。

のいるこいる師匠の漫才を舞台袖で見てケラケラ笑っていたら、視線を感じて、目をやると、林家正蔵師匠が本当に優しい顔で微笑んでくださっていて、たまらなく嬉しくなった。そんな師匠方を前に、自分はあまりにもひよっ子で、みじめに感じるぐらい小さかったけれど、だけど嬉しくなれた。

番組スタッフの皆さんもニコニコと収録を観ていらして、みんな演芸が好きなんだなあ、とまた嬉しくなれた。

とても素敵な現場でした。

ドン・ガバチョの未来を信ずる歌』という歌を御存知でしょうか? ベンジーの言葉を借りるなら、「俺の血はそいつでできてる。12歳の細胞に流れ込んだまま、まだ抜けきれちゃいない」のです。皆さんのもとに素晴らしい明日が降りますように。

今日がダメなら明日にしまチョ

明日がダメなら明後日にしまチョ

明後日がダメならシ明後日にしまチョ

どこまで行っても明日がある ホイ!

 

2010/2/5(金) 新宿ロフトプラスワン 『ろくでもない夜~2周年だよ!!~』

2010/3/17(水) 新宿ロフト 『ろくでもない唄』

2010年2月 1日 (月)

いざ、仙台へ

一日の終わりにブログを書く。感じたこと考えたことを文字に起こすと、より整理ができて、明日に備えて今日を終えることができる。悪くない。あと半年もすれば、それも無くなるので、代わりになるものをそろそろ探さねば。

今日は糞人間の山ちゃんと仕事が一緒だったので、空き時間はキングコングの楽屋で梶原と三人でずっと喋っていた。もしかしたらそこは世間の人と少しズレがあるかもしれないが、山ちゃんは若手芸人で一番キチンと売れている男だと思う。そしてそれは一過性のものではないから、生涯通して確かな活動をしていくに違いない。そんな男と話すのは楽しい。互いに企んでいることをペチャクチャと喋った。

一応、自分なりに先を見据えて仕事のバランスを計っている。自分が置かれている環境のメリットを存分に使って、やらなきゃいけないことをやる。自分にしかできないこと。しかし納得のいかないこともある。

22日に仙台で独演会があるらしい。「らしい」というのは、2月のスケジュール表に突然書いてあったからだ。現場マネージャーに訊けば、「僕はちょっと分かりません」ときた。吉本のこの体制には毎度ウンザリさせられる。

チケットは発売されているのか、会場はどこなのか? そういった詳細も分からないまま。雑な仕事ぶりに強く憤りを感じる。ライブを軽く扱われるのは許せないし、なにより、それがお笑いを作る側の人間の仕業であることに落胆してしまう。

独演会は50回近くやっているが、そこに来るお客さんからすれば、1回なのだ。当日のお客さんの予定もあるし、お金の問題もある。コツコツ貯金してチケットを買ってくれているのだ。そういう意味でライブの告知はなるべく早くしなきゃいけない。『Made in KingKong』は何度言ってもそこが直らなかったので中止した。惰性の仕事で人の胸がうてるわけがない。

仙台の独演会の件は、明日中に答えを出します。本当にゴメンなさい。

畜生、くやしいなあ。明日だ、明日。

 

2010/2/5(金) 新宿ロフトプラスワン 『ろくでもない夜~2周年だよ!!~』

2010/3/17(水) 新宿ロフト 『ろくでもない唄』

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