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2010年3月31日 (水)

今日も急いで夜が来た

夏の『KING KONG LIVE 2010』のネタをまた思いついちゃったので、とてもムフフな気分なのだ。1本ぐらい長めの漫才があってもいいかなあ、とボンヤリと考えている。ちょいと遊びで、一年目に作ったネタのリメイクをやってみても楽しいかも。今やると、どうなるんだろう?

ちなみにNHK『笑神降臨』の放送日時は4月9日深夜24時過ぎかららしい。こちらでは去年の『KING KONG LIVE 09』の内容をほぼそのままやっているので、これを観てライブに来るか来ないかを決めてくだされば間違いはないかと。

残り8枚となった絵本『Zip&Candy』の制作は、取材で行ったイタリアの写真が活躍している。糞ダルマを主人公『ジップ』に見立ててポーズをとらせて撮った写真を見ながら、イメージを膨らませる。そんなわけで、夜通し、オーバー30の禿げた男の写真を眺める毎日を送っている。何枚かに一枚は『ジップ』の気持ちを作った表情をしていたりするところが、実に腹立たしい。全て描き終ったら、黙って彼を殴ろうと思う。

そんな作業の最中、袖山さんから「『一つ』は、『ひとつ』と表記しませんか?」という連絡が入る。お渡した小説のゲラの最終チェックをされていたようだ。ボクはボクで、小説とは別の作業をしていたところだったので、とても綺麗に役割分担ができていると感じた。

ボクの役目は作ること。一つできたら、預けるべき人に預けて、次を作る。作品を前に、自分は所詮“歯車”だと思う。だから大切なのは、信用して預けられる人が周りにいることだ。

あと3カ月でこのブログを終わらせる。なんじゃかんじゃで何年か続けてきたものなので、すっかり生活習慣になってしまった。終わらせると、しばらくは調子が狂うんだろうなあ。だけど、あんまり喋りたくない気持ちも正直どこかにあったりする。言葉を垂れ流すわけじゃなく、気持ちを伝えるならキチンと練ったもので、という感じ。以前、そんな話をチーフマネージャーのカミガソ君にはフワッと伝えた。さて、どうなるかな。

毎日すぐに陽が暮れるから、ダラダラしてられない。

明日は新番組『いつもガリゲル』の初回収録。すでにいろんな芸人さんにロケに出てもらっているみたいで、ただただ感謝。スタジオでは、ちゃんと責任を持って受けさせていただこうと思う。

お互い、明日も頑張りましょう。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月30日 (火)

フル稼働ですよ

「おい。無事なのか?」という連絡を今日もたくさんいただいた。芸能界の大先輩からも。なんてったってタイムラグが一カ月近くある。コケたのは今月の頭だ。靭帯が切れた後も(切ったとは知らないから)かわらず毎日10㎞走ってたし、『ろくでもない唄』も『笑神降臨』も、ともに暴れ回った。ボクは無事なのだ。よけいな心配をおかけして本当に申し訳ない。

朝11時。袖山さんが絵本の挿絵を取りに来られた。昨晩から続いた作業は滑り込みセーフ。間一髪だった。

「到着しましたー」という袖山さんから電話を切ったと同時に、洗面台に走り、顔を洗い、おでかけ服に着替える。編集者さんから「こいつ、もしや締切を脅かす奴なのか?」という疑いをかけられないように、ボクは“余裕感”を演出せねばならないのだった。

しっかりと睡眠をとってずいぶん前に起きた‥なんなら、喫茶店でコーヒーを一杯いただいてきました、というような清々しい表情を作り、袖山さんを迎える。頼もしさ、を植え付けることには成功したはずだ。

我が作業部屋『ZipMotors』に戻り、床に仰向けになったと同時に、夢の中へ。目が覚めたのは1時間後。だけど、えらくスッキリしている。ボクはきっと寝るのが上手なのだ。

「『あとがき』から読む人もいますよ」という袖山さんの忠告を思い出し、ネタバレがあっては困る、と昨日書いた『あとがき』を少し書き直して、送った。

次いで、4月1日に打ち合わせがある『日本列島ドンガラガッシャン大作戦第3弾(つまり小説出版の次におこなうもの)』の下準備をした。打ち合わせで話すことをまとめて、スタッフさんに送った。

一息つくと、目の前には真っ白のスケッチブックがある。またこれを埋めていかなければならない。まったく途方もない作業だ。ボケーッと下描きをしてみる。絵は自由。カメラでは撮れないアングルにも挑めるし、存在しえない空間を作ることだってできる。だけどページ数をかさねる毎に、“ネタかぶり”が発生して、ボクのような学のない人間は後の方がツラくなる。それでも探すしかない。鉛筆を走らせて探す、探す。

そんなこんなで、残りは8枚。月に2枚のペースで進めれば、7月中には終わらせられる計算だ。(仮)の予定では、7月25日から『KING KONG LIVE 2010』がスタートする。できればそこまでには終わらせたい。やるっきゃない。

今まで黙っていた小説のタイトルは、4月4日のブログで発表できそう。驚く人もいるかも。

ずっとずっと準備してきたことが、いろいろまとめて世に出る2010年。ボクの人生の中で、今年は節目の年になりそうだ。

夏が終わったら、今度はスペインにでも行こう。次こそ女の子と行きたいなあ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月29日 (月)

足音

「無事なのか?」とたくさんの方から連絡をいただきました。2日前に書いた怪我のことで。

靭帯もたくさんあるうちの何本かが切れただけで、足にサポーターをしていればピンピンと歩けるし走れるし、本当にたいしたことはないのですが(事実、病院にいくまで普通に生活していた)、ボクの文章が至らないんばかりに少し大きく伝わってしまったようです。

ちなみに“あばら骨”はズッコケた時にやったワケではありません。それよりも約2週間後です。ただ、明確に何時かは分からないのです。経験がある方ならご存知でしょうが、あばら骨は咳でもヒビが入ってしまうことがあるらしいです。靭帯損傷とはまったく別件です。

あるニュースでは、「転倒した際に靭帯を切り、あばらも折れた」と合わせ技として扱われ、私ったら、中目黒のアスファルト相手に両手をひろげてダイビングを試みた形になっていたようです。その知らせには、骨が折れるほどの恥ずかしさを覚えました。

とにもかくにもご心配をおかけして申し訳ありませんでした。まったくピンピンしとります。そもそも、怪我をしたのは一カ月近く前なのだ。

そんな仲間の心配をよそに、今日は関テレの『キンコンのせっかくやしツアー』という特番のロケではしゃぎ回った。大阪、京都、神戸の三都巡り。天気に恵まれ、ハプニングに恵まれ、芸能界の先輩方に恵まれ、日がな一日デレデレと笑っていた。とても楽しかったのだ。

東京には夜のうちに戻ってきた。

明日の朝、袖山さんが『Zip&Candy』の最新の原画を回収しに来るのだ。「もちろん描きあがりましたよ」というスタンスで連絡のやりとりをしたが、まだだ。まだ完成しとらんのです。

今夜、泣きベソをかきながら、描きあげてみせる。今描いているのはとても気に入っているページで、このページと、これまでデータにとっておいたページとを合わせてプリントアウトしていただき、タモリさんとの酒の肴にする予定なのだ。昨晩の電話で約束した酒の席に間に合わせるため、袖山さんにはワガママを言ってしまった。

だけどその甲斐あって、タモリさんったら絶対にひっくり返る。もはや『Dr.インクの星空キネマ』とはまったく別次元で描いているのだ。ウシシ。

そろそろ作業を開始しねば。じきに朝が来てしまう。急げ急げ。

帰りの新幹線の車中で、小説の『あとがき』を書いた。

我が子の足音がペタペタと聞こえてきました。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月28日 (日)

踊る阿呆

たとえば、『出演者以外、禁煙』と書かれていて、そこでタレントさんが悠々とタバコを吸っている。「すごい神経だなあ」と思う。現場に犬を連れてくる阿呆な大御所に対しても。

言わずもがな、吸いたくても我慢して汗を流しているスタッフさんがいて、犬アレルギーのスタッフさんや演者さんがいる可能性もある。

だだ、そういった個人の常識麻痺に関してはその人を注意すれば済む話だけど、やっかいなことに、人が集まってできた大きな渦が、最初は正しくても、時間経過と共に間違った方向に進んでしまうことが往々にしてある。

ボクらはその渦に巻き込まれて、知らず知らすのうちに間違いを犯してしまう。皆がそうだから、誰もそのことを咎めないし、もちろん罪の意識などない。後に控えているのは手痛いシッペ返し。

人は信じなきゃ何も生まれないけれど、人の流れは常に疑わなきゃいけない。疑う以前に、違和感を覚える身体でなきゃいけない。子供の頃に口癖のように言っていた「なんで? なんで?」や、思春期の頃によく感じた疎外感のような。

幻冬舎に届く手紙はいつも個性的なものが多い。本の感想をビッチリ書いてくださる方もいれば、イラストを描いて送ってくださる方もいる。「一緒に働きたい」と言ってくださる方も少なくなくて、中には履歴書を送ってくる阿呆な男もいた。(関西弁の「阿呆」は、前後の文章で、意味が180度変わってくるけれど、これに関してはとても良い意味で。ボクは大好き。)

自分が流れている方向に違和感を覚えることは、とても大切な感覚だと思う。そのことを「大人になりきれていない」「自分に酔っている」と揶揄する人も周りにはたくさんいるだろうけれど、諦めた人間のことを「大人」と呼ぶのであれば、そんな生き物にはなりたくない。ボクの周りにいる大人は、ちゃんと遊び方を知っている。何一つ諦めちゃいない。集団に身を隠すようなことはしないし、とても阿呆で、とても魅力的だ。

「一緒に働きたい」という言葉はキチンと受け止めました。だけど夏が終わるまで、本当にバタバタで、すぐに動けないのが正直なところ。でも、「逢って話したい」というのも正直なところ。全国ツアーでいろんなところに行くので、舞台終わりは劇場近くの酒場にてきとう入って、呑み明かしておりますので、確信犯で後をつけて迫ってきてくださいな。一緒に呑みましょう。どうせ遊びの打ち合わせだ、酒があった方が楽しい。言っておくけど、ボクの遊び仲間は面白いよ。

ついさっき、どうせ遊びの打ち合わせの電話が鳴った。

電話に出るやいなや、「何、出てんだよ」と言われ、「かけてきといて!」と突っ込むお決まりの挨拶。「(絵本の)2冊目、どんな感じ?」と訊かれ、「そろそろですよ」と答えた。それじゃあ、と近々呑みに行く約束をした。

電話の主はタモリさん。数年前の酒場で『Dr.インクの星空キネマ』を企画したときに、実はそれとは別の遊びを二人で企画したのです。それはまだまだ秘密。

数年後、きっと驚くよ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月27日 (土)

貧弱男の奮闘記

『はねるのトびらSP』の収録が続いている。撮影はまだまだ残っているが、今回のSPもフザけた内容になりそうだ。どうかお楽しみに。

4月のスケジュール表をいただいたが、特番のロケが入ってきたり、小説の告知でいろんな場所へ行かせていただいたりとバタバタ。2日ほど休みがあったが、ここも何か入るかもしれない。どんなスケジュールであっても絵本制作のノルマ「月に2枚」は守る。とにかく、作業終了予定の夏までは踏ん張らないと。身体を軽くして、夏の全国ツアーに臨みたい。

そんな中、小説のゲラチェックが終わったので、仕事終わりに幻冬舎までゲラを配達。いよいよ、いよいよなのだ。

ところで、肝心の小説に内容についてはこのブログであまり語っていない。そりゃもちろん小説を読んでもらって読者が感じたことが全てだから、いちいち語るつもりもないのだけれど、きっと喜んでもらえると思う。それはなにも、ファンの皆様に向けて書きました、といったモノでは決してなくて、物語のジャンルのこと。あなたを絶対に裏切らない。そのために長い時間をかけたんだもの。是非、読んでやってくださいな。

中目黒大転倒から左足首の痛みがひかず、すぐに足が変な方向に折れるので、病院に行ったら、じん帯が切れていた。「サポーターをつけて安静にしていたら自然に治ると思います」と言う先生のお言葉を信じるっきゃない。ついでに、胸の痛みもあったので、レントゲンを撮ってもらい、念のためにCTスキャンなるマシーンにも身体を突っ込んでみた。CTスキャンの詳しい結果はまた来週に出るらしいが、「おそらくアバラ骨にひびが入っている」とのこと。どうりで「ろくでもない唄」の終演後が苦しかったわけだ。

とにもかくにもお医者さんからは『絶対安静』を命じられた。しかし、ちょうど良かった。4月からのスケジュールに時間を奪われても、作業のペースが落ちないように、作業部屋にこもるとしよう。しばらくの間は呑みに行く回数は少し減るかも。それにしても寝返りをうつと地獄的に胸が痛む。いちいち面倒だ。

とにかく、たくさん作品を残して、一人でも多くのお客さんと逢う。

次回の独演会が決まった。詳細はまだ出ていないけれど、場所は名古屋。

待ってて。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月26日 (金)

嗚呼、漫才の夏よ

NHKに到着するやいなや、いつもライブを観に来てくれる女の子が働く局内の喫茶店へ向かった。途中で丸林さんとバッタリ逢ったので、そのまま誘って喫茶店で軽く打ち合わせ。

今日は『笑神降臨』の収録。打ち合わせといっても、“漫才を5本やるだけ”というなんともシンプルな内容なので、出ハケの確認程度。

喫茶店で働く女の子はとんだパンクガールで、制服姿がまったく似合っていないのが逆に可愛くて、糞ダルマを含むオジサン3人衆は収録前に一時の安らぎをいただいた。フレンチブルドッグを見て笑ってしまう、そんな感じ。デレデレと、さぞ気持ちが悪かったことだろう。

楽屋に入ると、梶原とマネージャーを含めてすぐに『KING KONG LIVE 2010』の打ち合わせが始まり、それが終わると番組リハーサル。そこから本番まではあっという間。気がつけば舞台に立っていた。

一つの番組で漫才を5本もやることなど、後にも先にもないだろう。身に余る光栄。その舞台を用意していただいたNHKさんに感謝感謝。

『KING KONG LIVE 東京公演』といった感じで、いつものようにツッコミと汗と唾を飛ばした。お客さんに混じって『あるコトないコト』の総合演出の太田さんが観に来ていたのには笑った。多くの人に支えられていると感じた瞬間。

収録はとても楽しかった。本当に楽しかった。

贅沢な願いだけれど、年に一度こんなことができたら、これほど幸せなことはない。TVが好きだし、ライブが好き、そして漫才が好き。その全てを叶えてくれるんだもの。

放送を楽しみにしておいて下さい。一番最後にやったネタはお気に入り。恥ずかしい話だけれど、M-1でやろうと思っていたやつなのよ。誰が何と言おうと、ああいうネタが好き。

これで『KING KONG LIVE』の雰囲気を知ってもらえる。もちろんネタは違えど、ライブの構成は今年も同じ。ただ漫才をやるだけ。今回の『笑神降臨』のスタイルです。

さて。

とっととネタを作りますか。ボツネタがたくさん生まれていますが、お気に入りはたしかに増えてきています。2010年夏、新ネタをブラ下げて、予定では大阪を皮切りに全国10都市をまわります。同じ時代に生まれたからには逢わなきゃ損。

逢わなきゃソンソン。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月25日 (木)

おサルの惑星

光の速さはいついかなる場合も変わることなく一定で、常に『秒速30万㎞』だとアインシュタイン大先生が言っておられた。光は、一秒間に地球を7周半もできちゃうのだ。

天井の高さが30万㎞だとすると、床から天井に向かって光を放てば、光は1秒後に天井にあたることになる。そんな高さの天井を持つとってもとっても大きなバスを、AとBの2台用意してみる。2台とも右を向いて並んでいる、とイメージしてほしい。

床から天井に向けて光を放つとき、Aのバスはその場に停車させ、Bのバスは走らせる。つまり、Bのバスだけ右に進むわけだ。

そのとき、それぞれのバスの床から放たれた光の軌跡はどうなるだろう?

Aのバスの光は垂直に真っ直ぐ伸びて1秒後には天井に着くが、Bのバスの光はバス自体が横に進んでいるので、光の軌跡は斜め(右肩上がり)に伸びることとなる。

四角形で考えていただくと分かりやすいが、縦の一辺の長さよりも、左下の角から右上の角までの対角線の長さの方が長い。

‥話をバスに戻そう。

光が垂直に伸びているAのバスよりも、光が斜めに伸びているBのバスの方が、光が辿る距離が長くなるというわけだ。

当然、Aのバスの光が天井に着いた頃、Bのバスの光はまだまだ天井に着いていない。光はどんな条件であろうとも秒速30万㎞。このバスでいえば、光が天井に着くまでが1秒というルールだ。

つまり、Aのバスの中では1秒が経ったのに、Bのバスの中ではまだ1秒が経っていないということになる。Bのバスの車内の時間の進みが遅くなっているのだ。

Bのバスの光がようやく天井に着いた頃、つまり、Bのバスの車内で1秒が経過した頃、バスの外では、1秒よりももっと時間が経過している。このBのバスの中で10年過ごすと、外では20年、30年経っていたりもする。Bのバスを降りると、そこは『未来』だ。

このBのバスこそが、『タイムマシーン』なのだ。

もっともアニメに登場するタイムマシーンと大きく違うのは、これだと、未来には行けても過去には戻れない。それに、垂直に伸びる光の軌跡を斜めに傾けるためには、そりゃもう、もの凄いスピードで横に移動しなきゃいけない。今の科学では、ちょいとキビシイかも。

ただ、それほど大がかりなことをしなくても、すごく身近なモノを使って条件さえ整えばボクらは簡単なタイムスリップができる。

数か月前の記事で、「タイムマシーン見っけ」と書いた日から、ボクは少しずつその準備をしている。べつだん、たいしたカラクリでもないので、お友達には、呑みの席で簡単に話している。誰かが先にそのタイムマシーンを使っても、まったく構わない。大事なのは、タイムマシーンを使うことじゃなく、タイムマシーンを使って何をするか、だ。

ツイッターの普及次第で計画は頓挫するかもしれないけれど、まあ、こんなのはお遊び。「うまくいけばラッキー」ぐらいにしておこう。

仕事のお仲間からは頻繁に「キチ〇イ」だと言われるけれど、今日の文章はべつに頭がおかしくなっちゃったわけじゃないですよ。

さあ、タイムマシーンを使って何をしましょうか? 何かとんでもなく大きな遊びがそこに潜んでいる匂いがプンプンするのです。

そんなこんなで明日は『笑神降臨』の収録。構成の関係だろう、番組収録というより、単独ライブ前夜の気持ちです。こりゃ、楽しみだこと。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月24日 (水)

楽しいの尻尾

『あるコトないコト』スタッフの悪フザケで沖縄に来ている。番組初のロケだが、わざわざ沖縄に来るほどのことではない糞みたいな理由で。事の真相は、放送で。

荷物が嫌いなボクはパソコンを東京に置いてきた。そんなわけでこの文章は、実は東京を発つ前に書いたもの。この文章が更新されている今頃は、きっと国際通りでへベレケになっている。

さて。

デビュー当時は考えもしなかったが、書籍類は別として、ライブ、舞台、映像といったそれらの作品を残す手段として今はDVDが主流となっているわけだが、その際『音楽』という存在は絶対に無視できない。

DVDには権利があって、「ここで、こんな曲が流れたら面白いかも‥」と思っていても、権利が発生する楽曲であれば使用NGだ。となると限られた中から選曲しなければならなくなるわけで、つまりは演出に制限がかかってくる。これは由々しき問題。

映像に残すという先々を見越したら、音楽を作れる環境を整えておくのが賢明だと思う。自分たちの楽曲ならば権利など関係ない。

そんなことを考えていた2年前、音楽プロデューサーの須藤晃さんとバッタリ逢えたのは、言い方は悪いが、ラッキーだった。それ以降の舞台は、いつでも映像に残して世に出せるよう、音楽作りに協力してもらっている。

そんな須藤さんとこの夏、音楽とは違う『遊び』を計画している。もちろんその現場にも音楽はあるのだろうけど、ボクがタッチさせてもらうのはそれとは違う部分。今までやったことのない遊び。情報解禁されていないので、まだ言えない。このブログが終わる7月3日までには、この場所でも告知ができると思う。今はその遊びが楽しみで、楽しみで。

楽しさはノラ犬みたく隙間から尻尾を出して垂らしているから、まずはそれを見つけるためにキョロキョロ見回して、尻尾を見つければ後はそいつを掴んで、おもいっきり引っ張る。

沖縄から戻れば、ずっと楽しみにしていた『笑神降臨』の収録。

新番組の初回収録も間もなく。番組タイトルは『いつも!ガリゲル』こちらもメチャクチャ楽しみ。

その合間にチマチマとネタ作り、小説のゲラチェック、絵本制作。こいつらが楽しく化けてくれる日を想い、うんとこしょどっこいしょ、と汗をかく。

楽しくても、つまんなくても、それは全部自分のせいだ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月23日 (火)

一冊の本が出来上がるまで

自分が書いた小説の最初のお客様は編集者さん。ボクの場合だと袖山さん。このブログでもその奇跡のしつこさは何度も紹介しているので、もはや説明の必要はあるまい。

編集者さんには、読んだ感想、意見、アドバイスなどを正直にぶつけていただく。それを受けて、たとえば文章をカットしたり、ときには物語を前後させたり、そんなことを繰り返しながら、自分と編集者さんの納得がいくまで文章を詰めて、原稿は印刷工場へ。

そして最後に、印刷されたゲラを持って登場するのが『校正さん』と呼ばれる方。

校正さんは、言わば“仕上げ”のプロフェッショナルで、誤字脱字の指摘から、たとえば「わかった」「分かった」、これらは統一させるつもりで見落としているのか、それとも意図的に漢字とひらがなに分けているのか? とまあ、そんな指摘も。

さらには、今回の小説の一文に「かむろ坂をのぼると林試(りんし)の森公園が‥」という表現があるのだが、校正さんは『林試の森公園』周辺の地図を持ち出してきて、「厳密には、坂をのぼってからチョコっと右折しますが‥」と教えてくださる。

そしてボクは赤ペンを握って、そのチョコっとの右折を文章の中に入れるか入れないか「どっちにするべ?」と悩む。

そうそう。校正さんが入ってからの作業は、もうパソコンは使わずに、紙面上での細々としたやりとりとなる。校正さんの指摘どうりに直すなら、その部分に赤でマルをして、「確かに、間違っているけど、ここはあえてこのままで」となれば、校正さんの指摘にバツをして、その旨を伝える。

現在はその段階。

これを提出すれば、それらをふまえて再度印刷してもらい、世に出るものと同じものがボクの手元にやってくるらしい。そこで問題がなければ、いよいよ製本。ついに一冊の本となる。

そもそも今回の小説は、舘野さんの「よそで出したら、ボク自殺するよ」というクソ文句に始まり、「西野、次は何するの?」というお笑い仲間の声や、発売を待ってくださっているお客さんの声の後押しがある。

マネージャーさんに走り回ってもらったり、雑誌のライターさんが忙しい中、取材して紹介してくださったり、という先々の動きもある。

安い批評で自分のポジションを取り繕うとする人にはきっとわからないだろうけど、大勢の人間の平均をとった答えからは何も新しいモノが生まれない。最終的に大勢の人間を突き動かすのは一人の人間の圧倒的な自己満足だと思う。だからボクは他人の意見をほとんど聞き流して、需要がなかろうが、時代に合わなかろうが、自分が作りたいモノを作る。そいつがいつか大勢の人の胸を打ってくれぬか、とバカみたいなことを毎晩妄想している。今度の小説にしたってそう。どこまでいってもボクの自己満足だ。

だけど、まだ名も知られていないボクの自己満足の一冊には、これだけの人が関わっている。誰か一人でも欠ければ、やっぱりカタチにはならない。小説の著者は『西野亮廣』となる。思うところはいろいろあるけれど、これは仕方がない。やっぱりボクのものだもの。ボクの自己満足がカタチになったのだもの。

だけど、決して一人で作り上げたモノではない。

「楽しみにしています」という言葉に、信じられないぐらい救われる。その声を前に、僕の頭は一生上がらない。小説完成間近。この場を使って、あなたに言っておかなきゃいけないこと。

いつも感謝しています。ありがとうございます。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月22日 (月)

ありがとう、蝶々さん

昨晩受け取った5月に出す小説のゲラをカバンに詰め込み、始発の新幹線に飛び乗って一路大阪へ。もう少し後の時間の新幹線でも十分間に合ったが、昨晩は作業が4時過ぎまで押してしまい、一度眠ってしまうと起きられないと判断した。チャンスは今日しかないのだ。おかげで行きの新幹線は爆睡。

大阪行きの目的は戸田恵子さん出演、三谷幸喜さん作・演出の一人舞台『なにわバタフライN.V』を観劇しに。三谷さんが「きっと勉強になると思いますよ」と席を用意してくださったので、まんまと甘えてみた。

あたりまえだが、開演数時間前に大阪到着。迷わないように劇場の位置を確認し、時間を潰しに近くの喫茶店へ入り、ゲラチェック。まもなく舞台が始まるというドキドキと、「喫茶店でゲラチェックってなんだかカッチョ良くないか」という腐った自意識にやられ、作業がまったく手につかない。そんなこんなで『なにわバタフライN.V』開演の時間となる。

31日まで公演があるので、内容は言えないけれど、音楽やセットで強引にもっていくわけでもなく、あまりにもシンプルな舞台。だからよけいに演者さんの隅々までを観てしまう。ありゃ怖い舞台だ。

そんな中、「あのシーンはきっと‥」なんて小難しい深読みをする間もなく、ただただ物語と舞台上の戸田恵子さんに釘付けになる。とにかくカッコ良くて、そしてなにより、とんでもなくカワイイ。もう本当にカワイイ。客席のボクはすっかりメロメロで、戸田恵子さんの一挙手一投足にイチイチ笑わされる。好きになるしか道が残されていないぐらいおバカなシーンもあって、もう痛快、痛快。

決してそんなことは口にしないだろうけれど、きっと蝶々さん喜んでるだろうなあ。戸田恵子さんが押し倒されるおバカなシーンがあるんだけど、蝶々さんが照れた時のあの淡々とした調子の「アホか」が聞こえてきたもん。

終演後は楽屋に挨拶に行きたかったけれど、帰りの新幹線の時間が迫っていて、泣く泣く劇場を後にした。だけど半分はホッとした気持ちもあった。お逢いしたところで、緊張して喋れないに決まっている。『グッドナイト・スリイプタイト』を観に行った時も、結局、三谷さん本人への直接の挨拶そこそこに、別れてから長々と感想メールを打ったのだ。まあ、ただのファンなんですよ。

嗚呼、ボクは幸せだ。この国はうるさい人も多いけれど、面白い人がたしかに居てくれる。ちょいとだけ疲れた時は、その人たちの作品に身体をあずけて、あとはデレデレと笑える。明日も頑張ろう。喋るのが苦手ならモノを作って、そいつに本音を代弁もらうしかないのだ。今回のお礼に三谷さんには今度出る小説を、そして戸田さんには別のプレゼントを送ろうと思う。ビックリさせてやるのだ。ムフフ。

そんなわけで今夜は、開演前の喫茶店で失敗したゲラチェック。校生さんが訂正してくださった漢字がさっそく読めない。これは、なんとゆう字だ? ガンバレ、西野。

小説発売、まもなくです。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月21日 (日)

SAYONARA ~キミの温もり~

昨晩。ボクが煙に包まれていた頃、NONSTYLEがS-1という大会で賞金1億円を獲得したという。ちなみにS-1は、開催発表の記者会見の場で「出ません」と言って、その場に居合わせた大人の皆様にすこぶる睨みをきかされて以来、我々キングコングはノータッチ。

今朝、井上から連絡があり、そこで奴らが優勝したことを知る。意外にも井上は丁寧な男なのだ。

それにしてもだ。石田からの連絡がない。「なんでわざわざ西野に‥」という声もあるだろうが、我々はデビュー当時から苦楽を共にしてきた同期のお友達だ。めでたい時はいつだって一緒に喜ぶスタンバイはできている。一声あってもいいじゃないか。

その時、嫌な予感がよぎった。もしや、と思い石田に連絡を入れる。「テメエ、賞金を持ち逃げする気じゃないだろうな!おごれー!おごれー!」

“なんで獲ったことを黙っていたんだ”と問い詰めると、彼は黙っていたわけではなかった。

一億円のプレッシャーにペシャンコに潰されていたのだ。

なんとも石田らしい。奴の表面の素材はナイーブでできている。プレッシャーにはめっぽう弱いのだ。いやあ、笑った。

とにかくおめでとう、NONSTYLE。しばらくは少し大変なこともあるかもしれないけれど、時間が経てば笑い話。大丈夫、大丈夫。

ところで昨晩だ。ボクは煙に包まれていた。

部屋に転がっていたクロワッサンを食べようと、封を見ると、「オーブンで2、3分温めていただくと、より一層美味しくお召し上がりいただけます」とある。我が家にはオーブンがないので、深くは考えず電子レンジに放り込み、2、3分待った。

まもなく、リビングを間に挟んだ作業部屋にまで聞こえてきた電子レンジの悲痛な叫び。聞いたことのない電子音が家中に鳴り響き、慌ててキッチンに駆けつけると、電子レンジから煙が漏れているではありませんか。

電子レンジのフタを開けてみると、煙が塊となって飛びかかってきた。咳込みながらも煙を払い、中をのぞくと、そこには燃え尽きたパン。より一層美味しくお召し上がりいただけそうにもない。まるで石炭のようだ。

そうか。オーブンと電子レンジのポテンシャルがそもそも違うのか、と気づくも時すでに遅し。振り返ると、部屋には煙が充満してしまっている。パンは燃え尽きていたので、現在何かが燃えているわけではないので火事の心配はないものの、こいつはマズイ。非常にマズイ。

煙に反応すれば、火災警報機が作動してしまうのだ。なんてこったい。

慌てて換気扇を回し、ベランダの窓を開け、煙を外へ逃がす。なんてったって、警報機の誤作動で外に出された住人の皆様のしかめっ面を知り尽くしているボクだ。あの顔の矛先がこちらに向くなんてまっぴらゴメン。

ボクは警報機の下に立ち、迫りくる煙をスケッチブックでパタパタと扇ぎ遠くへ追いやった。現在制作中の『Zip&Candy』が描かれている大切なスケッチブックだが、背に腹はかえられない。ひたすらパタパタパタパタ。

部屋はすっかりパン屋さんの匂いになったが、どうにか警報機は鳴らさずに済んだ。しかし、この難を逃げ候こと本懐にあらず。

廃人の様子を呈している電子レンジちゃんが、スイッチを入れてもウンともスンとも言わない。死んじゃった。今まで幾度となくサトウのごはんを温めてくれた電子レンジちゃんが死んじゃったのだ。ごめんよ。アイラブユー・サヨナラ。

拝啓、NONSTYLE様。同期芸人からのお願いです。

一億円の使い道は、日々節約をしてお金をやりくりしながら携帯料金を支払っているソフトバンクユーザーの方々に還元するか、ボクの新しい電子レンジを買うというのはどうでしょうか? 何卒、ご検討願います。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月20日 (土)

言っておくが、俺たちゃ負けてるんだぜ

子供の頃、映画『シザーハンズ』を観て感動した人の中に、あの作品が、「どうして雪は降るの?」という孫の疑問に対し、お婆さんが答えてあげた物語だということを忘れてしまっている方も少なくないのでは? 

少なくともボクはすっかりその部分(冒頭のお婆さんと孫の対話シーン)を忘れていた。大人になって観返した時に、「ああ、なるほど」となったが、子供の頃はハサミで犬の前髪を切ったり、大好きな女の子を抱きしめられなかったり、氷を削って雪を降らせたシーンが印象強くて、そればかりが記憶に残った。だけど、それはそれで、子供の頃もとても大好きな映画には違いなかったのだ。

童謡『ぞうさん』にしてもそうだ。「ぞうさん、ぞうさん。お鼻が長いのね」とコンプレックスを突かれても、「そうよ。母さんも長いのよ」とジョークで返す。生き方の教科書のような歌詞。だけど、そういった深い意味すら知らなかった子供時代も、それはそれで、やはり大好きな歌だったのだ。

作品は動かないけど、子供はいずれ大人になる。作品には、きっとその時々の楽しみ方があるのだと思う。

数年前。自由が丘のバーでタモリさんと呑んでいた時、「どうして僕らの子供の頃にはドキドキする絵本がなかったのかねえ?」という話になった。そもそもそんな絵本は世の中に存在しないのか、それとも、存在しているけれど流通がどこかでストップしているのか。きっとこの二つのどちらかだな、ということになった。あの夜、「大人はバカだからね。子供よりも自分たちの方が上だと勘違いしてるんだよ」とおっしゃったタモリさんの言葉が今でも強く残っている。

その話の流れで、数年後に『Dr.インクの星空キネマ』という本が出来上がって、それを世に出すことができた。その時に、チラホラと耳に入ってきた大人の声を聞いて、「ああ、なるほどね」となった。

「これは大人向け? それとも子供向け?」

こんな声があるから、子供の頃のボクらの手元にはまわってこなかった。世の中にはやっぱりドキドキするものが存在する。だけど戦時中の検閲官のような仕事を罪悪感なく好意でやってしまう大人がいて、そこに囲われている子供は、大人がイエスを出したものしか目にすることができない。

もしかしたら『ぞうさん』の歌詞も危うかったのかも、と思ってしまう。あの歌詞に関しては、大人自身もその意味を理解しないままだったから世に出れたものの、その意味を知った阿呆が「差別だ!」と声を荒げる可能性がおおいにあったわけだ。コンプレックスなんぞ蓋をしたところで消えやしない。だったら笑いとばせばいい。

こんな実験がある。

鉛筆で黒い丸を書く。「これは何ですか?」と大人に訊くと、「黒い丸」「鉛筆で塗りつぶした円」という答えが返ってくる。

同じものを子供に見せたら、その答え以外に、「カブトムシ」「ゴキブリ」「宇宙」と様々な答えが返ってきたという。ただの黒い丸が「宇宙」になっちゃうのだ。「黒い丸」としか答えられないボクらが抑えつけられる相手じゃないよ。

そしてボクら大人はそこでの敗北は認めなきゃ、自分のものさしの範囲内で繰り広げられるあまりにも予定調和な世界を創ってしまう。そんなものは全然面白くない。

大人にしかできないことがある。それは自分のエゴで子供の想像力に制限をかけるという残念なことではなくて、ルールに怯えて頭が凝り固まってしまった自分を認めて、その中でどう悪あがきを続けるか。自分と自分の周りの毎日をどれだけ楽しく昇華できるか。

ボクらにできることは、せめてそんなことだと思います。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月19日 (金)

ロマンチック僕ら

舞台から落っこちた時に強打した首が劇的に痛むが、やっぱり昨夜は楽しい夜だったなあ、とTHE抱きしめるズに貰ったアルバム『脳内デート』を聴きながら。

小説出版まで2カ月と迫った。山本さんにお願いしている小説の表紙デザインの完成を待つ間、やっぱり夏の漫才ツアーのネタ作りと絵本制作、そして来月末には情報解禁となるもう一つの動き『日本列島ドンガラガッシャン大作戦3』に時間を費やしている。ちなみに『1』は『Dr.インクの星空キネマ』、『2』は5月に出る小説だ。未だ誰も口にしない『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』というネーミング。孤軍奮闘中であるが、いいかげん泣きだしそうだ。

昼ごはんを食べに『ゆで太郎』に行ったら、入口で綺麗なお姉さんが一人でお蕎麦を食べていらした。ハイヒールがとてもセクシーだったので、お姉さんの隙をついてチラチラと拝見させてもらった。ボクら男は、きっとこのつみ重ねでオジサンになっていくのだ。下心が止まらないぜ。

仕事を頑張れば女の子が振り向いてくれるのかなと淡い期待を抱くけれど、振り向いてもらったところで一体どうすりゃいいんだ、と路頭に迷う。大好きな女の子と一日中ベタベタしていたら、今までみたく大好きな遊びができなくなってしまう。だから世の女の子、どうか「仕事とアタシ、どっちが‥」とは言わないで。どっちも大事だけど、どうすりゃいいのかわからないのよ。もっとも今のボクにとってこんな悩みは、獲らぬ狸の皮算用。チクショー。

日本列島ドンガラガッシャン大作戦3の内容は来月末に発表できると言ったけど、作品として世に出るのも実は早い。7月の中旬頃だ。つまり小説発売から2ヶ月後。

今日はその素材が家に届いて、今夜はそれをチェックしようと思う。こちらも楽しみなお仕事だ。

とっととモノを作って、それを受け取ったあなたに早く逢いたい。そんで感想を聞きたい。あなたと爺婆になった時、昔を思い返すキーワードにボクの作品がなれたら、どんなに幸せだろう。まったくロマンチックだぜ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月18日 (木)

あの娘がオシリを振れば東京震災

このブログが更新されている今頃は、『ろくでもない唄』終わりなので、きっと新宿のそのあたりでヘベレケになっている。そんなわけで、この文章はその前に書いたもの。

春から始まる新番組の打ち合わせがあった。情報解禁されているかどうかわからないので、タイトルや放送時間なんかはまたおいおい。

言えることは、自分がやっている番組、そして今までやってきた番組とはあきらかに色が違うということ。話をいただいた時にまず思ったのは、“これができるようになろう”と。それは必ず自分の血となり骨となるだろうから。そういう意識で番組と向き合うことに決めたら、最初の収録が俄然楽しみになってきた。

そしてこれはもう自分の感覚。渋谷のシアターDという劇場で『AGEAGEチャレンジ』という新人芸人のオーディションライブがあるんだけれど、そのMCをさせてくださいとマネージャーにお願いした。新番組の話をいただいて、すぐに。そのライブで、MCの勉強がしたくなったのだ。全部拾えるようになる覚悟。

猫背だし、O脚だし、声はガサガサで汚いし、部屋も汚いし、リビングは原画で埋まって気持ち悪いし、彼女にはフラれるし、中学生並みの頻度でシコシコしてしまうし、軽くマザコンだし、呑んだ翌日のオナラはすこぶる臭い。

今、目の前にあるものをなくしてしまったら、一体このボクに何が残るというのだろう。何かの弾みでシュンッと消えてなくなりそうな、そんな気がする時がある。そんなのは耐えられないから、頑張って残すしかない。寂しいのは嫌い。

そして、いいかげん彼女降ってこい。傘をささずに待っているというのに、もしや、五反田には降らないのか!? チクショウめ。チクショウめ。

THE・抱きしめるズ 『東京震災』

THE・抱きしめるズさん、今夜はどうもありがとうございました。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月17日 (水)

嘘をついて飯を食う

「もう、芸人が書く小説は売れないよ」とよく言われる。これから出そうとしているのに、あんまりな言葉だぜ、まったく。

たしかに芸人小説の当時の売れ行きと比べると、数字でいうと下がっているのは事実だと思う。だけど言い方を変えれば、ようやくフラットな状況になったのだと思う。そもそも、小説執筆を生業としている方々の所へ横入りしているのだ。そうそう簡単にやらせてもらえなくて当然。そして、だからこそ、そんな時に評価を受けることに意味がある。ボクはよけいに興奮してしまう。

それにね。得が少ないからといって取りやめるわけがない。お笑いを作る側なんだから、プラスマイナスで自分が少しマイナスになるぐらいがちょうどいいし、なによりボクらは石に齧りついてでも自分の好きなことをやり続けなくちゃ。それがボクらのお仕事だ。

当時、大阪でやっていた自分たちの番組は規制が多くて、なかなか自由に身動きがとれなかった。収録終わりはディレクターさんと呑みに行って「いつか、もっと‥」という話を毎回していた。そのためには自分たちがもっと発言力を持たなくちゃいけない、とかなんじゃかんじゃ言いながら、こうして東京にやって来た。

今度、そのディレクターさんとお仕事をすることになった。近道だったか、遠回りだったか、あの大阪の夜からとにかくずいぶん時間はかかったけれど、あの夜に話したようなお仕事。それが何かはまだ言えないけれど、周りの人たちからしてみれば、そんなに大きな仕事の話ではないかもしれない。事実、今日、芸人仲間から「なんで、そこに時間を使うの?」と言われた。

やりたいのよ。

やりたくてしかたがないの。やりたいことがやれると信じて飛び込んだ世界だから、往生際悪く、やりたい。“若手芸人というものは、この仕事をして‥この仕事をして‥”という、もはや一般の方にも知れ渡っている若手芸人の仕事の方向性があるでしょ? もし、自分のやりたいことがそれだったら、もちろんそれをやっている。ボクはたまたま、そっちの方向じゃなかっただけ。無理に修正したところで、そっちに進みたいと根から思っている人たちに勝てるわけがない。

「やりたいことばっかりやってちゃダメだ」と聞くけど、やりたいことばっかりやりたい。“楽をしたい”ということではなくてね。うん、それは全然違う。やりたいことを成すために地獄みたいにツライ思いをすることなんて頻繁にあるもん。ボクはね、「嘘」みたいなことをやりたい。

現実をしっかり受け止めて、人の注意もキチンと聞きながら生きていくのなら、そもそもこんな世界に入ってない。

楽しい嘘で皆を騙さなきゃ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月16日 (火)

なんて素晴らしい世界

『笑いがいちばん』に出させていただきました。ボクの憧れの漫才師、昭和のいるこいる師匠との共演。ワガママを聞いてくださったNHKさんと、のいるこいる師匠に感謝。

各々のコンビの漫才を披露した後、最後に4人で即興漫才をすることに。そして最後は、こいる師匠の頭を全力で叩いた。カメラが止まってから、こいる師匠から「ありがとう」という言葉をいただく。そして帰り際、スタッフさんを通じて、もう一度その言葉をいただいた。「叩いてくれて、ありがとう」

『はねるのトびら』に来ていただいた加藤茶さんや、志村けんさん、明石家さんまさんにも、収録後にその言葉をいただいた。

頭を叩いて突っ込んだのは、半分は場の流れ、もう半分は確信犯的に最初から狙っていた部分もある。決して頭を叩くことだけが正解だとは思わないけれど、自分自身、若手芸人が師匠に気を使いまくって進行していくお笑いはあまり観たくないし、ヒヤヒヤする要素のあるTV番組が子供の頃好きだったのを思い出して。

世間様からの信用度がまだまだ薄いボクのような若輩者が、大先輩の頭を叩いた時のリスクなんて容易に想像できる。「生意気だ」と、TVの前の半分ぐらいの人には気にいってもらえない行為だと思う。そりゃそうだ、しかたがない。本来は、社会人としてやっちゃいけないことだもの。

だけど、ご本人から「ありがとう」という言葉が聞けたら、もう全部我慢しようと思える。そして、それは何も大先輩に限ったことではない。AGEAGEライブという吉本の若手芸人が出るライブのMCを月に一度させていただく。舞台上のボクは、周りの芸人さんに「真面目にやろう」と呼びかける。その呼びかけを破って、周りの芸人さんはとにかくフザける。たまに劇場を出たときにお客さんから「なんで芸人なのに、『真面目にやろう』とするんですか?」と言われる。

もちろん、そう言われることが正解だと思うけれど、どこか、心のどこかでタメ息が漏れる。そんな時、一緒に舞台に立った芸人さんから「ありがとう」と言ってもらえると、ボクはとても救われる。きっと、その関係でいいんだ。ね? いかりやサン。

今日は仕事の合間に打ち合わせが2件あった。一つは4月末に情報解禁となる『日本列島ドンガラガッシャン大作戦第3弾』のこと。残りの一つはチーフマネージャーのカミガソ君と今後のことをあれやこれやと。

おそらく今年の下半期は、ボクの今までの芸人人生の中で、もっとも(ちゃんと)忙しい期間になると思う。カミガソ君とは「あと、やらなくちゃいけないことはなんだろう?」という話になった。考えたけれど、きっと“やらなくちゃいけないこと”は、種類でいえば、もうやっている。

“やらなくちゃいけないこと”は、今やっていることをやり切ることだ。うん、そうだ。

石田に電話をした。一人芝居『ダイヤル38』のことで。「話が延び延びになるのだけは避けよう」ということに。そして、ちょうどそのタイミングで三谷幸喜さんからメールが入る。「『なにわバタフライ』、観に来ませんか?」

こちらも一人芝居。まるで、会話を盗み聞きされていたようだ。このタイミングで一人芝居のお誘いとは、偶然か、確信犯か。とにもかくにも楽しみだ。三谷さんの舞台は『グッドナイト・スリイプタイト』以来。嗚呼、すでにドキドキしてきた。

三谷幸喜さんと、後藤ひろひとマンは、舞台の都度お誘いをいただく。いつもとても優しい。早く小説が完成しないだろうか。小説を書き始める時に相談した、このお二人に、ボクの作ったモノを見せたくてたまらない。そして「ありがとうございます」と言おう。いつも、魔法のような時間をくれる。

憧れとは裏腹に、毎日はチョコットしか進まないけれど、同じようにクソ重たいペダルをヒーヒー言いながらこいでいる人を見ると頑張れるし、なにより、その苦労が共感できて笑っちゃう。そして、そんな人が少なくなかったりする。

なんて素晴らしい世界だろう。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月15日 (月)

晴れときどき曇り、ところによりグラマーガール

短い期間で続けて描き上げることができた理由は、制作スピードが上がったわけではなく、描き込みの少ないページが続いたからだ。絵本第二弾『Zip&Candy』の制作は現在、物語の起承転結の“転”の部分に差し掛かっている。

ひたすらに幸せだった時間は鳴りを潜め、悲しい空気が流れている。つまりハッピーエンドの助走に入ったわけだ。

シーンに合わせて必然的に挿絵の描き込みも少なくなる。背景を賑やかに飾っている場合ではないのだ。そんなこんなで、今月は“月に2枚”のノルマをすでにクリアしている。この調子で最後までいってくれたらいいんだけれど、そうもいかない。最後はハッピーエンド。ニクイぐらいにキラキラさせて終わらせようと思っている。もちろん描き込みの量も増える。

今まで積み上げてきたものが音をたてて崩れ去るシーンの挿絵をどうするか悩んだ。そして、その時、いつものジョギングコースである林試(りんし)の森公園の景色を思い出した。

葉っぱが落ちて裸になった木の枝の影は、空に入った“ひび割れ”のように見える。

こいつは使えそう。絵の一番手前に木を置いてしまえば、その奥の景色が割れてしまったように見えるかもしれない。

今朝方。さっそくスケッチブック片手に林試の森公園に行って、木の枝をジッと観察。枝の生え方、枝の曲がり方、枝の折れ方。そして気がついたら筆を走らせず小一時間、ベンチに座っていた。目の前を行きかう人からは、“思い悩んでいる奴”と思われたに違いない。思い悩んでなんかはいない。むしろ、少し楽しかったのだ。いい絵になりそうだ。

それにしても絵本制作は忍耐だ。毎晩、頭が狂いそうになる。そんな時は女の子の柔らかい声が聞きたくなるから、YouTubeで、つじあやのサンやRYTHEMサンの曲を探して、その唄声に救われている。大袈裟な表現じゃなくて、その声がなければ発狂している。お逢いする機会があれば「ありがとうございます」と言いたいけど、たぶん緊張して言えない。

制作終了と同時に、アメリちゃんみたいな彼女が降ってこないかなあ。女の子が作るカレーライスを食べたい。ディズニーシーにも行きたい。エッチもしたい。チクショー。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月14日 (日)

変態さんいらっしゃい

ある仕事の打ち合わせで、「‥そこで西野さんのブログの宣伝していただいて構いません」と言われた。その仕事がブログに関係するような内容だから、スタッフさんも気を使ってくれて言ってくださったのだと思う。

ボクは「はい」と返事をしたけれど、たぶん、ブログの宣伝なんてしない。当日、話題が自分のブログのことになったら無理矢理に流れを止めるようなこともしないだろうけれど、間違っても「見てください」とは言わない。

ボクは5月に出る小説は大きな声で「買ってください」と言う。だって、売れたいもん。売れたら、そこに係わった人たちが今よりも少しだけ幸せになれるし、そしてボク自身、「どんなもんだい」と心の奥底で思えるから。だから売れたい。だから、「是非、買ってください」と言ってまわると思う。

チーフマネージャーと賭けたのは、「読んで、面白くなかったら、宣伝の場所を設けないで。だけど面白かったら、『買ってください』という場面を作ってちょうだいな」ということ。そして、その賭けには勝ったから、ボクはあらゆる場所で「是非、買ってくださーい」と言う。格好なんて関係ない。そもそも格好の悪さで飯を食う職業だ。

だけど、このブログは違う。自分への戒めとして勝手に書いているだけ。サボり癖がある自分の退路を断つため。だから「人に読まれている」という意識はあっても、小説のように「一人でも多くの人に‥」という気持ちはない。そもそも、「日記を宣伝する」という文化には違和感を覚えているのは確かだし。さらに、ボクのは「日記」と呼べるほど立派なものではなく、制作の過程をただ垂れ流しているだけの糞みたいな文章だ。

評価されるのは、そして、評価してほしいのは、出来上がった作品。毎日ダラダラ酒呑んで、女の子をはべらかして、それでも素晴らしいモノが出来あがれば、それは正しい。過程は大事だけれど、それは評価の対象にはならない。そもそも、芸人が過程を見せるなんてのは昔から“タブー”とされているしね。もっとも、それを踏まえて始めたわけだから、そんなのは関係ないけど。

このブログを読んでいるあなたは、その「過程」を見ているわけだ。映画のDVDでいうところの、メイキング映像を観ているわけだ。夜な夜な、その「過程」にチャンネルを合わせているわけだ。あなたは、やっぱり変態だと思う。

そしてボクは、その変態が何を考えているのか、何を面白がっているのかを知りたい。毎晩、昨日とたいして変わらないメイキング映像のような文章を読んで、何の糧にしているのかを、ボクは知りたいと思った。

きっとあなたは何かを起こそうとしているんだと思う。

今、自分がおかれている環境に納得いかなくて、それでもその環境を変えることに対して逃げてしまう自分がどこかにいる。それはボクも一緒。だからボクは四六時中ジタバタするし、だからあなたはジタバタしているボクを見て少しだけ共感してくれているのかなあ、と、おこがましくも思っている。そう思うと、このブログという奴もまんざらでもない。

あと3カ月とちょっとでこのブログはやめてしまう。「やめる」と言ったら、やめる。30歳からは「過程」を見せることを控える。だけど、その「過程」が、もしも、もしも本当に、今まで誰かの支えになっていたのだとしたら、生半可な覚悟でやめちゃいけないなあ、と思う。

とにかくモノを作る。それで納得してもらう。

たくさん露出していきたい気持ちもあるし、もっと姿をくらましたい気持ちもあるし‥、どうなるんだろうねえ、ボクの30代は。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月13日 (土)

自分

「逢わせたい人間がいる」と須藤さんから電話があった。とある造形作家さん。パソコンにその方の作品の写真を送っていただいて、見るなり、すぐにメロメロになった。

作品を見た最初の感想は「バカだなあ」、もちろん良い意味で。完成までには何度も頭を抱えられただろうし、やっぱり何かを犠牲にされたのだと思う。たとえその作品が存在しなくても、地球は涼しい顔してグルグル回る。誰も違和感を覚えない。そもそもが存在していなかったモノなんだもの。だけど、造らなきゃ気が済まない。愛すべきバカ。

「是非、お逢いしたいです」と返事をした。実は、この先に楽しい仕事が控えていて、もしかするとそこでご一緒させていただけるかもしれない。口止めされているので、まだ言えない。

5月の小説発売と夏の全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』と11月の絵本『Zip&Candy』の発売以外に、分かっているだけでも今年はあと二つ面白い動きがある。今までやったことのない動き。情報解禁になっていないのでまだ言えないけれど、喜んでいただけると思う。

それとは別で、先日お話させていただいた『ダイヤル38』を、なんとか年内にやりたいと考えている。チーフマネージャーが仕事で東京を離れているので、戻り次第、もろもろ打ち合わせをしようという話になった。

出演が吉村で、演出が石田。ボクは脚本だけれど、脚本はすでに書き終っているモノ(石田の意向次第では少し変更もあるだろうけれど)を使うので、二人の負担に比べればボクはチンタラとしている。このままでは打ち上げで呑む酒がうしろめたい味になりかねないので、劇場を探したり、スケジュールを調べたり、そういう舞台まわりの仕事ぐらいはしようと思う。

自分の人生は自分で楽しくしなくちゃね。

今年は、なかなかカロリーの高い下半期になりそうだ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月12日 (金)

「面白い」はどこだ

お笑いというものは、抑圧された環境で生まれた文化だと思う。狭い所に押し込まれて、それでもその生活を図太く楽しんでやろうと思った時に生まれた文化だと思う。音楽もそうか。

鬼体育教師からゲンコツをくらっても、その様を仲間に笑い飛ばしてもらうことで、ゲンコツの痛みを身体から抜いたのだ。「ゲンコツくらってラッキー」とさえ思える。

ヒトラーがいたから生まれたコメディ作品なんて山のようにある。お笑いとは、反抗する力だと思う。

だけど今、TV局で石を投げれば芸人に当たる。右を見ても、左を見ても芸人。そしてボクも、その人口増加に一翼を担っている。

今は、お笑いが市民権を得てしまっている。芸人に向かって、「たかが芸人風情が」と言えるアイドルがいるだろうか? どう考えたって、言っちゃいけない空気になっている。

これは憂うべき状況だと思う。

だからといって、時代のせいにして、ボンヤリと眺めているわけにもいかない。お笑いを作る人間は、今、自分たちが立たされているポジションをキチンとふまえた上で、そこから革新的に動かなきゃ、たとえ自分の飯代は稼げたところで、人をドキドキさせることは難しいと思う。

20年前のお笑い人とは、生き方の骨組みから変えていかなきゃ。この国は多数決で、その上、流行りに流されている人が多数を占めているわけだ。風当たりは相当なものになるだろうけれど、そこからしか始まらない。

周りの連中をつれて、面白い所へいきたいな。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月11日 (木)

見通し悪いぜ、人生は

夏の『KING KONG LIVE 2010』に向けて、新ネタをルミネで試す日々。ネタ終わり、次の出番まで梶原とネタの微調整。その時間の使い方に少し嬉しくなる。

劇場出番だとか、2回公演の営業とかが好き。間の時間を有意義にするもしないも自分次第。

今度の『笑神降臨』は漫才5本になりそう。『KING KONG LIVE』のスタイルそのままということなので、間に何かをするわけでもなく、TVでただただ漫才を5本。漫才師にとって、なんとも贅沢な環境。その場を与えてくださったNHKさんには感謝だ。

2010年は小説出版を皮切りに、下半期が本当にバタバタしそう。まだ発表できないことがあって、それを早く言いたい。今年は『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』の第2弾、第3段、第4段をお届けする予定。コツコツコツコツ続けてきたことが、ようやく陽の目を浴びそうだ。

面白いことをたくさんしたい。そして、面白いことに繋がる場所へ積極的に足を伸ばしていきたい。20代(とくに後半)はとにかく準備に時間を費やしたから、もうすぐやってくる30代はそれらをドカーンと。

達観した表情で可能性を潰すような言葉をいくら吐いたところで、状況は何一つ変わらない。それに、ボクらにはまだ「無理」なんて言葉を使う権利すらない。だって、全ての可能性を最後まで試した人間じゃないんだもの。まだまだ何も知らないよ。

幻冬舎に届いた手紙を読んだ。母一人で、子供を生かすために毎日踏ん張っておられるのだと。先なんてなかなか見えてこないだろうし、毎日不安でたまらないと思う。だけど、やるしかないの。母強し。

ボクは、そんな人に、誰も傷つかない作り話を届けたいです。

明日もどすこい。明後日も、どすこい。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月10日 (水)

ねつおとこ

今日も楽しかった『キングコングのあるコトないコト』。収録中のミニコントを思い出し二マニマ笑いながら自宅マンションに帰宅。エレベーターの大きな鏡で自分の姿を見ると、作業、作業で、ずいぶんとほったらかしにしていた髪の毛がすっかり伸びて、見事にオカッパ頭になっていた。

ビートルズのような洒落た感じのオカッパであれば格好もつくが、かなり安く見積もっても『キキララ』だ。ボクは今年で30歳になる。キキララはマズイぞ。

モテヘアーにしたい気持ちはある。しかし、ワックスをつけて恰好良くセットしたところで、髪をグシャグシャに掻き毟る癖がある。この癖は治りそうにない。モテヘアーへの道険し。女の子と朝まで布団にもぐりたい。

ペンダコがブッ壊れて、中指の内側の皮がベロンとなって、ちょいと痛む。その中、絵本制作は23枚目に突入。まだまだ先は長い。

収録合間にアンジャッシュ渡部さんと小説の話になる。「もうそろそろですよ」とお伝えすると、「楽しみにしてるよ」と嬉しい言葉をいただく。はやく皆に読んでもらいたい。

『ダイヤル38』の件はマネージャー陣に伝えたし、それとは別で夏に少し面白い動きがある。口止めされているので、情報解禁日まで待たれよ。

丸林さんから『笑神降臨』のことで電話があった。収録は間もなく。そしてそれが終われば、全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』の準備が本格的に動き出す。

やらなきゃいけないことだらけで、てんやわんやな毎日。そんなボクの何を面白がっておられるのか、無限大ホールの支配人の坂本さんから「ライブをしましょうよ」という話をいただく。内容を訊くと、ガレッジセールのゴリさんと、後輩芸人の尾形君と3人でのトークライブだと。

「ゴリさんは何と?」と尋ねたところ、前向きに考えてらっしゃる、とのことだったので、二つ返事で引き受けさせていただく。ゴリさんは、とくに尊敬している先輩なのだ。そしてそこに後輩の尾形くんがどう絡んでくるのかも見モノ。『熱男(ねつおとこ)』という、ちょっぴり恥ずかしいタイトル。

今夜は雨が降っている。この雨があがれば、あたりまえな顔をして春が来そう。

婆ちゃんは元気かなあ。逢いたいなあ。

2010.4.25 『熱男』 出演:ゴリ(ガレッジセール) 西野亮廣(キングコング) 尾形貴弘(パンサ―)

2010年3月 9日 (火)

ダイヤル38

平成ノブシコブシ吉村の前説で始まった『吉村ガンバレ』。“同期“ということで集まったわけだが、ライブ開始早々、正確に換算するとNONSTYLE石田が少し後輩になる、という衝撃のカミングアウトで早くもヒートアップ。この10年間、偉そうにタメ口をきいていたわけだ。許せるはずがない。

おバカなお話を延々と繰り広げ、あっという間にライブ終了。とても楽しかった。実は、制作スタッフの方から「大阪でもやりましょうよ」と声をかけられているのだ。時間を合わして、是非。

ライブ終わりでそのまま近くの居酒屋へ流れ込み、そこでも、ライブの延長戦のようなトークが始まる。いったい何時間喋るんだか。懲りない面々なのである。

どういうわけか話題は舞台の話に流れ、「一緒に舞台をやろう」ということになった。

石田とは去年の暮れからコソコソとそんな話を進めていたが、そこに吉村も加わった。

「一人芝居なんか楽しそうだねえ」と誰かが言ったところで、一本のお芝居を思い出した。去年のゴールデンウィークにやった『ダイヤル38』である。

「吉村出ちゃえよ」、「石田が演出しちゃえよ」と、トントントンと話が進んで、3人で『ダイヤル38』をやろうということで話がまとまった。

出演:吉村、演出:石田、脚本:西野、である。なんだか楽しそう。その場で石田のパソコンに脚本を送って、呑みの帰りに我が家に寄り、記録用に撮ってあった『ダイヤル38』の千秋楽公演のDVDを渡した。

さっそく劇場を探さなきゃ。できれば年内にやりたいな。

そもそも悪ノリで飛び込んだ世界なんだし、こんな調子で、毎日ドキドキしていたい。そのために流す汗なんて安いもんだ。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 8日 (月)

10

家に『労働力調査』というのがやってきて、玄関先で係の方と相談しながら記入項目を埋めていったが、「一週間の労働時間」という項目で行き詰る。はたして何時間と書けば正解か?

朝起きて、家を出るまでの空き時間をのんびり過ごす、なんてことはない。その時間を使わないと間に合わない作業を抱えている。基本的には、起きて家にいる時間のほとんどは机に座っている。劇場の出番合間の時間もそう。

慣れとは恐ろしいもので、机に座ることがあたりまえになっているから、それを苦と感じることもないが、作業ペースの遅さに苛立つことは多々ある。しかし、今日は違った。

絵本制作のこと。

前回のページは背景に『サンピエトロ大聖堂』があったため、描きあげるのに3週間を要した(毎日使える時間をギリギリまで使ったのに)。しかし、その次のページはたった一週間しかかからず、今日完成し、さらにさらにその次のページはその後2時間ほどで完成した。なんと、今日で2枚を描き終えたのだ。

手を抜いているわけではなく、描き上げるのにたった一週間しか、たった2時間ほどしかかからないページが必要だったのだ。『Dr.インクの星空キネマ』の時もそんなページが何枚かあった。

若輩者が偉そうに言わせていただくと、「ひけらかす絵ではなく、物語をつたえる絵」であることを心がけている。元来コリ症だから、一度始めちゃうと、放っておくと、どんどん細かく細かく作り上げていってしまう。だけど、自分のそんな部分をひけらかしてもしかたがない。一番大切なのは作品だ。人が作品より前に出ちゃダメだ。

「もっと描きこんだ方がいいのかなあ」という気持ちをグッと押さえて、反面、「お? これで終わり? ラッキー」なんて気持ちも。後者の方が大きいかも。なんてったって、作業中はずっと“残り〇〇枚”ということを考えながら描いていたりもするから。

そんなわけで、絵本第二弾『Zip&Candy』の制作も、残りあと10枚。一昨年の12月にスタートさせた絵本制作も、とうとう残り10枚まできた。もっとも、10枚といえど、これを退治するのには何ヶ月もかかることになるんだけど。それでも、当時に比べたら、ムフフの数字なのだ。

夏の全国ツアーと同時に、絵本制作も終わらせたい。一度、身体を軽くしたい。頑張るっきゃない。今夜もまだ時間がある。朝までやるべ。

そして明日は、NONSTYLE石田と平成ノブシコブシ吉村と同期3人でのトークライブがある。小さな劇場なので、チケットが取れなかった人はゴメンナサイ。そして、チケットが取れた人にも謝らなければいけません。変に仲が良いので、最初は三人とも恥ずかしがって牽制し合い、とても気持ちの悪い空気になると思います。先に謝っておきます。ゴメンナサイ。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 7日 (日)

働く人

夏の『KING KONG LIVE 2010』の漫才を新たに一本書いて、梶原に送った頃には朝になっていた。そこから少し眠った。起きるとメールが入っていて、寝ボケまなこで返信してしまい、失礼がなかったかどうか心配になる。grandcanyonデザイナーの中山さんからのメールだった。一人でも多くの人を喜ばせようとジタバタする中山さんには、いつも胸をうたれる。そんな男を放っておくわけにはいかない。微力ながら、なんとか力になりたい。

メール返信後、袖山さんから熱のこもった電話あって、小説の各章ごとに改ページするか否かを話し合う。二転三転して、結局、最初の案で話がまとまる。もはや執筆作業ではない段階になってきている。ここからは話が早い。あとは『校正さん』にチェックしていただいたものを確認して、山本さんの表紙のデザインを待つのみ。「まかせてください」と袖山さん。ボクはとても楽しみだ。

『はねるのトびら』の台本がポスト投函されているとのことだったので、郵便受けを開けてみた。台本が見あたらない。郵便屋さんが間違って違う部屋の郵便受けに入れたのではないか、と心配になる。大丈夫かしら。

かわりに、日本テレビ音楽の社長さんからの手紙が入っていた。先日の打ち上げで初めてお逢いして意気投合。数々の無礼を笑い飛ばしていただき、すっかり歳の差を忘れて肩を組んで呑んだ。その夜のお礼を、とわざわざ向こうから手紙を。

もし自分がその立場だったとしたら、どこぞの馬の骨か分からない若輩者に手紙を書いていただろうか? やっぱり、その場所に立っている人は、その場所に立っている理由がある。運が作用して一時は立てることはあっても、立ち続けているのには絶対に理由がある。すごい人だなあ。こりゃ、勉強だわ。

昼過ぎに湾岸スタジオへ。『はねるのトびら』の収録があり、終わりで楽屋にて梶原と新ネタを合わせる。夏の全国ツアー、『KING KONG LIVE 2010』に向けて、今度のルミネで試すのだ。ズルズルにスベる可能性もある。それでいい。その可能性が無い手堅いモノには興味がないので、もう作らないと決めた。『KING KONG LIVE 2010』がバラエティーにとんだラインナップになりますように。

ボクはバブルの頃を知らないから、それが不景気のせいなのかどうかもわからないけれど、今、皆がジタバタしている。毎日、明日に不安を抱えて、自分のやりたいことと家族を支えるためにやらなければいけないこととの折り合いをつけながら、時に勝負に出たり、時に我慢をしたり。今日も土壇場で悪あがき、悪あがき、悪あがき。そしてボクは、そんな人が好きだ。

あの人が、ボクが、あなたが、その場所に立っているのには理由があって、その理由を作りだしたのは、他の誰でもない自分自身。全て自分のせいだ。そこを認めない限り、今の場所からは動けない。人を引きずり下ろしても、自分の場所はかわらない。むしろ、引きずり下ろす時間を無駄に使った分、自分は後退している。それがちゃんと理解できた時、自分がやることなんて一つ。

ジタバタする以外に何がある?

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 6日 (土)

女の子が好きだー!

ハゲ散らかした男と二人っきりでイタリアに行ったし、酔っ払ったら堤下(先輩)の膝の上で寝てしまう癖があるし、TV局でおすぎさんを見つけると、あのオカマリアクション欲しさに、背後からオシリを揉んでしまう。

そんな調子だからホモ説が流れてもなんらしかたがないのだが、ボクは女の子が好きだ。

いい匂いがするし、柔らかいし、強かったり弱かったりよく分からないし、カレーライスなんて簡単に作れてしまう。そんな女の子が好き。

夜中、作業が一段落ついた時に、「部屋に女の子がいてくれたらなあ」とよく思う。だけどボクの部屋は今日もあいかわらず散らかっていて、やっぱり女の子はいない。そのうちなんだかムラムラしてきて、テッシュケースを小脇にかかえHビデオと対峙し、作業のような自慰に走る。そんで、ため息一つ。

昨日のルミネ出番の合間に、花粉対策のメガネを買いに行こうと思い、劇場受付のお姉さんに「すみません、メガネって何階で売ってますか?」と訊いたら、すんごい笑顔で答えてくださって、ドキドキした。メガネを買ってその場でかけて戻ってきた時に、またお姉さんとバッタリ逢って、「見つかって良かったですね」という優しい笑顔をくれて、ボクは「ありがとうございます」とだけ言って頭を下げて、そそくさとその場を去った。ドキドキしているのがバレたら恥ずかしいから。

嗚呼。あんなお姉さんと一緒にディズニーシーに行けたら幸せだろうなあ。だけど、きっとデートをしたところで、「こんなことしていて大丈夫なのか?」という焦りがボクのところへやってきて、気が気じゃなくなる。夏の全国ツアーのネタ作りもあるし、絵本制作には全く余裕がない。「何、考えてんのよ」と怒られるのがオチ。

仲良しの作家の下田さんが、「太田さんを紹介してよ。太田さんとの呑み会をセッティングしてよ」と懇願してきた。『太田さん』とは、『キングコングのあるコトないコト』の総合演出の太田さんのことだ。ゴリゴリの男である。

それでも、その3人で呑むのはなんだか楽しそうだ、とウキウキしてしまったのは事実。さっそく動いて、来週早々にオジサン3人の吞み会が開かれることとなった。これでまた一歩、女の子が遠退いた。まったく、どうしようもない。

だけど、あまり贅沢は言わない。言い聞かせているわけではなく、本当に、こんな毎日が幸せなのだ。

女の子の話の流れで、最後に一つだけ。

ベッキーのこと。

妹のような奴。TV局で一緒になると、必ずボクの愛車にイタズラして帰る阿呆で、頭を叩いた後に小声で「ありがとうございます」と言ってくるお笑いバカ。ボクはこいつが大好き。

今日はベッキーの誕生日。

どうか皆様、祝ってやってくださいな。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 5日 (金)

『3月5日』が紐解いた弱点の理由

ボクは『記念日』というものが覚えられない。これがどう頑張っても覚えられないのだ。

これを言うと、いつも非難轟々となるのだが、母ちゃんの誕生日すら知らない。知らないというか、覚えられないのだ。ただ、だからといって不仲というわけではなく、西野親子はとてもよく喋る仲良し親子。

人の誕生日で覚えているのは、ボクの弟「たっちゃん」と、梶原とベッキー。そして、その時付き合っている彼女の誕生日を死に物狂いで覚えるぐらい。父ちゃんの誕生日は最近覚えた。

「たっちゃん」はボクと誕生日が近いので、子供の頃から一緒に誕生日会を開いていたこともあって覚えることができた。

梶原とベッキーの誕生日は、ベッキーが「後の数字を引用すれば3人繋がりますよ」と覚え方を教えてくれた。梶原が8月7日、ボクが7月3日、ベッキーが3月6日、というわけだ。これで覚えることができた。

しかし、そうやって何かキッカケがないかぎり、ボクは人の誕生日を覚えられない。自分で言うのも何だが、記憶力にはめっぽう自信がある。よくTVで女優さんが「台本を現場に持って行ったことがない」と豪語するが、そんなものは当たり前だと思っていて、べつだん驚くこともない。

じゃあ、そんなに偉そうに記憶力自慢をする男が何故、『記念日』を覚えられないのか? これまで何度も考えたけれど、その答えは出なかった。しかし今回、その答えが出たのだ。

キッカケをくれたのは、ボクの兄ちゃん。

実は明日(日付上は今日。3月5日)、ボクの兄ちゃんが結婚する。『はねるのトびら』の収録はボクが出ないコーナーの撮りだったので、たまたまスケジュールが空き、無事に式に参加することができる。嬉しい限りだ。

そんなわけで、3月5日は兄ちゃんの結婚記念日ということになる。さて、どうして兄ちゃんは『3月5日』という日を選んだのか? それにはワケがある。

父ちゃんと母ちゃんの結婚記念日が3月5日なのだ。

結婚記念日を忘れないよう、両親の結婚記念日に合わせたわけだ。そう。ボクだけでなく、兄ちゃんも『記念日』を覚えられないバカ人間なのだ。どうぞ、この兄弟を嘲笑っていただきたい。

だが、話はこれで終わりではない。

そもそも、父ちゃんと母ちゃんが、どうして3月5日に結婚をしたのか? それにももちろんワケがある。

父ちゃんの誕生日が3月5日なのだ。

結婚記念日を忘れないよう、自分の誕生日に合わせたわけだ

そう。ボクや兄ちゃんだけでなく、父ちゃんも『記念日』を覚えられないバカ人間なのだ。

ここまで話せば、もう理解していただけたことだろう。

ボクが『記念日』を覚えられない理由は遺伝だ。

自分の誕生日に合わせなければ自分の結婚記念日を覚えることができない父を持ち、父の誕生日と、両親の結婚記念日に合わせなければ、自分の結婚記念日を覚えることができない兄を持つのが、ボクだ。『記念日』を覚えられないその責任は、おそらく、爺ちゃん、ひい爺ちゃん、その前の代から脈々と受け継がれている、西野家の『血』にあるのだ。

なので、いつかボクに彼女ができて、「今日が何の日だが覚えてるぅ~?」なんて訊かれて、答えられなくて、「あなたってサイテー!」とキレられた時には、「祖先に言えっ!」と言い返してやろうと思います。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 4日 (木)

小説のこと

『笑神降臨』は漫才しかやらないので、センターマイクが一本あれば大丈夫。ボクらの仕事は収録当日に漫才をすること。しいて言えば、ネタの気になる部分があれば、当日までの舞台で叩き直す。まあその程度。

『KING KONG LIVE』さながらに、という今回のコンセプトを利用して、番組とまったく関係のない糞ダルマが制作に立ちあっている。昨晩はNHKの丸林さんと糞ダルマの二人で演出面での話し合いがおこなわれたとのこと。糞ダルマはいつもこうして、蔦のようにスルスルと仕事に絡んでくる。

彼は、『おスネのかじり方』という画期的なハウトゥ本の出版を本気で考えているらしい。もしや、袖山さんらと仲良くしているのもそのためか!? たしかに自己啓発本より実践的で、悔しいが、少し興味がある。あのナゴヤポンコツが、一体どんな文章を書くのやら。楽しみだ。

人にまかせるところはまかせて、ボクは、ボクのやらなきゃいけないことをやる。小説を書き終えたので、今は漫才と絵本制作。

そういえば小説を書き終えた夜、後輩芸人のヒカリゴケ国沢くんから電話があり、呑みにいった。

「今度の小説、どんな内容なんですか?」と訊かれたので、「本を読むのとほぼ同じスピードで物語が進展していくよ」と答えたところ、国沢くんの表情が一気に曇った。

話す相手を間違った。

すっかり忘れていた。ヒカリゴケの国沢くんは、この国を代表する阿呆だったのだ。常人には理解できないかもしれないが、彼は小説一冊を読破するのに約9カ月を要する。そのせいで「世界の中心で、愛をさけぶ」のヒロインは、そこそこ長生きしたという。

読書スピードの遅さが功を奏し、「誰か助けて下さ~い!」のあの名ゼリフのあと、しばらく助かったのだ。その点で言うと、国沢くんは実際にヒロインを助けたということになる。おめでとう。

その阿呆の平均ペースでいくと、ボクの今度の小説は9ヶ月に及ぶ物語ということになるが、そうではない。“普通の人”が、一冊の本を読み終えるのと同じぐらいの時間が経過する物語だ。

まったくありえないようで、よくよく考えるとありえてしまう出来事が、数時間のうちに次々に起こってしまう。主人公たちの人生で最もエキサイティングな数時間。是非、皆さまも主人公たちと一緒にご堪能下さい。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 3日 (水)

ついに!

全ては一昨日の雨のせいだ。

いつものようにジョギングウェアに着替えて外に出てみると、雨が降っていた。この中で1時間走るのは厳しいなあ、と部屋に引き返そうかとも考えたが、前日の酒を抜くためにも汗は流しておきたいところ。ボクはマンションの駐車場の隅にある非常階段へ向かった。

14階まである非常階段をかけ上る。ここなら雨に濡れる心配もなく汗を流せる。一回上っただけで足が少し張ったが、体力には自信がある。まだいける、まだまだいける、と結局10本のダッシュを試みた。

そして次の日、つまり昨日。朝、目覚めると、笑ってしまうぐらいの筋肉痛。近年、経験したことのない痛みだ。おそらく、マラソンで使う筋肉とは違う箇所。立ちあがるのも面倒なくらいの筋肉痛だったけれど、日課であるジョギングを休むわけにはいかない。

2月の最終日に描き上げた『Zip&Candy』の20枚目の原画を持って、幻冬舎まで走る。袖山さんに渡して、「わお!」という言葉をいただいてニンマリ。そして、筋肉痛をかばいながら、また走って帰る途中の中目黒駅前でダイナミックにズッコけた。

「あ。キングコングの西野がコケてる」という携帯電話で話すお姉さんの的確な実況を背中に受け、屈辱の中立ちあがり、恥ずかしいのでそそくさとその場を去る。

しばらく走って、足がとても痛いことに気がつく。左足首はグネり、右ヒザ小僧は血を流していたのだ。29歳にして、なんてこったい。そんなわけで今日は下半身がボロボロで、ろくでもない朝を迎えた。まともに歩けやしない。

それでも今日は良い日だ。『中目黒大転倒』の不幸を差っ引いても、良い日。タイトルに書いた『ついに!』の日なのだ。

5月に出る小説の原稿が今日ついに書き終った。いやいや、ずいぶん前に書き終えていたんだけれど、そこから編集者袖山さんの地獄の粘りが始まった。「のこった、のこった」と土俵際で粘られること数か月。雨の日も風の日も、微妙な修正を繰り返し、ついに今日、あの袖山さんを寄り切ったのだ。

いやあ、長かった。まあ、自分の文章力の至らなさがこの結果を招いたわけなんだけれど(あと袖山さんのしつこさ)、物語を面白くするために使った時間なので、悪いもんじゃない。

これで入稿してゲラにして、専門の「校正さん」の最終チェックが入っておしまい。ようやく、ようやくボクのパソコンから巣立っていったのだ。

現在、山本さんに表紙のデザインも進めてもらっている。2ヶ月後には一冊の本になるのだ。ボクの処女小説。

我が子の誕生を待つ親の気持ちです。本ができあがれば、夜な夜な、ほっぺをスリスリするに違いないのだ。

もうすぐ生まれますよ。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 2日 (火)

お茶の間にKING KONG LIVEを

さてさて。

「今年の夏におこなう『KING KONG LIVE』の雰囲気だけでも知っていただく機会を‥」と数日前からフニャフニャ言ってまいりましたが、おそらく情報解禁を迎えたので、今日はその詳細をば。

春に放送されるNHKの『笑神降臨』という番組で、去年の『KING KONG LIVE 2009』をそのままやることになりました。とはいっても番組の放送時間には限りがありますので、去年の公演内容の全てはお見せできませんが、その中から漫才を5本ほどやる予定です。

収録日は3月の末で、放送日は4月9日深夜24時15分~(予定)です。『KING KONG LIVE 2009』は東京公演をおこなっておりませんでしたので、収録の日を『東京公演』ということにしちゃおうぜ、というなんともズルイやり方です。詳しくは番組ホームページまで。

今年の夏の『KING KONG LIVE 2010』は新ネタで臨みますが、今回の『笑神降臨』の漫才に関しては、何度も言うように去年の公演のモノをやるので、新しく作るようなことはありません。なので心配事はあまりありませんが、しいて言えば、慣れているぶん遊び過ぎて、時間がオーバーしてしまいかねない、ということ。現場で5本やったのに、オンエアでは4本になっているかも。その辺りは、「とりあえず撮ってみてから考えよう」ということになっております。

とにもかくにも今年の夏のツアー『KING KONG LIVE 2010』は東京・大阪はもちろん、全国各地をまわります。なので、この『笑神降臨』をご覧になってから、来るか来ないかを決めていただくのがよろしいかと。番組の構成は、ほぼ、ライブそのままの構成になっておりますので。

ドキドキしちゃって下さい。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

2010年3月 1日 (月)

幸せのジョーク

ボクが学生時代に好きだった先生は、小難しい授業を飽きさせない為に、説明の合間合間にジョークを挟んでくださった。CMと番組の関係性というのは、簡単に言えばそういうものだと思う。

スポンサーさんはCMを見せたいけれど、それだけではチャンネルが止まらないので、間に番組を挟む。そしてボクらは、CMを観てもらう為のその合間のジョークに汗水を流しているのだが、職業が『客寄せパンダ』なんて素敵じゃないか、と十二分に納得してやっている。ジョークに命を懸けとるのです。

個人的に興味があるのは、『CMスキップ機能』を売りだす家電メーカーさんがスポンサーである矛盾。そこにはもちろん狙いがあるのだろう。ボクはバカだから分からないけれど、あまり知りたくない答えだったら嫌なので聞きたくはない。ボクはTVが好きなのだ。

今日はCMのお話。

それは15秒のエンターテイメント。トップクリエイターと時のスターがタッグを組んで制作した数多あるCMの中、その激戦区を勝ち抜いて己の商品を主張していかなければならない。これも大変な企業努力だ。

その中にあって、現在頭一つ抜けているのは間違いなく『ジョージア』だろう。片瀬那奈さんと小出恵介さんによるインパクト抜群のあのCM。

最初に知ったのはテレビCMではなく、自動販売機に貼られていた片瀬那奈さんのポスター。その装いは、ジョージアのコーヒーを片手に水着姿。そしてなんと腰に拳銃ホルダーときた。それを初めて目にした時、コンセプトを読みとる機能は一瞬でショートし、開いた口が塞がらなかった。

まもなくテレビCMでその実態を知る。工事現場で働く小出恵介さんがジョージアの購入ボタンを押した次の瞬間、『綺麗なお姉さんのいるプールサイド』という幸せな空間に誘われるのだ。そこにいるお姉さんが片瀬那奈さんで、あの拳銃ホルダーはコーヒー缶を収めておく用のものだと。そこで片瀬那奈さんの決め台詞、「ようこそジョージアへ」

ジョージアを飲むと、それぐらい幸せな空間に己の身を投じることができ、労働の疲れを癒されるということなのだ。これはシリーズ化され、小出恵介さんはジョージアの購入ボタンを押し、綺麗なお姉さんのいるプールサイドへ赴いては、「ようこそジョージアへ」と迎えられ、美しい王女が待つエジプト王宮に赴いては、「ようこそジョージアへ」と迎えられたのであった。

そしてこのシリーズの最新作『未来からの使者編』を皆さんはもうご覧になられただろうか?

『未来からの使者編』は今までとは内容が圧倒的に違うのだ。

オフィスで働く小出恵介さんが、オフィス内にある自動販売機でジョージアを購入した次の瞬間、時空の狭間からマトリックスのポーズよろしくで片瀬那奈さんがボワンッと現れ、画面中央には『未来からやってきた』の文字。そう、今回はこちらが赴くのではなく、向こうからやって来たのだ。

そして片瀬那奈が耳元で囁く。「ようこそジョージアへ」

「そっちが来たんじゃないか」と言いたくもなるが、あれだけ堂々たる表情で言われてしまうと、さすがの小出恵介さんもグウの音も出ない。突然やって来た片瀬那奈さんに「ようこそ」と言われた小出恵介さんの表情が一瞬固まってしまうラストシーンに注目。

聞くところによると、このCMのロケ地が米国ロサンゼルスとのことなので、これはアメリカンジョークだと踏んでいる。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』

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