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2010/03/ 4

小説のこと

『笑神降臨』は漫才しかやらないので、センターマイクが一本あれば大丈夫。ボクらの仕事は収録当日に漫才をすること。しいて言えば、ネタの気になる部分があれば、当日までの舞台で叩き直す。まあその程度。

『KING KONG LIVE』さながらに、という今回のコンセプトを利用して、番組とまったく関係のない糞ダルマが制作に立ちあっている。昨晩はNHKの丸林さんと糞ダルマの二人で演出面での話し合いがおこなわれたとのこと。糞ダルマはいつもこうして、蔦のようにスルスルと仕事に絡んでくる。

彼は、『おスネのかじり方』という画期的なハウトゥ本の出版を本気で考えているらしい。もしや、袖山さんらと仲良くしているのもそのためか!? たしかに自己啓発本より実践的で、悔しいが、少し興味がある。あのナゴヤポンコツが、一体どんな文章を書くのやら。楽しみだ。

人にまかせるところはまかせて、ボクは、ボクのやらなきゃいけないことをやる。小説を書き終えたので、今は漫才と絵本制作。

そういえば小説を書き終えた夜、後輩芸人のヒカリゴケ国沢くんから電話があり、呑みにいった。

「今度の小説、どんな内容なんですか?」と訊かれたので、「本を読むのとほぼ同じスピードで物語が進展していくよ」と答えたところ、国沢くんの表情が一気に曇った。

話す相手を間違った。

すっかり忘れていた。ヒカリゴケの国沢くんは、この国を代表する阿呆だったのだ。常人には理解できないかもしれないが、彼は小説一冊を読破するのに約9カ月を要する。そのせいで「世界の中心で、愛をさけぶ」のヒロインは、そこそこ長生きしたという。

読書スピードの遅さが功を奏し、「誰か助けて下さ~い!」のあの名ゼリフのあと、しばらく助かったのだ。その点で言うと、国沢くんは実際にヒロインを助けたということになる。おめでとう。

その阿呆の平均ペースでいくと、ボクの今度の小説は9ヶ月に及ぶ物語ということになるが、そうではない。“普通の人”が、一冊の本を読み終えるのと同じぐらいの時間が経過する物語だ。

まったくありえないようで、よくよく考えるとありえてしまう出来事が、数時間のうちに次々に起こってしまう。主人公たちの人生で最もエキサイティングな数時間。是非、皆さまも主人公たちと一緒にご堪能下さい。

2010.3.17 新宿LOFT 『ろくでもない唄』