2010/03/ 1
幸せのジョーク
ボクが学生時代に好きだった先生は、小難しい授業を飽きさせない為に、説明の合間合間にジョークを挟んでくださった。CMと番組の関係性というのは、簡単に言えばそういうものだと思う。
スポンサーさんはCMを見せたいけれど、それだけではチャンネルが止まらないので、間に番組を挟む。そしてボクらは、CMを観てもらう為のその合間のジョークに汗水を流しているのだが、職業が『客寄せパンダ』なんて素敵じゃないか、と十二分に納得してやっている。ジョークに命を懸けとるのです。
個人的に興味があるのは、『CMスキップ機能』を売りだす家電メーカーさんがスポンサーである矛盾。そこにはもちろん狙いがあるのだろう。ボクはバカだから分からないけれど、あまり知りたくない答えだったら嫌なので聞きたくはない。ボクはTVが好きなのだ。
今日はCMのお話。
それは15秒のエンターテイメント。トップクリエイターと時のスターがタッグを組んで制作した数多あるCMの中、その激戦区を勝ち抜いて己の商品を主張していかなければならない。これも大変な企業努力だ。
その中にあって、現在頭一つ抜けているのは間違いなく『ジョージア』だろう。片瀬那奈さんと小出恵介さんによるインパクト抜群のあのCM。
最初に知ったのはテレビCMではなく、自動販売機に貼られていた片瀬那奈さんのポスター。その装いは、ジョージアのコーヒーを片手に水着姿。そしてなんと腰に拳銃ホルダーときた。それを初めて目にした時、コンセプトを読みとる機能は一瞬でショートし、開いた口が塞がらなかった。
まもなくテレビCMでその実態を知る。工事現場で働く小出恵介さんがジョージアの購入ボタンを押した次の瞬間、『綺麗なお姉さんのいるプールサイド』という幸せな空間に誘われるのだ。そこにいるお姉さんが片瀬那奈さんで、あの拳銃ホルダーはコーヒー缶を収めておく用のものだと。そこで片瀬那奈さんの決め台詞、「ようこそジョージアへ」
ジョージアを飲むと、それぐらい幸せな空間に己の身を投じることができ、労働の疲れを癒されるということなのだ。これはシリーズ化され、小出恵介さんはジョージアの購入ボタンを押し、綺麗なお姉さんのいるプールサイドへ赴いては、「ようこそジョージアへ」と迎えられ、美しい王女が待つエジプト王宮に赴いては、「ようこそジョージアへ」と迎えられたのであった。
そしてこのシリーズの最新作『未来からの使者編』を皆さんはもうご覧になられただろうか?
『未来からの使者編』は今までとは内容が圧倒的に違うのだ。
オフィスで働く小出恵介さんが、オフィス内にある自動販売機でジョージアを購入した次の瞬間、時空の狭間からマトリックスのポーズよろしくで片瀬那奈さんがボワンッと現れ、画面中央には『未来からやってきた』の文字。そう、今回はこちらが赴くのではなく、向こうからやって来たのだ。
そして片瀬那奈が耳元で囁く。「ようこそジョージアへ」
「そっちが来たんじゃないか」と言いたくもなるが、あれだけ堂々たる表情で言われてしまうと、さすがの小出恵介さんもグウの音も出ない。突然やって来た片瀬那奈さんに「ようこそ」と言われた小出恵介さんの表情が一瞬固まってしまうラストシーンに注目。
聞くところによると、このCMのロケ地が米国ロサンゼルスとのことなので、これはアメリカンジョークだと踏んでいる。




