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2010年4月30日 (金)

転んでも笑える

『キンコンヒルズ』でお世話になったプロデューサーの佐久間さんから、「『キングコングのあるコトないコトSP』面白かったよ~」という旨のメールが入り、そのことを同番組を手掛ける総合演出の太田さんに伝えたところ、「嬉しい。直接面識はないんだけれど、実は佐久間さんの番組のファンなんだよ~」とえらく喜ばれた。ボクの好きな人同士が“お笑い”で繋がっていくのは、純粋に嬉しい。

こんな調子で、ボクは面白い人同士を会わせたくなる性分なので、ジャンルを越えた無国籍な呑み会がおこなわれることも多い。編集者とディレクターのような。構成作家とデザイナーのような。モノ作りの根底にある想いは皆同じだし、なんといっても、そこで繰り広げられる会話が面白いこと面白いこと。

まあ、酒が好きなんですよ。

大阪に行ったり、特番の収録があったりで、ここのところ少しバタバタしていたが、前々からスケジュールを空けていた今夜は、酒を呑むのだ。幻冬舎の舘野さんと袖山さんと。

もちろん話す内容は、来月発売となる『グッド・コマーシャル』のことが中心となるだろうが、その後に控えている『Zip&Candy』のことや、そしてボクの中で物語がまとまった数年後の作品のことも一緒に。今日はきっと楽しい夜だ。

今日も明日も明後日も、ひたすらモノを作って、いつまでも批評される側でありたいと思う。爺になっても、ガキンチョから「もっと、こうすれば良かったんだよ」なんてアドバイスされる存在であれたなら、それを芸人人生の成功とする。ボクら芸人ごときは、人様の暇潰しに使われればバンザイなのだ。

ただ芸人だから、欠陥人間は最後までキチンと全うしようと思う。欠点を修復するのではなく、欠点すら好きになってもらえるよう、出っ張った部分を、さらに出っ張らす努力を。

まあ、これは芸人に限らずか。自分の欠点を探して、それを修正する生き方をしている人を見ると、「もったいないなあ」と思うことがあるのです。

素晴らしいのは、図らずも持ち合わせたコンプレックスを財産と思える人生ですよ。どうせ死ぬまで生きるのだから、笑っている時間が長い方がいい。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月29日 (木)

『昭和モダン』を聴く夜よ

心地良く酔っ払ってタモリさん宅へ転がり込むと、いつも『昭和モダン』が流れている。だからこの曲は、旨い酒と静かな夜のイメージ。とても良いイメージ。

11月に発売する絵本『Zip&Candy』のイラストがとうとう残り3枚となった。もうすぐ終わる。

7月に発売する独演会のDVDの編集も、もうすぐ終わる。

来月発売の小説『グッド・コマーシャル』は、帯まで仕上がったようだ。本当に素敵なコメントをいただいた。もう間もなく皆さまのところへ届く。

キングコングとしては、夏の全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』の準備に入っている。東京の劇場のみで新ネタを叩く日々。すぐに夏が来て、ボクらは全国10か所を回る。

いろんな作業が重なって、それが終わるタイミングも重なった。そういや、このブログもやめる。

この夏に登る山は、自分の中で本当に大きい。今まで経験したことのない大きさ。登り終えた後、一体どうなっているんだろう? と思う反面、簡単にどうにかなるほど甘くはないか、とも思う。

だけど言えることは「作品が物体として確実に残る」ということと、大きな区切りがつくということ。

「お前は、すぐに次を始めるよ」と周りの皆は言う。考えてちゃいつまでたっても始まらないから、始めてから考える。今までずっとそうしてきた。だから突然始めちゃう。事実、タモリさんとの計画もあるし。たしかに周りの言うとうりになるかもしれない。だけど、その前にやりたいことがある。

『KING KONG LIVE 2010』のラストは9月の頭にある沖縄公演。翌日や翌々日が空いていればそこに仕事は入れずに、ボクは沖縄に残り、その夜は海辺で泡盛を呑んで程良く酔っ払って、そして『昭和モダン』を聴きたい。

こんなことはどこまでいっても梶原にしか理解されないことだろうから、ここではいちいち言わないけれど、モノ作りの入口は自分の強烈なコンプレックスを払拭するためだったと、今になって思う。だけど途中から、自分のことはどうでもよくなってきて、ただモノを作りたくなった。

火のように自分を燃やして、氷のように自分を見る。モノを作るときはいつもこうだ。だけど、それはきっと普通じゃない。飯が面倒になったり、やたらめったら周りの遅さに苛立ったりもする。その線が切れるとボクはそのまま最期までどうにかなってしまいそうなので、それは嫌だけれど、どこかで線をゆるめてみたい願望はある。ゆるめたらどんな気持ちになるのかな、という好奇心にも似た。

もうすぐ終わる。いろいろ終わる。

本当にどうなるんだろう?

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月28日 (水)

キミはモンスター

ここで、ボクのブログに頻繁に登場する『糞ダルマ』なる人物について紹介することにしよう。

『糞ダルマ』というのは彼のビジュアルからつけられた呼称で、その名を『山口トンボ』という。しかしこれもペンネームで、本名は『山口大介』という画数を最小限におさえた初級漢字のみで構成された名前だ。きっと、ご両親が漢字が苦手だったのだと思う。

数年前のある日、ブロードキャストの房ちゃんが「会わせたい奴がいるんですけど‥」と言って連れてきたのが、糞ダルマだった。

その場で彼は「漫才コンビを解散したので、地元の名古屋に帰って作家をやろうかと思っているんです」と言い、ボクは“なんかダメ”な気がしたので、「なんか、ダメ」と答えて、3日後に控えていた独演会の青森公演の宿泊ホテルをその場でおさえた。

そんなわけで、彼は図らずも東京に残ることとなり、いわゆる“座付作家”となったわけだが、その条件として滝廉太郎メガネをかけること(‥だって、作家っぽいし)と、間違ってもネタを書いてくるような真似はしないことを義務付けた。彼はそれを今日までキチンと守り、「1本もネタを書いたことのない作家」としてキングコングのライブに付いている。“給料泥棒”というより、この場合は堂々宣言した上での泥棒なので、“給料怪盗”である。

彼の名誉のために言っておくと、ボクら以外のコンビにはネタ作りの手助けをしているらしい。それがどんなネタかは知らないが、あんな『タートルズ』みたいな体型から産み落とされるネタなんぞ面白くないに決まっているので、担当のコンビの方が不憫でならない。

ある日のことである。

前日の夜からの作業が、昼前に完全に煮詰まった。苛立ったボクは、仕事をほったらかして圧倒的な贅沢がしたくなる衝動に駆られ、筆を置き、糞ダルマを強引に連れ出し、北海道へ飛んだ。カニを食べるためである。

ちょうどロバートが北海道の学園祭に出ているという情報を聞きつけ、我々は北海道に到着するやいなや、ロバートのいる学校へ向かった。そのまま学園祭に飛び入り出演を果たし、馬場ちゃんを誘拐して、美味しいカニのお店へGO。 

馬場ちゃんが「何しに北海道まで来たの?」と訊いてきたので、「カニを食べに来たよ」と答えると、「そりゃ贅沢だね」と欲しかった感想をくれたので、ボクはニヤニヤ笑う。その横で、糞ダルマは一心不乱にカニを食べたのだった。

しかし、ボクの贅沢を軽々と上回った糞ダルマ。彼は、カニの美味さに乗せられて、どんどんお酒を呑み、ついには酔っ払い、先ほど食べたカニもろともトイレでゲロゲロしたのだ。

北海道までカニを食べに行って、食べたカニを北海道に吐き出して帰ってくるという、誰も成しえなかった究極の贅沢を彼はやってのけたのだ。 

それからというもの、彼は天井知らずの贅沢快進撃を進めた。仕事で競馬場に行ったときには、競馬ド素人のボクに「有り金を全部『7』に賭けろ」と乱暴に命じられ、涙ながらに全財産4万円を賭けたところ、見事的中。一瞬にして、230万円の大金を手にしたのだ。つづいてボクが、「230万円を全部『7』に賭けろ」と言ったときには、もう彼の姿はなかった。お金を持って逃げたのだ。

ベネチアへ連れて行ってやったら、景色を観るなり、「熱海みたいで綺麗ですね」と爆弾発言。

思えば、この辺りから彼の贅沢病が慢性化していたのである。

そして一昨日である。

渋谷での仕事を終え、夜には大阪入りしなくてはならなかったボクは、車を五反田の我が家に置いて、品川駅に向かう予定だった。そのボクを捕まえて、糞ダルマが言うのである。

「僕、次の現場が神保町なので、乗せてってもらってもいいですか?」

なんてこったい。

五反田と神保町は正反対だし、ボク先輩だし‥、といろんな考えが脳裏を駆け巡ったが、「そんなことをチマチマ説明して断る方がサムイ」みたいな空気が仕上がっている。悪びれた様子が微塵もないあの表情のせいだ。

数分後。

ハンドルを握るボクの横で、助手席のシートにもたれながら、アイフォンをいじる糞ダルマがいた。まるでアメリカの太った子供だ。

彼を神保町まで送ったせいで新幹線の時間がギリギリになってしまい、品川駅のホームを全力疾走していると、そんなことは露知らずの彼から、オモシロ画像が添付されたメールが届き、ボクは息をきらしながら、「とんでもないモンスターを生んでしまった」と頭を抱えたのだった。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月27日 (火)

緊張の日々

小説『グッド・コマーシャル』の出版を来月に控え、ありがたいことにチョコチョコと告知の場をいただいている。自分がやっている番組のこともあるけれど、『告知』という大義名分があればラインをひとつ越えられるのもありがたい限りで、やはり小賢しい計算は抜きにして、楽しい現場には行きたいものである。

今日は、桂小枝師匠とYOUさんと藤井隆さんとフットボールアワーさんがやられている『土曜はダメよ!』に出させていただいた。「何かあればフットさんに助けてもらおう」という楽観的な考えで収録にのぞんだものの、番組レギュラーの皆さんからの質問攻めにあった時に、自分が置かれたピンチを知った。

スポットをあてられると、とっても緊張する自分がいたのだ。

そういえばデビューして今まで、自分にスポットがあたる機会などほとんどなかった。最近は特にそうだ。1人で舞台に立つことは糞ほど経験しているし、共演者の皆さんとTVに出ることも糞ほど経験している。だが、共演者の皆さんからスポットをあてられた経験がほとんどない。質問は矢継ぎ早に飛んでくる。

非常にマズイ。とても緊張するのだ。チンポコを握り潰したい衝動に駆られたけれど、収録中にそんなことができるはずもなく、手のやり場は頭へ。気が付いたらずっと頭をガシャガシャと掻き毟っていたのだ。

その変化は嗅覚の鋭いYOUさんにまもなく見つかり、そこから地獄のようにイジられる。ボクはどんどんどんどん深みにハマり、もうボクには触れないで下さい、とタレント業を投げ出す心境に陥る。空き時間は、緊張で潰れそうなボクを見かねて、演者さんやスタッフさんが優しく話しかけてくださった。まったく、10年目だというのに情けない。

それでも収録はとても楽しかった。TVは壮大な遊びなのだ。その輪の中に混ぜてもらえるのは幸せ。この機会にいろんな場所を経験したい。

明日は東野さんの番組に出させていただく。また緊張するんだろうなあ。今夜は大阪泊り。せっかくだから呑みに行きたかったけれど、もう少しだけやらなきゃいけない作業がある。

楽しかった収録を思い出し笑いしながら、今夜は大阪のホテルでエンヤコラ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月26日 (月)

没頭

『キングコングのあるコトないコトSP』はご覧なっていただけましたでしょうか? ちょうどオンエアの時間が『はねるのトびら』の収録の合間だったので、ボクはメンバーと一緒に観ることができた。普通にTVを観る時も、芸人という生き物はいちいちリアクションが大きかった。

番組の総合演出と呑む酒が好き。「あんなことや、こんなことがしたい」という総合演出の青写真を見るのが好きなのだと思う。なので、『あるコトないコト』の太田さん、『はねるのトびら』の近藤さんとは、それぞれ時間を見つけて呑みに行っている。

「面白いことがしたい」という実に単純明快なことで根っこの部分は二人とも一緒だけれど、番組内では、たとえばボクの見せ方一つとっても面白いほど正反対。

それが顕著に表れているのが、コメントテロップだと思う。『はねるのトびら』では基本的にボクのコメントにテロップが入ることはないが、『あるコトないコト』には入る。二人の演出の違い。ボクはどちらの考えも好き。そして総合演出の狙いを聞いた上で、その狙いに乗っかるのが楽しい。

なんじゃかんじゃ託けて、そろそろ呑みに行きたいなあ。丸林さんともなかなか行けていない。テレ東の佐久間さんとも。お笑いの話を肴に、酒に溺れたい。小説『グッド・コマーシャル』の発売日まではなかなか難しいのかなあ。5月のスケジュールはどうなるのやら。

夏の全国ツアーに向けての漫才作りは着々と進んでいる。ルミネという劇場のおかげだ。本当にありがたい。出番合間は梶原とネタ合わせ。これだけは10年間変わっていない。

そして絵本の話。

現在制作中の絵本第2弾『Zip&Candy』はクリスマスの物語。そんなわけで、出版のタイミングもクリスマスまでに、と思った。が、クリスマス直前の出版だと、『Zip&Candy』が世間に浸透したころには、クリスマスが過ぎてしまっている可能性が高い。そんなわけで直前はマズイ。

「10月中、もしくは11月の最初に出そうと思ったらどうしたらいいんっすか?」と袖山さんに訊いたところ、「6月中に仕上げていただければ‥」との答え。その言葉を聞いてからというのも、スケッチブックの上で筆がフル回転。ちょうど小説を書き終えたタイミングでもあったので、漫才をのぞいて、作業が一つに絞れたことも手伝った。なるべく酒をひかえて、毎日7~8時間を絵本制作にあて、どうにかこうにか残りページが4枚というところまで漕ぎつけた。

“月に2枚”というペースでいくと、6月中には終わらせられる計算だ。一昨年の12月にスタートして、ようやく、ようやくだ。これで夏は『KING KONG LIVE 2010』に集中できそう。漫才の夏になる。

全部が終わったら、9月にはスペインに行きたい。トレドの街並みを眺めながら酒を呑みたいのです。タモリさんとこっそり構想を練っているモノも、その辺りから作業をスタートさせようかと。

だから今は何もいらないのですよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月25日 (日)

ウエルカム新時代

『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』なんてバカなことを言っている。だけど大真面目だ。

小学校高学年の頃のボクやボクの友達、もっと言えばあの当時の関西のお笑い好きは今よりもずっと閉鎖的で、全員が信じてやまなかった「お笑いとはこうだ」というものがあった。それが絶対に正しいと信じていたけれど、中学に入ってもそれが変わらぬ熱で世間に残っていたのを離れて見た時に、「それも面白い。それも面白いけど、他にも‥」という発想にならないのかなあ、と思うようになった。

そしてそれは今でも残っている。そんなことを言っても堂々巡りで、その行為はお笑いのスケールをどんどん小さくするばかりで、そのまま続けるとお笑いが陰険なものになってしまう。それだけは嫌だ。お笑いは楽しい。

面白がれるものが多い方が毎日は楽しいのに、と思う。だけど、世間をそうしてしまっているこちら側にも原因がある。

もう終わってしまったから言うけれど、ボクは『エンタの神様』という番組が好きだった。厳密に言うと好きになっていった。一組の若手芸人にTVの時間をあれだけ割いてくれる番組はそうそうないし、TVだけを観ている人からすれば関係のないことかもしれないけれど、営業で地方に行ったときなんかは、エンタ芸人さんが舞台に出てくると爺ちゃん婆ちゃんから子供まで、皆が歓声を上げたのだ。それが家族の思い出になるんだよ。そのキッカケを作っているものを否定できるわけがない。

だけど一時期、“エンタの神様を否定している自分はお笑いが分かっている”みたいな風潮が流れた。その自己主張は本当におサムイなあと思ったけれど、受け手は自由だから、好きにすればいいとも思った。

問題はこちら側だ。当時、ある先輩芸人がその世間の風潮に乗って番組を批判していたけれど、ヤリ玉にあげていたのは番組を制作するスタッフだった。その人自体は今でも本当に大好きな芸人さんだけど、その発言にはガッカリした。

そんなことをしたところで、“エンタの神様を否定している自分はお笑いが分かっている”という人間の賛同を得るだけだもん。そのやり方じゃ、自分はまったく怪我をしない。喧嘩するなら、喧嘩している風を装うんじゃなくて、実際に喧嘩しなきゃ。つまり、エンタの神様を毎週楽しみに観ている視聴者を否定しなきゃ。1000万人を敵にまわすことが怖いのなら、最初から言わなきゃいい。予防線を張るわけじゃなく、本当にその発言だけで、その先輩芸人さんは今でも心から尊敬しています。

必要なのは覚悟だ。障害物をすり抜けるように生きても、時代は変わらない。25歳の頃、『はねるのトびら』がゴールデンタイムに昇格したけど、時代が大きく変わることはなかった。挫折だった。圧倒的な現実たきつけられた。少し考えて、「なるほどなあ」となった。ボクは裏番組には行けないんだ。

もう当時とは、時代の変え方が変わったのだと気がついた。そこからずっとずっとジタバタして今になった。もう覚悟は決まってるのよ。喧嘩をする時がきたら、ちゃんと喧嘩をする。だけど本当は「全部面白い」と言いたい。「全部面白い」と言って、新しい遊びを皆に提示したい。

次に時代がゴロッと変わるときは、きっと作品から始まるものだと思う。それかもしくは、吉本以外で、集団芸に混じらない芸人が出てきた時か。

そんなことを先日、『ガリゲル』のスタッフさんと呑みながら話していて、皆、「そうだよなあ」とニコニコ。『ガリゲル』のスタッフさんはずっとダウンタウンさんと一緒に仕事をされている。今まで、視聴者のボクを何度も何度も笑わせてくれたこの人たちの、この受け皿の大きさに、「ちっちゃいこと言ってる場合じゃないなあ」と思わされたのでありました。

今度の『グッド・コマーシャル』が、その良いキッカケになればいいな。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月24日 (土)

あなたが自殺をしてはいけない理由

このブログを読んでいる人の中で、「近々、自殺しちゃおうかなあ」と考えている人。今日はそんなあなたに向けて文章を書くことにします。

結論から先に言うと、自殺はしちゃいけないのです。

「残された人が悲しむから」という理由は別にどうだっていい。そんな考えは、これまでにあなたの頭の中で何度も転がったはずだ。だけどあなたは、それもふまえた上で、「自分が死んでも、悲しむ人なんていない」と答えを出して自殺を計画している。

まあ“自殺をしよう”と思った理由は他にもたくさんあるだろうし、そしてそれはボクには到底分かり得ないこと。そんなボクの意見なので、「テメエに何が分かる?」とお怒りの気持ちもあるかもしれませんが、まあ、とにかくこの文章の最後までは付き合ってくださいな。

ところでお尋ねしますが、あなたは人を殺せますか? たぶん躊躇うでしょう。「人は殺しちゃいけない」という理性が働くはず。うん、正解。人は殺しちゃいけない。

じゃあ、亀有にある両さんの像を壊せますか? これも、躊躇うでしょう。あのニュースを見た時に、あんなことをする奴はゴミだと思ったでしょ? それも正解。両さんの像は壊しちゃいけない。

言うまでもないが、人のモノは壊しちゃいけないのだ。

自殺をしちゃいけない理由はそれ。

あなたが、空気中に粒子レベルで突然発生して、そこからニョキニョキと腕や足を生やして、ドッコラショと脳ミソを作って、全て自分1人の力で今のあなたを造ったのならば、自殺でも何でもすればいいと思う。

だけど、そうじゃない。あなたは親の作品だ。あなたを造ったのはあなたじゃなく、あなたの親なのだ。

あなたに、あなたを壊す権利などないのです。両さんの像を壊しちゃいけないのとまったく一緒の理由。自殺は人を殺すこととまったく一緒。どちらも人様のモノ。自分を、自分のモノだと勘違いしちゃいけない。

自殺をしちゃいけない理由は他にも2つ。

一つは、前にも言ったけど、今死んじゃうと損をするからです。それでも「どうしても」と言うのなら、騙されたと思って5月末まで待ってちょうだい。小説『グッド・コマーシャル』が出るから、行動を起こすならそれを読んでからでも。だけど残念ながら、それを読むと死ぬ気はなくなると思う。それどころか、その2ヶ月後には『西野亮廣独演会[DVD]』が出るし、その翌週からは『KING KONG LIVE 2010』が始まる。それが終わると絵本『Zip&Candy』が出るから、とてもじゃないけど死ぬ暇なんてない、と思ってしまうよ。いずれにせよ、今死ぬと損をするから、自殺はしちゃダメなのだ。

そしてもう一つ。これが、あなたが自殺をしちゃいけない一番の理由。あなたが今どんな悩みを抱えているのか、どれだけ苦しんでいるのか、そんなことはハッキリ言ってよく分からない。

だけど、ボクはあなたのような人を笑わせたいと思っているので、その対象がいなくなると非常に困るのです。

少なくともボクは、あなたがいてくれないととっても困ります。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月23日 (金)

共犯

『いつも!ガリゲル』の収録後、番組スタッフさんとの食事会まで少し時間が空いたので、その時間を使って汐留の編集所へ遊びに行った。

スイッチだらけの部屋でおこなわれていたのは『西野亮廣独演会[DVD]』の編集。有泉さんを中心に皆がワイワイと意見し合う。そんな背中をデレデレと眺めるのがボクの仕事。すっかりオカマちゃんなのだ。

本編にはメスが入らないので、ここでおこなわれている作業というのは特典映像などの編集。芸歴も10年になるが、DVDを出すのは今回が初めての経験。とても新鮮で刺激的。こんな遊びが残ってたのね。

タクシーに乗り込み、食事会へ。総合演出の西田二郎さんや、作家の下田さんらとお話。スタッフの皆さんの番組に対する想いを聞けば聞くほど、ボクは一つ駒として、その仕事を全うしようと思う。立派にならなきゃ。

皆が、えらく優しくしてくれる。

『グッド・コマーシャル』の取材が始まった。面と向かって自分のことを話されるのはとても緊張するけれど、ライターさんが『Dr.インクの星空キネマ』の時もお世話になった優しいお姉さんだったので、なんとか緊張を殺せた(ハズ)。なにより、取材までに『グッド・コマーシャル』を読んできていただけたのが嬉しかった。

デビューから今までずっと、自分よりも前に押し出さなきゃいけないものがあった。たとえば『はねるのトびら』だったらメンバーだし、自分がMCの番組ならゲストに来ていただいた方だし、キングコングだったら梶原だ。

だけどいろんな整理がついた今年は、自分を一番前に出して、手の内を見せる機会が増える。それは小説『グッド・コマーシャル』だったり、独演会のDVDだったり、須藤さんと夏に企画していることだったり、まあ、11月に予定している絵本第2弾『ZipCandy』だったり‥。今までひっそりとやってきたことだったけど、もうそろそろいいかな、という今年。ここ数年、目先のことにはまったく興味がなかったのです。

ずっと温めてきたカードで、皆を大きくひっくり返す。そればかり考えてやってきた。誰も見たことのない、誰も経験したことのないカードで。

そのカードをきる時に、今のボクを支えてくださっているスタッフさんや、たとえば雑誌のライターさんがボクのすぐ近くにいてくれたことを、あらためてありがたく思う。1人じゃ大きな渦はおこらないから、共犯ですよ。

高校時代、クリスマス・イブの夜中に男20人ぐらいで学校に忍び込み、運動場のど真ん中にバカでかいクリスマスツリーをたてた。皆、ボクの家に集まって、おまわりさんに追われても絶対に逃げきれるルートを、あれこれ考えていた。あのノリの延長。

ドキドキしたいし、させたいね。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月22日 (木)

言わしてもらうぞ

「ブレーキのあそびが少ない」

この場合の『あそび』とは、カラオケやボーリングに行ってワイワイ騒ぐ‥といった類のモノを指すわけではなく、どちらかと言うと、『余裕』『ゆとり』に近いニュアンスだ。

ブレーキの“あそび”が少ないと、踏んだ(握った)途端にすぐにブレーキが効いてしまい、ガックンと体勢が崩れてしまう。ブレーキの“あそび”なくして、スムーズな運転は困難だ。

さすがに痺れを切らしたボクが今回ここに綴る文章の中の“あそび”と単語は、その“あそび”の意味。

4月の最初に雪が降った。ニュースはそれを「異常気象」と伝える。例年よりも暑い夏が来れば「異常気象」と言うし、寒い夏が来ても「異常気象」と言う。記録的な大雨が降れば「異常気象」と言うし、記録的な日照りが続けば「異常気象」と言う。「異常気象」という言葉を聞かない年の方が少ないのはもはや周知の事実。だから、これを機に言いたい。

『気象』は、そもそも不安定なのっ!

早く桜が咲く年だってあるし、やたらめったら雪が降る年もある。だって、今までいっぱいあったもん!毎年、何かあるもん!

この結果を受けて、「気象は毎年同じ」という考えがどうしてできようか? そしてここ数年で起こっていなかったことが起こると、ニュースはすぐに「異常気象」と言う。嗚呼、五月蠅い。

異常気象の“あそび”が少なすぎるぞ。

物事は、もう2、3歩後ろに引いて見るべきだ。

「20年ぶりの‥」なんてのは、いくらでもある。ボクの家の前で人が手をついてコケたとして、その場所で人が手をつくほどコケたのは「1000年ぶり」なんてのもザラ。そんなものは探せばいくらでもある。こじつけだから。だからいちいち反応することはない。

“こじつけ”ついでに、「売れてるコンビ名には『ン』が入っていることが多い」と、さも大発見のように自信満々言っている奴に言っておくぞ。

売れてないコンビ名にも『ン』が入っていることが多いぞ。

分母が多いだけだ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月21日 (水)

そんな物語

早朝から『はねるのトびら』のロケがイレギュラーで入った。糞企画『キュービックルーマン』はいつも開店前の時間を使っての収録なのだ。くだらないヒーローに朝早くからお付き合いいただいたお店の皆様にはただただ感謝。

そして『キングコングのあるコトないコト』の収録へ。プロデューサーが旅行でも企んでいるのか、本日は3本撮りとなった。3本目のフザけたおした内容も手伝って、声がかれた。

番組はたいてい2本撮りで、収録は二週に一度。番組の収録と劇場出番を一つの週に寄せているため、我々キングコングのスケジュールは真面目に働く一週間とグータラと過ごす一週間が交互にやってくるわけだが、小説『グッド・コマーシャル』の発売が来月に迫り、グータラと過ごす週にも告知の仕事がチョコチョコと入って、しばらくは毎日真面目に働くことになりそう。

呑み仲間との酒の量が少しばかり減ってしまうのは寂しいが、こんなときにしかできない経験なので、ぞんぶんに楽しもうと思う。

告知の場で、簡単にあらすじを話させていただく機会があるが、小説‥とくに、『グッド・コマーシャル』のあらすじを話すのは非常に難しい。つまり告知が非常に難しいのだ。

物語の前半はまだまだ種を撒いている状態。そこだけを話したところで、それがどんな物語なのかの説明にはならない。ラストに向けて、点と点が繋がっていく物語が好きなのだ。それは同じような造りの『Dr.インクの星空キネマ』の時も苦労したことだが、とはいえあちらは絵本なので、「こんな感じの絵でーす」と挿絵を数枚見せるだけで、告知の役割は果たしてくれた。しかし小説はそうはいかない。この辺りの対策は考えねば。

単体では不味くて食えたもんじゃない3つの食材をゴミ箱に捨てたら、そこで混ざった3つの食材がケミストリーを起こして、ゴミ箱の中で、奇跡的にとんでもなく美味しい料理が出来あがっちゃった。そんなことが目の前で実際に起こればどんなに素敵だろう。

『グッド・コマーシャル』の登場人物は3人。その3人それぞれが、ボクのような、あなたのような人間。

あなたは、家の前の道を行きかう人を窓の隙間から眺め、部屋の中でずっと膝を抱えてブルブル震えている。鬱屈は爆発力を生むからね。あなたがその爆風で世界を救ったら面白いと思うんですよ、ボクは。

『グッド・コマーシャル』はそんな物語。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月20日 (火)

汗汗汗

林試の森公園をジョギングしていると、向かいから走ってきたジャージの女の子に「小説楽しみにしています」と言われた。恥ずかしくてあまり目を合わせられなかったけれど、とても嬉しかったのだ。

“嘘か本当か“なんてどっちだっていい。大事なのは“救えるかどうか”だ。子供の頃のボクに、TVの中の人たちがそうしてくれたように。

放っておいても、悲しい現実を伝える人はいるし、恐怖をエンターテイメントにする人はいるし、バッドエンドを作り続ける人はいる。

だったら自分がわざわざそういったモノを作る必要はない。ボクはおおいに嘘をついて、帰り道に、布団にもぐった時に、喧嘩中の夫婦が、童貞男子が、失恋女子が、周りに上手く馴染めない人が、ニンマリしてしまうような、「まあ、いいか」と言えてしまうような、そんなハッピーエンドばかりを作っていきたいと思う。

劇場楽屋で、「西野、死んじゃうよ」と山ちゃん。「山ちゃん、俺、楽しいのよ」と言うと、「みたいだな。お前が楽しいのは、俺は全然ッ楽しくない」と相変わらず。ラジオでボクの悪口を言っているそうな。山ちゃんの悪口も、もう10年になる。たいした持久力だ。そういう山ちゃんの隣で、「ドキドキするー」とか、「奇跡だー」とか、バカみたいなことを真面目に言い続けたい。それを山ちゃんが腐して、そこに笑い声が起これば、それはなんて素晴らしいことだろうと思う。

今日も新ネタを1本試した。もちろん夏の『KING KONG LIVE 2010』を見越して。梶原共々“お気に入りの1本”となった。おそらくラインナップに入ってくるかと。早く夏が来ないかね。

いつだってホームレスになる覚悟はできている。そのかわり、好きなことを好きなだけやってからじゃないと納得いかんのです。

小説『グッド・コマーシャル』の発売日は5月の25日辺りだとか。一冊の本で、あなたをおもいっきり幸せにしてやるからね。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月19日 (月)

聞かないよ

大分での仕事を終え、東京へ戻り、そのまま幻冬舎へ。

今日、最後の仕事は来月発売の小説『グッド・コマーシャル』の帯の写真撮影。小説のデザインを手掛ける山本姉さんがお菓子をボリボリ食べながらガールズトークに花を咲かせている横で、ボクは生意気に被写体になっていた。

デビュー間もない頃、上目使いを要求してきたり、相方と背中合わせの気色悪い写真を求めてくるカメラマンにキレちゃって帰った話をキッカケに、今回のカメラマンの関根さんと意気投合。何事も正直に話してみるもんだ。

そんなこんなで撮影は5~6分で終了。撮影後、袖山さんが「近くで軽く御飯を食べましょう」と皆を誘い、幻冬舎を後にしてプラプラと。ここからがメインなのだ。

「もう呑んじゃいましょうよ」とそそのかされ、車を置いて帰ることを即決。次々とアルコールを身体に流し込む。そして話す、デザインの話、カメラの話、紙媒体の話、お笑いの話‥。まあ、いつもの酒の席だ。

「周りの声が気になったりしないの?」と訊かれた。正直な気持ちを言うと気になる。言われて嫌な思いをすることもたくさんある。

だけど、そのことに関して言えば、大衆の声なんて聞いてたまるか、と思う。

だってボクは、大衆に納得してもらうためにやっているわけじゃない。大衆を圧倒するためにやっているのだ。

世間からの『GOサイン』が出たモノを作ったところで、『GOサイン』を出した世間をひっくり返すことなどできない。それはすごく単純な、あたり前の話。だけど特に今の時代、見失いがちなところだと思う。世間の『GOサイン』というのは、イコール「空気を読む」という言葉になっている。その枠内で動いているから同じようなモノしか生まれない。陳腐だ。世間に主導権を握らせてたまるもんですか。

無難に飯代を稼ぐのなら、もっと他の仕事がある。この仕事に就いたのなら、ひっくり返さなきゃ。ジャンル問わず、モノを作る人間全員に言えることだと思う。つまり、作り手の使命ですよ。

ボクらはドキドキさせなきゃね。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月18日 (日)

手紙にメロメロ

季節外れの寒風吹きすさぶ中、昨晩は汐留の編集所に転がり込んだ。結局、『西野亮廣独演会[DVD]』のオープニング映像の編集は明け方まで続いたのだった。色身の微妙な調整やら、音楽を差し込むタイミングやら、試行錯誤を繰り返して、ベストの形を探す編集マンの皆さん。それはとてもカッチョイイ背中だったのです。

非常に遊び心が詰まったDVD。来週の水曜日にも編集があるらしい。『いつも!ガリゲル』の収録終わりに、また編集所へ遊びに行く約束をした。楽しいモノが作られていく現場に、少しでも同席したく。「ドキドキさせなきゃ意味ねえぜ」とは『西野亮廣独演会[DVD]』の編集所で飛び交う素敵な言葉。そこには子供のようなオジサンばかりなのだ。

家に帰っても、その光景を思い出してまだニヤニヤしていた。そして、そんなこんなでいい時間。朝から『はねるのトびら』の収録が入っていたので、寝坊を恐れ、ジョギングで時間を潰して、そのまま湾岸スタジオへ。

来週放送分を撮った。そこで、メンバー全員が笑い転げたのだ。ボクの周りの皆は、なんて阿呆な職に就いたのだろう。なんて意味のないことに汗を流しているのだろう。周りが愛おしくてたまらなくなった収録だった。来週の放送をお楽しみに。

収録を終わりで一件だけ取材があって、それを終えて楽屋に戻ると、ドッと疲れがきた。“徹夜”はとことん苦手なのだ。目を閉じると1秒で意識が飛んでいきそうだったけど、マネージャーの佐伯君が持ってきた手紙を読んで、ふたたび元気を取り戻す。

手紙の送り主は小説家の和田竜さん。和田竜さんとの繋がりといえば、和田さんが書かれているエッセイ(いつも笑わせてもらってます)のイラストをボクが隅の方でチョコチョコと描かせていただいているぐらいで、実は直接の面識がない。

それなのに、ずいぶん前に痛めた靭帯(もうすっかり元気)を気にかけていただき、お忙しい中、わざわざ手紙をくださった。そして「回復に役立てば」と手紙と一緒に素敵な映画のDVDが同封されていた。底抜けの優しさだ。

皆さんと同じように、ボクも優しくされると弱い。つまり、すっかり和田竜さんにメロメロなのだ。

家に帰ってからも何度も手紙を読み返す始末。手紙は嬉しい。とっても嬉しい。物体として残るから、嬉しさが長持ちするところもイイ。ボクも手紙を書ける大人になろう、と心に決めた出来事でありました。そして『西野亮廣独演会[DVD]』が完成したら、すぐに和田竜さんに送ろうと決めたのでした。

少し仮眠をとったので、今夜も作業。夏の全国ツアーまでに、もろもろ終わらせたいなあ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月17日 (土)

ずっと夢中

えらく冷え込んだ一日だった。どうせ4月のこのタイミングで寒くなるのであれば、3月末ぐらいに暖かくなる日を作ってコチラを期待させるようなことはやめていただきたい。「このまま暖かくなってゆくのか」と胸を躍らせた矢先にズドンだ。あの“春到来フェイント”に毎年のように騙される。こんな寒い日に外へ出てたまるもんか。

今日は『はねるのトびら』の収録日だが、予定されていた打ち合わせが急遽無くなったので、一日中家で作業。寒さにはめっぽう弱いボクとしては、非常に助かった。日課のジョギングはルームランナーで済ます。映画を観ながら、小説を読みながら汗を流せるという優れモノ。なんて合理的なマシーンなんだ。

作業の進みはあいかわらず遅い。当時ならこれで発狂していたが、慣れとは恐ろしいもので、数年がかりの独り作業も、「こんなもんだ」と思えるようになってきた。人間はどこにだって住めるのではないだろうか。

夕方、バイク便で『西野亮廣独演会[DVD]』の特典映像のオフラインが届いた。オフラインとは、実際に使う映像を仮で繋いだようなモノ。そこには公演中止の危機に直面した舞台裏の映像や、『打ち合わせ』と称してオッサンがただお喋りしているいつもの会議の風景が映されていた。普段、お客さんが見ることのない場面だ。

自分も参加している会議の風景を俯瞰で観て、あらためて思う。お笑いは楽しい。

ボクの地元は兵庫県の川西という田舎町。いつも校内でネタをしていたけれど、ときどき『遠征』に行った。遠征先は川西で一番人通りの多い『川西能勢口駅』の連絡通路。ここで会社帰りのサラリーマンや、他校の生徒、おっかないヤンキー相手にネタを披露した。遠征前にボクの家に皆が集まって、何度も脱線しながらも「ああだ、こうだ」と話した。

それと、そっくりそのままの光景が特典映像のオフラインにあった。皆、あの頃より少しお腹も出て、映像では伝わらないけどきっと加齢臭なんかもちゃっかり出している。だけど、話している内容と笑顔は一緒。バカは死ななきゃ直らないのだ。

小学校2年のときにカトちゃんケンちゃんを観てから、もうずっと夢中。皆と楽しいところに行きたい。

‥‥たった今、有泉さんから連絡があった。どうやら今夜は『西野亮廣独演会[DVD]』のオープニング映像を編集しているらしい。もちろん口は出さないけれど、なんとも楽しそうな編集風景をただただ観てみたい。

冒頭で言った「寒い日に外へ出てたまるもんか」は取り消しだ。

ムスタングさん、出番ですよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月16日 (金)

モノを作って、逢いに行って

「どうせ番組が出してるんでしょ?」という声がありそうなので、メンバーの名誉の為に書かせてもらうが、『はねるのトびら』のお買い物企画はガチンコで自腹なのだ。ガチンコで自腹なので、もちろん商品はキチンと演者のもとに届く。そんなわけで今朝、我が家に『ルームランナー』がやってきた。

部屋の壁は『Dr.インクの星空キネマ』と『Zip&Candy』の原画で埋まっている。そこにルームランナーが加わった部屋の景色は我ながら気持ちが悪い。奇妙奇天烈。私は一体どこへ向かっているのだろう。東京に引っ越してきた頃の“お洒落な部屋に住む”という初々しいアイツは完全に死んだのだ。

今日も作業内容のことを綴る毎度お馴染みの文章になりそうで申し訳ないなあ、なんて思ってみたけど、考えてみれば、グラビアアイドルが胸の谷間のサービスショットを載せていたり、タレントさんが仲間との交友録を綴っていたりする愉快なブログが多々ある中、こんな糞芸人の制作日記を覗こうとする奴なんてどうせ変態に決まってるんだから、ご丁寧に気を使うこともあるまい。かまわず書くことにする。

昨晩は、来月出版の小説『グッド・コマーシャル』の表紙カバーを持って袖山さんがやって来た。実際に表紙カバーを本にくっつけてみて、「おお、いいねー」と言うだけの緩い作戦会議なのだ。そんな中、袖山さんの口をついて出てきた「サイン会を‥」という言葉。‥やはりあるのか!?

まだ何も決まっていないらしいが、サイン会の案は大人たちの間で確実にあがっているらしい。ちなみに、サインなど持っていない。どうしよう。どうしよう。漫画家さんのようにサインの横に絵を描いて、そっちに気を向かせて逃げきろうかしら。大ピンチなのである。

袖山さんと表紙カバーの打ち合わせをやんやとしていたちょうどその頃、別場所では有泉さんを中心とした『西野亮廣独演会[DVD]』の制作チームが、映像の編集にジタバタしていたとのこと。本編が始まってしまえば、そこからは完全ノーカットでボクが100分近くが喋っているだけなので、そこまで大変ではないようなのだが、数多の事件(本番中にお客さんと喧嘩‥etc.)を起こしてきた全45公演の裏側を撮った特典映像の編集と、オープニング映像の編集には、そりゃもう大変なこだわりをもって向き合っていただいているようだ。結局、朝までかかったとのこと。本当に、本当にありがたい。

ここから年末まではバタバタしそうなので、ヘタをすれば独演会は来月31日に名古屋公演が年内最後となりうる可能性がある。なので、『西野亮廣独演会[DVD]』はちょうどいいタイミングだったかもしれない。どうかこのDVDで時間を潰してくださいませ。その間に次なる遊びを作っておきますので。

そしてなにより、来月の『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』を、ボクはとても楽しみにしている。『グッド・コマーシャル』が出版された後だからだ。

名古屋公演に来られる皆様。あなたの言葉で小説の感想を聞かせてください。口でも、手紙でも。たいしたワガママなのですが、それが次の活力となる単純な身体なのです。どうかどうかお願いを聞いてやってください。

お逢いできることを楽しみにしています。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月15日 (木)

大阪物語

月に一度のNGK出番。キングコングの出番前に新喜劇が入っていたことを昨晩知って、今朝は早起きして、予定よりも2時間早い新幹線に乗り大阪へ。楽屋に荷物を置いて、客席の最後列に座り、新喜劇を観て、声を出して笑う。

本当はそのまま客席に残って第2部の漫才コーナーも観たかったけれど、自分が出なきゃいけないので、新喜劇の幕が下りると同時に席を立ち、「面白かったー!ドキドキしたー!」とやすえ姉さんのところへ走る。急いでスーツに着替えて、カウスボタン師匠の楽屋へ挨拶に行くと、「ちゃんと飯食ってるか?」とボタン師匠。そして、折れ曲がっていたボクのスーツの襟を直してくださった。昔から父ちゃんみたいな人だ。やっぱりNGKが好きだと思った。

京橋花月の出番と合わせて、今日はいろんなネタを試した。もちろん夏の『KING KONG LIVE 2010』に向けて。最近、ネタ合わせ中に感じるのは、先日の『笑神降臨』で「住民票」のネタを出せたことが、ボクらの中で一つ気持ちの整理がついたということ。

M-1の準決勝であまりハマらなくて、「面白いのになぁ‥」と恥ずかしながら半ばスネていた部分があったように思う。『笑神降臨』ではそれがハマって、なによりそのネタを世に出すことができて、便秘が解消したようなスッキリとした気持ちになれている。

『Made in KingKong』に来られた方はご存知だろうが、あの「住民票」のようなタイプのネタは他にもいくつかある。それを心おきなく『KING KONG LIVE 2010』に持っていけるのだ。そして、それを持っていくと決まったので、それとはまったく別のタイプのネタも思いきってやれる。『笑神降臨』は、ボクらの中でたしかなターニングポイントだったのだ。NHKさん、あれをDVD化してくれないかな?

出番終わりに梶原とネタ合わせ。そしてボクはそのまま大阪に残り、カウス師匠のラジオのゲストとして出させていただき、カウス師匠とサシでじっくりと30分トーク。昨日はFUJIWARAサンの番組のゲストに1人で出させていただいた。ここから約一ヶ月間は、ボク1人でのゲスト出演がちょくちょくと続く。とても新鮮で、とても勉強になる一ヶ月だ。

今は新大阪に向かうタクシーの中。夜中の作業に備えて、新幹線で少し眠ろう。新幹線でとる睡眠は好き。寝ている間も進んでいるから。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月14日 (水)

どうなる!?サイン会

小説『グッド・コマーシャル』の出版を皮切りに、『西野亮廣独演会[DVD]』のリリース、そして全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』に、絵本第2弾『Zip&Candy』の出版‥と、怒涛の下半期がやってくる。

遅々として進まなかった作業もゴールが見えた途端にトップスピードで話が転がって、耳に入ってくる知らせが昨日よりも明確に進んでいる。前進していることを感じられるのは嬉しい。

そんな最中、マネージャーの佐伯君が「小説発売日にサイン会をやってみるというのも‥」とほのめかしてきた。もちろんまだ決定事項ではないが、もし決定してしまったら非常にマズイ。

人生初のサイン会。「ボクのサインなんぞ、一体誰が欲しかろう」という懸念もある。ただ、それよりももっともっと大変な問題があるのだ。

ボクはそもそも“サイン”というものを持っていない。

郵便屋さんから荷物を受け取るときに書く『西野』という“受け取りサイン”ならあるが、皆みたいに、筆記体をさらに崩したようなカッチョイイやつがないのだ。サインを作るタイミングを完全に見失ったせいだ。

学園祭などで、コンビで一枚の色紙にサインを求められたときも、梶原が筆記体を崩したカッチョイイやつ(学生時代に作ったらしい)を書いている横で、ボクは申し訳程度に、郵便屋さんに書く“受け取りサイン”を書いてその場をやり過ごしてきた。

しかし、『サイン会』と銘打って集まってくださったお客様相手に、“受け取りサイン”を書くわけにもいくまい。

なら、今から大急ぎでサインを作るか? どんなのがいいのだろう。ひらがなの『に』を丸で囲んだシンプルなものはなんだかスカしているみたいで格好悪いし、ゴリゴリのカッチョイイサインを作っても、それはそれで‥。そもそも、サインを作ったら作ったで、梶原に「あ。西野、サイン作りやがった」とこっそり思われるに違いない。コンビ間では、その感じはえらく恥ずかしい。

「小説を買ってもらうための仕事なら何でもする」とマネージャーに強く出てしまった手前、『サイン会』なるものを本気で提案されてしまった場合、断るわけにもいかない。

八方塞がりだ。どうなる!?サイン会。

問題は山積み。だけど、とっても楽しそうのは確かだ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月13日 (火)

アタイ出産前なのさ

『笑神降臨』が終わり、我々キングコングは、夏の全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』に向けて本格的に動き始めている。そんなわけで今日の劇場出番では新ネタを試した。そして、空き時間にはライブTシャツのデザインを見せてもらった。キングコングと、とあるブランドとのコラボレーション。メチャクチャ洒落ていた。こういうのもライブの楽しみの一つ。皆様、ライブ会場で逢いましょう。

出番後は、『西野亮廣独演会[DVD]』の打ち合わせと、来月発売の小説『グッド・コマーシャル』の表紙選び。『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』と銘打った2弾と3弾だ。

独演会のDVDは、100分近く喋った大阪公演の模様を完全ノーカット。そして特典映像は全45公演の裏側をお届け。マイク1本ぶら下げて行き当たりばったりの旅は、なかなかの修羅場をくぐり抜けてきたので、特典映像の方も魅力的な仕上がりになりそうだ。

編集を担当してくださるのは有泉さん。大阪時代からお世話になっているTVマン。昔から、呑みに行っては「面白いモノを作りたい」と念仏のように連呼していた男。「編集を頼むならこの人だろう」と、すぐに名前があがった。

パッケージなどのデザインまわりを担当してくださるのはデザイナーの福田さん。福田さんには、これまでも何度もお世話になっている。いつも素晴らしい仕事をサラリと。「ちなみに作ってみたんですよ」と福田さんが見せてくれたDVDのメニュー画面の映像に、スタッフ一同歓声が上がり、最後には「あなたは何者だ?」となった。映像は管轄外のハズだ。だけどその出来が素敵すぎたので、そのまま採用となった。パッケージデザイン兼メニュー画面担当という離れ業。

ボクは会議室の端でマスコットのように座り、プロフェッショナル達の言葉にただただ頷いていて、「楽しいなあ」なんて呑気なことを思う。

本編は自分がライブで喋ったことが全てなので、もちろん内容は頭に入っているけれど、どのカメラの映像を使ってどんな仕上がりになるのか。そして、特典映像は一体どんな物語になるのか、とにかく楽しみだ。もしかしたらボクが一番楽しみにしているかもしれない。

DVDの打ち合わせは順調に終わり、続いて『グッド・コマーシャル』の表紙選び。

デザイナーの山本さんが用意してくださった数パターンの表紙を机に並べ、その場に居合わせた皆で「せーの!」で指を差して決めるという阿呆なやり方で。やり方のわりには、最後には皆が納得のいくカタチとなった。

そもそも山本さんが用意してくれた表紙が素敵すぎたのだ。ずいぶん前の打ち合わせの時に、「色で遊びませんか?」と提案させてもらったアイデアを、今回見事に具現化してくださった。見たことのないような表紙だから、本屋さんでは目立つと思う。なにより、目立つために奇をてらったようなモノじゃない出来であったことが嬉しい。ただただ『色』が本来持ち合わせている個性を前に出しただけ。「海の青が綺麗」というだけで嬉しくなれるあの感覚は、小説の表紙にも使えると思ったのです。

チビの頃から白黒の絵しか描けなかったから、『色』には憧れがあるのです。

私生活の切り売りや暴露を乱用すると、お客さんとの最短距離を辿れるけれど、お客さんの想像する余地がなくなってしまう。実はその「お客さんの想像」こそがすごく大切にしなきゃいけないことなんじゃないかなあ、と最近は強く思う。だからブログもやめる。ツイッターもやらない。決してやっている人を否定しているわけじゃない。あくまでボクは、という話。

だけどボクは、自分が思っていることをきっと伝えたくなる。寂しいのは嫌だから、どこかでお客さんとは繋がっていたいと思ってしまうに違いない。ボクのそれらの想いを叶えてくれるのが、これからは『作品』になってくるのだと思う。

それにしても今日の2件の打ち合わせで、誰一人として『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』 というフレーズを口にしなかった。いわゆる総スカン。酷いスベリようだぜ。

お母さん。ボクは今、東京でとても恥ずかしい思いをしているよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月12日 (月)

日本列島ドンガラガッシャン大作戦第3弾

花見。

すっかりアルコールに支配されてしまった石田は、約1時間にわたりボクの左腕を噛み続けた。「噛むな!噛むな!」と本気でドツいて引き離しにかかったけれど、それでも果敢に噛みに来る。奴の頭がそうとうイカれているのか、ボクの左腕がよっぽど美味しいのか? 真相は定かではないが、とにもかくにも30~40発殴り続けたボクの右拳は内出血で紫色に腫れ上がっているし、左腕はすっかりズタボロ。当の石田は全身アザだらけなのだ。だけど、二人ともゲラゲラ笑っていた。

オジサンがやって来て、「この場所は22時までだよ。最近は近隣からの苦情が多くてねえ。ゴミはまとめて持って帰ってよ」と言って去っていった。そもそもこの場所に時間制限なんてあったっけ? と思いながらも、なんとなく片付けを始めつつ、余った缶ビールを「コレ、いりますか?」とさっきのオジサンのところに持っていったら、ホームレスの方ということが判明。

缶ビールを受け取って喜ぶホームレスのオジサンのことが急に愛おしくなったので、そのまま抱きついた。「ここの敷地の管理人の感じで来やがって」と笑いとばして、ホームレスのオジサンと乾杯した。

“女の子が髭を剃っている”と知った夜は世界が終わったかと思ったけれど、時間が経って、どうにかその悲しみを受け止めることができるようになった今、噛まれて血が出たって笑えるし、まったく知らないオジサンと肩を組んで酒を呑み交わせる。世界は今日も平和なのだ。

そんな今日は、来月31日にある『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』のチケット発売日。これが終わると夏の全国ツアー『KING KONG LIVE 2010』の準備やら何やらが本格的にスタートするので、独演会はしばらくお休みすることになりそう。

独演会は今回の名古屋公演で45回目となる。全国津々浦々、いろんな所をまわってきた。持ち物はセンターマイク1本だけというフットワークの軽いライブなので、「独演会では、なるべくいろんな所に行って、いろんな人に逢いたい」と常々言い続けて、やってきた。

だからこそ、お客さんから頂く手紙の中の「それでも、独演会には行けません」という文章が目につく。j事情は様々。近場であった公演を観に行けなくて、次にまわってくるのが数年後、というケースもあるし、病室から出られないという子もいる。それなのにボクの身体は一つだから、どうしても応えられない場合が出てくる。綺麗事だろうと何だろうと、やっぱりそういう人にも届けたい。

バカみたいに掲げた『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』。その名の下、生みだされた作品には羽が生えていて、ボクが逢えない人のところにも軽々飛んで行って、その人をドンガラガッシャンとひっくり返してくれると信じている。

その第1弾が『Dr.インクの星空キネマ』、第2弾は来月発売の小説『グッド・コマーシャル』。

そして第3弾は、『西野亮廣独演会』のライブDVDだ。

第40回の大阪公演の模様を完全ノーカットで収録。小説発売から約2ヶ月後の、7月14日に、『西野亮廣独演会』のライブDVDの発売が決定した。

これで届く。海の向こうや、ボクのいない未来にも。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010.7.14(水) DVD『西野亮廣独演会』

2010年4月11日 (日)

年甲斐もなく今夜も

「メンバーが私服で番組に出るのは意外と珍しいことだったなあ」と、『はねるのトびら』のロケ帰りのタクシーの中で思う。桜は散り始めているけれど、窓を開けるとまだまだ肌寒かった。

そのままタクシーに乗って中目黒の酒場へ。待っていたのはタモリさん。沼津の地ビールを呑みながら、さっそく四方山話に花が咲く。「その大きなカバンは?」と訊かれたので、待ってましたとばかりに中身を出す。『Zip&Candy』の原画。

タモリさんはひっくり返って、ボクは「どんなもんだい」とニンマリ。店内の外国人さんが絵に集まってきて、何を言っているかよく分からなかったけど、皆に頭をなでられて嬉しかった。

そしてタモリさんとの話は本題へ。カバンの一番奥に入れておいた数枚の紙を取り出して、渡す。二人で考えていることを、ボクがパソコンでまとめたものだ。タモリさんはジッと紙を睨んで、最後まで読み終えると二コッと笑った。

そこからは「こんなのはどう?」「じゃあ、ここを削って、ここを足してみては?」と、めいめいにアイデアを出し合った。

「旨いハンバーガー屋がある」という話になり、「今から行こう」とハンバーガー屋さんに移動した。ハンバーガーを注文すると若い店員さんが『スクラッチカード』を2枚くれたのでさっそく削ってみたけれど、結局二人ともハズレだった。

「次はどこに行く?」という話になり、「家に行こう」とタモリさん宅にお邪魔した。「あら、お久しぶりです」とわざわざ玄関まで迎えに来てくださったタモリさんの奥さんはあいかわらず上品で、とてもキュートだったのだ。

奥さんは『Dr.インクの星空キネマ』を読まれたようで、その感想を丁寧に語ってくださった。その横からタモリさんが「実はもう第2弾を作ってるんだよ」とパスをあげてくださったので、“エへへ”と笑いながらカバンから『Zip&Candy』の原画を出して、その全てをリビングに広げた。

三人ともが両手両膝をついて、気になる原画があれば手に取り、そうして少しの間、絵を眺めた。「さっき、この絵に外国人がいっぱい集まってきたんだよ」と我がことのように奥さんに自慢していたタモリさんを、ボクは好きだと思った。

そしてついにはベロベロに酔っ払い、オーディオルームへ移動。クラッシックを流して、『エアー指揮者』を延々とやった。とにかく器用なタモリさんの『エアー指揮者』は、10分、15分‥と続けているうちに本当に楽団を指揮しているように見えてきて、そのタイミングでタモリさんの額から汗が垂れたので、その一生懸命さに腹がよじれるぐらい笑った。愚行の極みだ。演奏が終わった時には肩で息をされていたので、「阿呆だ」と、また笑ったのだった。それは、もう真夜中のこと。

「明日、早いの?」「朝から『はねトび』のロケです。タモリさんは?」「俺も朝から‥」、そんな会話を交わして、「じゃあ」と別れた。

帰り道。この感じ知っているなあ、と思った。

学生時代だ。毎日のように皆がひっくり返るイタズラを計画して、飯を食いながら「次、どこ行く?」と話して、スクラッチカードはあいかわらず当たらなくて、夜は誰かの家に転がり込んで、夜更けまで何の為にもならないくだらないミニコントを延々と続けていたっけ。

体育教師の竹刀から逃げ回り、地元の不良にビビって、補習授業に愚痴って、女の子には全然近寄れなくて、見事に女の子に近寄っている男子を「女たらし」と影で罵りながらも、本当は死ぬほど羨ましがったていたあの頃。戻りたいとは思わないけれど、あの頃に対する憧れがボクの中にあるのだと思う。

だから、それを続けられるこの世界に飛び込んだのだ。変に賢くやりすごせるようになっちゃ、この世界に飛び込んだ理由がなくなる。この世界に飛び込んだ以上、時には、年齢にふさわしい思慮や分別を忘れられる阿呆でいなきゃね。

タモリさんと遊んだ帰り道は、いつもそんなことを思う。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月10日 (土)

笑神降臨

NHK『笑神降臨』は楽しんでいただけましたでしょうか?

一つの番組で漫才を5本もすることは、今までにない試みでしたし、今後の芸能生活の中でもまずないことでしょう。今回は、とても貴重な経験をさせていただきました。

そんなわけで漫才を5本やらせていただきました。

今回やった漫才は、去年の『KING KONG LIVE 09』でやったモノで、現在はルミネでもやらさせてもらっているネタです。あの5本のネタの中で、芸人仲間にもっとも面白がってもらっているネタは、最後にやった『住民票』のネタです。個人的にも、あのネタが一番好きです。

NONSTYLE井上もあのネタを面白がってくれていて、劇場の出番が一緒になるといつも「今日は住民票のネタはするん?」と訊いてきます。

ボクは、「やるけど、あんまりウケないのよ」と答えます。事実、お恥ずかしい話ですが、M-1の予選でもあまりウケませんでした。

井上は「お客さんが求めているモノじゃないんやろうな」と言います。とても正しい意見だと思います。ボクも井上と同じように思っているからです。

きっと、『笑神降臨』の2本目にやった『肝試し』のようなネタが待たれているのだろうと思います。だけどボクは、『住民票』のようなネタをやりたいです。もちろん、お客さんに楽しんでもらいたい。笑って帰ってもらいたい気持ちはあります。

だけどボクは、やりたいことをやりたいです。

それはデビュー間もなくの頃だったら考えは違ったと思う。だけど、なんじゃかんじゃで10年が経った。そのキングコングというコンビがやるネタのスタイルとして、ひとつもウソがないと思えるのが『住民票』のネタです。ラジオで梶原と口論になった時、いつもあんな感じだもん。

もう嘘臭い漫才はやりたくないと思ったのです。

この夏の全国10都市をまわる『KING KONG LIVE 2010』は、『住民票』のようなネタになってくると思います。

それでも、それを好いてくれるならば、劇場に逢いに来て下さいな。

あなたの笑い声が欲しくてたまらんのですよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 9日 (金)

夏に逢えるかな

来月には小説『グッド・コマーシャル』を出版。そしてその後に、もうひとつ出版物がある。その二つを世に出せば、夏が来る。

この夏は、キングコングの漫才ツアー『KING KONG LIVE 2010』で全国10都市をまわる。

是非、来ていただきたい。が、今までに来たことのない方からすれば、得体の知れないライブに足を運ぶ不安は絶対にあると思う。そりゃそうだ。

そんな方には、今夜放送(24時15分~だから、厳密に言うと日をまたいで10日)のNHK『笑神降臨』を観ていただきたい。そこでは漫才を5本やっている。構成は『KING KONG LIVE』そのまま(ネタは去年の『KING KONG LIVE 09』でやったもの)なのだ。

今年の夏の『KING KONG LIVE 2010』を観に来られるか来られないかは、それで判断していただくのがもっともかと思われます。

少々固い話になるけど、たしか25歳ぐらいの頃に、ル―ティーンワークのようになりつつあったスケジュール表をボンヤリながめて違和感を覚え、「芸人としてどう生きるかなあ」とあらためて考えたことがあった。

その頃のボクは大きな流れの中にいて、その流れに逆らうことは容易ではないのは分かっていたけれど、まずは流れる方向だけでもいいから、変えなきゃいけないと思った。その頃のボクはまったくドキドキしてなかったし、させてなかったし、させる方にも進んでなかった。

梶原とマネージャーには思っていることを正直に話して、一つの決まりを作って、そして時間を作った。

その時間を使っていろんなことを始めた。そこに『KING KONG LIVE』があったのだ。

やっぱりお客さんが好きですよ。

1人でライブに来ている男を見ると、昔の自分を見ているようで、そのまま客席に下りていってベロベロしたくなる。ホモじゃないよ。

モテる奴、モテない奴、皆と楽しめる奴、人とのコミュニケーションが苦手な奴、金持ち、貧乏、笑顔の夫婦、ヤクザみたいなオッサン、処女、ヤリマン、プレイボーイ、童貞、もういろんな垣根を越えてね、「笑いたい」という共通の目的で人が集まるあの魔法のような空間にボクは生きていたい。

夏に『KING KONG LIVE 2010』の会場で逢えることを楽しみにしております。今夜の『笑神降臨』を観て判断してくださいな。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 8日 (木)

全てを受け止めて、そして続けるのだ

『はねるのトびらSP』、そして新番組『いつも!ガリゲル』はご覧になっていただけたでしょうか?

「ロッキーの真似をしよう」というフザけた入口だったけれど、虻ちゃんのことは9年間見続けてきたもんだから、試合中にいろんな思い出が甦ってきて、やっぱりグッとくるものがありました。もう何も言いますまい。最高のハッピーエンドでした。

『いつも!ガリゲル』は回によって番組のテイストがガラリと変わります。そのあたりも楽しんでいただいて、どうか末永く宜しくお願いします。

TVは面白い。そしてライブも面白い。

今日はマネージャーさんにワガママを言って入れてもらった若手のネタライブのMCの仕事があった。面識のない若手芸人の絡みは何をしでかすか分からない。だからこそ新鮮。そして、どんな玉であっても絶対に全部拾う。ケガをする時は一緒にケガをする。

演者さん、スタッフさん、お客さん関係なく、お笑いを好きでいてくれる人が好きだ。ボクは、ずっとその人たちの傍にいたい。

帰り道に松屋に寄った。昨晩食べた御飯を今晩も食べた。仲間の芸人から「食の面白味がない男」だと言われる所以だ。だって興味がないんだもん。

帰宅後は、録画しておいたNHKの『すてきにハンドメイド』を観ながらの作業。

もちろん、はなサン目当て。今日のテーマは『”デコ服”でMYファッション』だった。ビーズやスパンコールを使って、市販のシンプルなTシャツをオリジナルシャツに大変身させちゃうのだ。

Tシャツの胸元に大きなビーズを付ける方法を教えてくださるゲストの先生が、「大切なのはビーズを付ける際に、中心をズラさないことです」と言うと、すかさず、はなサンが「中心がズレたら怖いですもんね~」とコメント。

誰が何と言おうと、中心がズレたら怖いのである。

キュートすぎたので、巻き戻してそのシーンばかりを何度も観た。なんてカワイイ笑顔なんだろう。TV画面を写メールに撮って、糞ダルマに送った。こりゃ重症だぜ。

あっという間に夜中がやってくる。おそらく今夜も5時前ぐらいまで作業。明日も、明後日もだ。

嬉しいニュースとしては来月発売の小説『グッド・コマーシャル』の“帯”の内容を聞いたことと、来週月曜日に表紙選びの時間が設けられたこと。いよいよ『グッド・コマーシャル』の表紙があがってくるのだ。山本さんは一体どんな表紙を用意してくださったのだろう。楽しみだ。

『グッド・コマーシャル』の発売が待ち遠しい。早く皆に読んでもらいたい。きっとドキドキするに違いないよ。

自殺を考えている人、今死んだら損するよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 7日 (水)

オルゴールの夜に

友近のド阿呆カミングアウトもあったし、ジャルジャルは終始フザけていたし、ナベアツさんは毎回助けてくださるし、松村さんはついにドツかれたし、庄司さんは今日もバカをやってくれた。

自分で言うのも気持ち悪いが、『キングコングのあるコトないコト』という番組が大好きだ。ゲストもMCも関係なく、皆で「せ~の!」で進んでいく感じ。それは芸人楽屋の、古くは、中学の休み時間に教室の隅っこで繰り広げられた男子の、救いようのないノリ。今でもあれが好きなのだ。

収録合間には辻村プロデューサーと話し込んだ。「ツイッターはやらないの?」と訊かれ、「たぶん、やらないっス」と答えた。ブログもやめるし、それを境に少しだけ姿をくらましたいのだ。それは、表に出ないという意味じゃなくて、どんな一日を過ごしたかをお客さんに言わないようにするということ。最近のTVを観ていると、それを強く思う。

収録終わりは吉祥寺に向かった。我が愛車ムスタングにはナビがついていないので、目的地までの地図を前日の夜に頭にたたきこんでおいた。目的地は、吉祥寺にある小さなオルゴール屋さん。マンションの一室で、パンのように柔らかいお顔をされた店長が一人で経営されておられるのだ。

小さな部屋で店長と二人で雑談しながら、いろんなオルゴールを聴いた。ボクが探していた曲は、小学校の合唱の授業で大好きだった曲、パッヘルベルの『カノン』。その50弁オルゴールだ。

“50弁”とは、クシのようなオルゴールの歯の本数のこと。“15弁”や“30弁”のものもあったが、それだと曲の尺が短くなってしまい、『カノン』の一番好きな部分まで流れずに最初に戻ってしまう。

結局、『カノン』の50弁オルゴールは取り寄せてもらうことになったけど、インターネットでは店長の人柄に触れることはできないし、100年前のオルゴールの音色を生で聴くことができたし、吉祥寺まで車を走らせてよかったと思えたのだ。

車を停めてあった駐車場まで歩いた。

手を繋いで歩くカップルや、井の頭公園の花見客もいて、吉祥寺の町はお祭りのようで、皆とても幸せそうだった。昔を思い出したり、羨ましくなったりもしたけど、やっぱり今日もその気持ちには蓋をした。

あの夜。タモリさんと酒を交わし、「『Dr.インクの星空キネマ』を世に出そう」という約束をしたあの夜。それとは別に、もう一つの約束をしたのだ。その約束はまだ果たせていない。だけど、それが少しずつ動き出した。

その約束に、今回のオルゴールがとても深く関係してくるのだ。何かの比喩じゃなくてね、再来年あたりに、世界一のオルゴールを鳴らすのよ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 6日 (火)

役割はいつだって単純だ

一般の女の子のブログを鼻の下を伸ばしつつ読み進めていると、男の子と遊んだ記事が目に飛び込んできて、ついにヤキモチを焼いてしまった三十路手前。

作業部屋の入口には『ZipMotors』という“工場ごっこ”の恥ずかしい看板がかかっているし、明日収録で一緒になるジャルジャル後藤がボクのお気に入りのビートルズのTシャツを「よこせ、よこせ」とうるさいので、あげることにしたが、万が一、シャツが臭かったら恥ずかしいから先日購入した『ダウニー』を投入してしっかりと洗っているが、洗濯機はガタガタうるさいし、そして、つい5分前、洗剤として信じていた『ダウ二ー』が、実は柔軟剤だと知ってしまったし‥‥。どうやら柔軟剤では服は綺麗にならないんだってさ。

とにもかくにも今日もブザマな一日なのだ。

小説『グッド・コマーシャル』の発売を来月に控えつつ、それが何かは言えないけれど、7月にはまったく別ジャンルの作品を発表する。8月、9月は『KING KONG LIVE 2010』で全国をまわり、11月には絵本『Zip&Candy』の発売が控えている。

そして仲間の芸人は次々と結婚していく。とても幸せそう。じゃあ自分は不幸せか? と訊かれたら、別にそんなこともない。モノをトンチンカンチン作るのは好きだし、それができる生活は幸せだと思う。だけど正直に言えば、少し意固地になっている部分もあるかもしれないなあ。

スタッフさんの存在をありがたく思う瞬間はたくさんあるけれど、自分が作業をしていて、それとは別の用件の電話がかかってきた時に、とくに思う。たとえば、漫才を書いている時に、「今、会議してるんですけど、小説の装丁どうします?」みたいな電話。役割分担が確認できて、チームで動いている意味が強く感じられて、嬉しい。

ここ数日はそんな瞬間が多かった。『はねるのトびらSP』のことや、小説『グッドコマーシャル』のことや、7月の作品のこと、そして9日の夜に放送される『笑神降臨』のこと‥‥。いろんな人に支えられている。そりゃ諦めなきゃいけないプライベートがあって当然だ。

スタッフさんの働きを知ると、自分がやらなきゃいけないことが浮き彫りになって、覚悟が決まる。“やらなきゃいけないこと”は、この世界に入って日を重ねるごとに、どんどんと輪郭がハッキリしてくる。見えてきたのは、とても単純なこと。

楽しいモノを作る。完成したら、あとは人にまかせて、また次の楽しいモノを作る。

たったそれだけのこと。それがボクの役割。

あなたの役割は何だ?

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 5日 (月)

『グッド・コマーシャル』という小説

来月下旬に発売されるボクの処女小説は『グッド・コマーシャル』というタイトルだ。

このタイトルをすでに知っている人がいる。実は、もともとは舞台作品だったのだ。最初は中野の小さな劇場での公演、その後、神保町の劇場でもやった。

その公演を観に来ていた皆さんの言葉に後押しされ、小説化の話は少しづつ前に転がり始めた。

ボクの好きなテレビ東京の佐久間さんの「この作品はもっと多くの人に観てもらわないともったいない」という言葉が、まず最初に頭に残った。

とは言うもののどんな方法が‥、と考えているうちに、舞台を観に来られた多くの業界関係者の皆さんから「これは日本中に伝えないと」という言葉をいただき、そして幻冬舎の舘野さんの「よそで小説を出したら自殺するよ」という阿呆な言葉を聞いて、覚悟が決まった。

何本か作った舞台の中で、小説にするには『グッド・コマーシャル』が一番向いていると思っていたのは確かだったけど、『グッド・コマーシャル』のアウトプットの方法として最初に頭に浮かんだのが舞台だったのも確か。

それを小説化した時に、たとえ世に広まったとしても、自分の中でそのアウトプットの方法として“2番目の選択肢”であることには違いない。舞台が終わってすぐに執筆に入ったが、すでに完成している物語に実に1年半もの歳月がかかってしまった理由はそこにあった。

舞台を文章にしただけでは舞台を超えられない。超えられないのなら出さない方がいい。そんなことで、小説として書き上げた『グッド・コマーシャル』を去年の夏に一度捨てた。それは舘野さんと袖山さんの判断で、「舞台を超えていない」というのが一つと、本としての最低ラインを『Dr.インクの星空キネマ』に設定したことがひとつ。そちらも超えなければいけないのだ。

作業の手を止めて、2009年の夏はひたすら本を読んだ。意識的にインプットの時間を割いたのはこの世界に入って初めてのことだった。不安もあったけれど、これをしなきゃ変わらない、という気持ちが強かった。

『グッド・コマーシャル』の舞台脚本も捨てて、資料用に撮影していたDVDも捨てた。それを見ながら作っているうちは、いつまでたっても超えられないと思った。

入口の設定だけ残して、あとはゼロから書き始めた。まったく別の物語になれば、それはそれでいいと思った。それは初めての1人暮らしで、誰の目を気にすることも、何の規制に縛られることもない自由を手に入れた感覚に似ていて、踊りたけりゃ踊るし、堂々Hビデオだって見られるし、買ったばっかりの洋服でプチファッションショーをして、たとえ自分に酔いしれようとも、兄弟にバカにされることもない。

そんな調子で再び走らせた筆はとても生き生きしていて、小説を書くことがただただ楽しくなっていた。結果、舞台とは大きく変わった。

小説を書く芸人さんはたくさんいる。芸人の中でも、芸人なりの分析があったりして、「本を出すなら自叙伝の方が‥」とアドバイスも受けたが、ボクは平凡な少年時代を過ごした普通の男の子だったし、それにボクの人生は明日の方が面白いし、なによりボクは嘘をつきたい。誰も経験したことのない、とても楽しい嘘を。『グッド・コマーシャル』はそんな嘘の物語。

どうか来月下旬までに1000円ちょっとのお小遣いをためておいてくださいな。それと引き換えに、あなたをとんでもなくドキドキさせてやろうと思います。

とんでもなくね。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

5月下旬発売 小説『グッド・コマーシャル』

2010年4月 4日 (日)

爆発人生

『はねるのトびらSP』の収録が終わった。約1ヶ月にわたったSPの収録は、昨晩、ウルトラ・ドラマチックな大フィナーレを飾った。収録終わりは演者全員が“興奮冷めやらぬ”といった状態で、そして帰り道の車の中でボクは「TVはこうでなくっちゃ」と嬉しくなった。

猛スピードで回転するコマに乗っているような毎日。少しでも気を抜くとどこか遠くへ吹き飛ばされそうだ。だけど、こうしている間にも、ボクが出演した番組の編集や、ボクが作ったモノの仕上げをしてくださっているスタッフさんがいるわけだ。簡単には背もたれにもたれるわけにはいかない。

昨晩はずいぶん遅くまで作業をしたので、今日は昼前に起きた。ここ数年ずっと考えていたことのヒントが、歯を磨いていた時に突然降ってきて、急いで歯ブラシを吐きだして、そのまま椅子に三角座りをして約30分固まった。頭の中で考えを転がして、何度もシミュレーションをしてみた。そして身体に電気が走った。それが何かはここでは言えないけれど、綺麗サッパリ答えが出たのだ。

興奮そのまま「ようやく見つけましたよ!」とタモリさんに電話。とにかくとっとと呑みに行って、会って話して、二人で覚悟を決めなきゃ。こりゃ大仕事になりそうだ。そして、のんびり海に浮かぶ日は少しおあずけだ。しかたあるまい。皆を驚かすのだ。

雑誌の取材とかで、「あなたにとってお笑いとは?」みたいな質問をされると非常に困る。もちろんその時には何か言っている。それは嘘の言葉じゃないんだけれど、だけどお笑いを始めた小学校2年生の頃に、「お笑いとは」みたいな立派な理由を持ってやっていたわけじゃなかったのだ。理由なんて後付けだ。

やりたくてしかたがない衝動に従った方がいい。理由先行で始めちゃうモノでは、たとえ金稼ぎはできても、人の胸は打てない。タモリさんとの遊びが始まっちゃえば、費やす時間から計算しても、そりゃあまあ採算は合わない。だけどボクはやりたくてしかたがないのよ。酔って笑っているタモリさんの顔が好きだし、なにより人の胸を打ちたい。

少し前に約束しました。今日のブログで、来月出版するボクの処女小説のタイトルを発表すると。そんなにもったいぶる程のものでもないので、サラッとね。もしかしたら、このタイトルに聞き覚えがある人もいるかもしれません。きっと舞台が好きな人なのでしょう。詳しくは明日書きます。

小説のタイトルは、『グッド・コマーシャル』といいます。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

2010年4月 3日 (土)

洗剤をダウニーに変えました

「何時に仕事終わるの?」とNONSTYLE石田にメールを打ったら、「10辞任終わる」と返ってきた。予測変換機能がもたらした悲劇だとすぐに理解できたが、問題は奴のケータイが『~時に』よりも『辞任』というワードを薦めてきたことだ。つまり、奴が普段『辞任』の方を多用しているのだろう。メールのやりとりで『辞任』を使う場面とは一体? 演歌界のみならず、政界にも友達を作ったのか?  

そんな石田のミステリーはさておき、嬉しい知らせがあった。昨年行ったイタリアで、ずっと旅のお伴をしてくれた日本大好きイタリア人のフェデ君が、今年9月からの1年間、日本留学をするというのだ。本当にお世話になった最後のお別れの時、「いっぱいお世話になったから、フェデ君が日本に来ることがあったら、何でもワガママを聞くよ。日本に来たら何をしたい?」と言ったら、「合コン、ガ、シタイデス」と答えた下心満開のフェデ君。だけどこれは約束だ。成田空港まで迎えに行って、その足で合コンに向かおうと思う。女の子とは何を喋ろうか。緊張するゼ。

あいかわらず一般の女の子のブログを見ている。記事をさかのぼると時折、『今日のコーデ』と題して自らの全身写真を撮っていたりするから、それを見てボクはまたニヤニヤしている。女の子は本当に洋服が好きなんだなあ。さらに、料理もするっていうし、女の子はどうしてあんなにかわいいのかなあ。それに比べてボクは汗をかいたらすぐに臭くなるし、すぐに自慰行為に走るし、髪が伸びてまた前髪が揃ってきてキキララみたいになってるし、情けないよ、まったく。

カッコがつくとしたら仕事しかないけど、ボクの周りにいるのは「働く男の人はステキ」と瞳をランランさせて言ってくれる女の子どころか、「ガハハハ」と汚く笑う、酒臭いオッサンばかり。だけど、それでもそのオッサン連中が楽しんでいる姿を見るのは好きなので、少々色気は足りないが、今の環境はまんざらでもないと思ってしまうボクがいる。

今は『はねるのトびらSP』の収録合間。まもなく最後のシーンの撮影。どうか爆発してくれと願う。デイレクターの中では最年少の赤池くんが、メンバー全員を集めて堂々と企画趣旨を説明していた姿がなんとも頼もしくて、メチャクチャ嬉しかった。

どうか笑える明日がやってきますように。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

2010年4月 2日 (金)

あなたに言ってるのよ

劇場の出番合間の時間を使って、『日本列島ドンガラガッシャン大作戦第3弾』の打ち合わせがあった。狭い部屋に大人を詰め込んで「ああだ、こうだ」と話し合った時間はとても楽しかった。

すでに発売日が決まっているものなので、そこに向けて皆が動く。今回は、絵本制作のような先の見えない作業ではないので、その現場にあの絶望感はない。実はこれに関しては、ボクがやらなければいけない仕事というのはもう済んでいて、残りはスタッフさんの作業となる。

「これはどうする?」「〇〇君に頼もう」「じゃあ、これは?」「〇〇さんに頼もう」そんな調子で、今までお世話になったその筋のエキスパートの方の名前が次々と挙がり、昨日に引き続き、人との繋がりを感じる。ありがたやありがたや。1人でスタートした時のことを思い出す。あの時は周りに誰もいなかったなあ。だけど今は違う。

とにもかくにも完成が待ち遠しい。『日本列島ドンガラガッシャン大作戦第3弾』は4月下旬に情報解禁となるので、どうぞお楽しみに。

そして、別の時間を使って絵本制作。かなり集中してやったが、今日も笑っちまうくらい進まなかった。あいかわらず途方もない作業。

楽屋の隅でやっているので、芸人仲間の声がダイレクトに届く。最近したHの話が聞こえてきて、ボクは興味のないフリをしていたけれど、そりゃあもう、どうしようもなく羨ましかった。ボクの股間はきっとボクのことを恨んでいる。

予定では、夏の『KING KONG LIVE 2010』の最後が沖縄公演となっている。ボクはもう、そのまま沖縄に残って、しばらくは東京に帰らないでいてやろうかと考えている。ずっとずっと前から言っているけれど、頭を真っ白にしてプカプカと海に浮かんでいたい。だけど、実際に真っ白になったら不安でたまらなくなる。はたして海に浮かぶ日はくるのだろうか?

「前向きに検討します」という無責任な言葉で状況を収めようとする人ばかりの社会にあって、今日も負けて帰ってきたり、今日も人を羨んだり、「どうして自分だけ」と涙したりして、小さなコトにいちいちつまずくあなたはやっぱり変態だ。皆、もっと楽してるもん。

だけどそんな変態を放っておけるはずがない。まったくヘタクソな進み方をするあなたを全力で肯定して、変態でも頑張りゃどうにかなるぞ、ということをまずボクが体現してみせる。だから、ボクは今夜も眠るまで作業。だから、あなたも頑張れ。

松屋の帰り道。かむろ坂の桜が綺麗だった。それはとても柔らかい色で、ボクは女の子の太ももを想った。スケベ心はとうぶん治りそうにないゼ。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

2010年4月 1日 (木)

繋がる

新番組『いつもガリゲル』の収録があった。不覚にもNONSTYLE石田のVTRにウルッときてしまったり、千原せいじサンのVTRには石を投げるように皆で非難を浴びせたり、なんとも振り幅の大きな番組で、それは、ボクが今までやらさせていただいたどの番組でもなかった。スタジオには芸人さんが1人もいなかった。それも含めて、とても勉強になった。

進行の吉田アナに助けられ、ゲストの皆さんに助けられ、同期や先輩がロケに出てくれたり、ボクより先に現場に入ってボクより後に現場を出るスタッフさんに支えられて、人との繋がりのありがたみを改めて思い知る。そして、『つながり』というのがこの番組のコンセプトだ。

ボクはまだまだ未熟で、それでも構わず手を引いてくれる人がいる。いったいどうして何をすれば、その恩は返せるのかなあ。そんなことを思いながら、帰り道の車を走らせた。

帰りは幻冬舎に寄った。いよいよ発売が迫ってきた小説の打ち合わせ。もう4月に入ったので、『来月発売』ということになる。小説のタイトルは4月4日のブログで発表しようかと。関西にお住まいの方は4月3日の夕方にある関西TVの『キンコンのせっかくやしツアー』内で少し早めに知ることができそうです。是非、ご覧になって下さい。

バカみたいに掲げた『日本列島ドンガラガッシャン大作戦』。第1弾は『Dr.インクの星空キネマ』で、第2弾は来月発売の小説。ひとつ飛ばして第4弾は絵本『Zip&Candy』。

そして明日は第3弾の打ち合わせがある。それが何かはまだ言えないけれど、それが世に出るのはそんなに先ではない。きっと楽しんでいただけるモノになると思う。ワガママを許していただけるならば、どうかボクに付き合ってください。作品で人が繋がって、そのまま皆で一緒に歳をとれたら、それはきっと愉快な人生。そのためには石でも何でも噛り付いてやろうと思うのです。ボクは寂しがり屋だから、そんなことでもして人と繋がっていたいのです。

「作業中はパソコン画面に、はなサンかアメリちゃんの笑顔の写真を出して、疲れたら、それを眺めてデレデレしとるんです」と言うと、袖山さんに「とうぶん彼女は降ってきませんね」と返された。女の子と手を繋いでおでかけしたいけど、彼女が振ってこないなら振ってこないで、今は別にそれでもいい。

もうすぐ小説が出る。今、ボクが一番欲しいのは、その感想のお手紙。それを読んで、デレデレしたい。知らない人とそうやって繋がりたい。だから絶対、手紙をちょうだいね。

名古屋の独演会が決定した。5月31日。それが終わればキングコングの全国ツアーに入るから、独演会はしばらくできなくなる。名古屋界隈の皆様、是非。終演後、近くで呑んでいるところを発見したら、どうか絡んできてください。

2010.5.31(月) SUNSHINE STUDIO 『第45回 西野亮廣独演会 名古屋公演』

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