2010/04/ 7
オルゴールの夜に
友近のド阿呆カミングアウトもあったし、ジャルジャルは終始フザけていたし、ナベアツさんは毎回助けてくださるし、松村さんはついにドツかれたし、庄司さんは今日もバカをやってくれた。
自分で言うのも気持ち悪いが、『キングコングのあるコトないコト』という番組が大好きだ。ゲストもMCも関係なく、皆で「せ~の!」で進んでいく感じ。それは芸人楽屋の、古くは、中学の休み時間に教室の隅っこで繰り広げられた男子の、救いようのないノリ。今でもあれが好きなのだ。
収録合間には辻村プロデューサーと話し込んだ。「ツイッターはやらないの?」と訊かれ、「たぶん、やらないっス」と答えた。ブログもやめるし、それを境に少しだけ姿をくらましたいのだ。それは、表に出ないという意味じゃなくて、どんな一日を過ごしたかをお客さんに言わないようにするということ。最近のTVを観ていると、それを強く思う。
収録終わりは吉祥寺に向かった。我が愛車ムスタングにはナビがついていないので、目的地までの地図を前日の夜に頭にたたきこんでおいた。目的地は、吉祥寺にある小さなオルゴール屋さん。マンションの一室で、パンのように柔らかいお顔をされた店長が一人で経営されておられるのだ。
小さな部屋で店長と二人で雑談しながら、いろんなオルゴールを聴いた。ボクが探していた曲は、小学校の合唱の授業で大好きだった曲、パッヘルベルの『カノン』。その50弁オルゴールだ。
“50弁”とは、クシのようなオルゴールの歯の本数のこと。“15弁”や“30弁”のものもあったが、それだと曲の尺が短くなってしまい、『カノン』の一番好きな部分まで流れずに最初に戻ってしまう。
結局、『カノン』の50弁オルゴールは取り寄せてもらうことになったけど、インターネットでは店長の人柄に触れることはできないし、100年前のオルゴールの音色を生で聴くことができたし、吉祥寺まで車を走らせてよかったと思えたのだ。
車を停めてあった駐車場まで歩いた。
手を繋いで歩くカップルや、井の頭公園の花見客もいて、吉祥寺の町はお祭りのようで、皆とても幸せそうだった。昔を思い出したり、羨ましくなったりもしたけど、やっぱり今日もその気持ちには蓋をした。
あの夜。タモリさんと酒を交わし、「『Dr.インクの星空キネマ』を世に出そう」という約束をしたあの夜。それとは別に、もう一つの約束をしたのだ。その約束はまだ果たせていない。だけど、それが少しずつ動き出した。
その約束に、今回のオルゴールがとても深く関係してくるのだ。何かの比喩じゃなくてね、再来年あたりに、世界一のオルゴールを鳴らすのよ。




