2010/05/ 3
『グッド・コマーシャル』な人生
こんな経験をしたことはないだろうか?
朝、起きると、吐き気やら目眩やら悪寒が襲ってきて、関節が痛い。ここ数日の気温の変化で完全に風邪をこじらせてしまったようで、熱を計ってみると『39℃』の高熱。
「こいつはマズイ」と慌てて病院に駆け込んで、待合室で待っていると、朝起きたときよりも少し身体の辛さが和らいでくる。先生に呼ばれて診察室に入り、「とりあえず、お熱を計りましょうか?」と体温計を渡され、計ってみたら、『37℃』と朝よりも熱が下がっていた。このときに、自分の感情におかしな逆転現象が起こる。
「なんで下がってんだよ」
朝起きたときの本当の辛さを先生に知ってもらえないことが悔しいのだ。「ああ、この程度ね」と思われるのが、やりきれないのだ。だって、さっきまでは本当に辛かったんだもん。
熱を下げようと、風邪の辛さを和らげようと病院に駆け込んだのに、先生に知ってもらう前に熱が下がると、それはそれで困るのだ。病人は、先生に会うまでは「熱は下がらないでくれ」と願っている。それは人間のとても面白い部分。コメディだと思う。
バッドタイミングで熱が下がってしまうと、その状況は一変する。このように、本来であれば喜ばしいことでも、タイミング次第でそれが大きく裏目に出ることは珍しくない。
『グッド・コマーシャル』の主人公は、そういった逆転現象の波状攻撃を受ける。たったの一言で何度も何度も地獄に落ちる。どん底まで落ちきってから、そこからの大逆転満塁ホームランを狙うわけだが、この物語は小説の世界に限らず、日常生活でも十分にあり得ること。
主人公の背中にロケットが付いているわけでもないし、目からビームが出るようなこともない。登場人物はいたって普通の人間。むしろ落ちこぼれ。そんな人間が大事件に巻き込まれ、史上最悪の大ピンチに陥るわけだ。だけど、そこから踏ん張る踏ん張る。
『グッド・コマーシャル』を読みながら、あなたは主人公たちと同じようにその状況に陥って、そこから大逆転満塁ホームランを狙うのだ。主人公たちと同じように物語を進めるのだ。
事実、この物語は、着地点が見えて、そこから逆算して書いたわけではなく、ボク自身も主人公たちと同じ状況に陥って、そこからどうやって逃げ出すかを考えながら書いたのだから。逆転満塁ホームランを打つヒントはたくさん散りばめられているのだ。
そしてそれは日常生活の中にも。
『グッド・コマーシャル』の登場人物同様、人生は往生際悪く生きなきゃね。
とことんジタバタするんですよ。
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『グッド・コマーシャル』発売まで、あと【22】日。
5月25日(火)発売 『グッド・コマーシャル』 価格1400円(税抜き) 幻冬舎




