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2011年9月

2011年9月30日 (金)

『KING KONG LIVE 2011』を終えて

全国12ヶ所をまわった『KING KONG LIVE 2011』が終わりました。去年の9月からネタを作り始め、今年書いたネタは数えてみたら合計32本。その中から7本をやりました(オマケで昔のネタもやりました)。32本作ったネタの中から面白い順に7本を選んでいるかといえばそうではなく、普段の寄席で新ネタをおろしながら、一本目にふさわしいネタ、中盤にふさわしいネタ、ラストにふさわしいネタ……という風にツアーの為の7本を選んでおります。

そんな調子でじっくりコトコトやっているもんですから、やはり『KING KONG LIVE』は年に一回のライブなのです。

今年は十分な手応えを感じました。しかし今年の手応えの大きさは、来年への不安の大きさでもあります。ツアー終了と同時に「次も超えられるかなあ」という大きな不安に襲われ、エンヤコラと机に向かっては一文字も進まないまま一日を終えてしまったり、流行りの芸人さんを見れば「本当にコッチの道で大丈夫か?」と焦ってしまったり、たまに嫉妬もする時だってあります。まあ、ロクなもんじゃございません。

でもね、やりたいんですよ。

新ネタをぶら下げて全国をグルグルする夏に惚れちゃったようです。高い所から落っこちる時のあの股間がくすぐったくなる感じにも似た、新ネタがハマった時のゾクゾク感に惚れちゃったようです。中毒でやんす。

やりたいコトをやれているワケじゃありません。ウルトラ人気者だったら、もっとスイスイやりたいコトをやれていたんだろうけど、僕の場合はやりたいコトに爪を立てて往生際悪くしがみついているだけです。だけど、そうでもしなきゃ、やりたいコトをやれる未来が一生やって来ない気がするのです。みっともないけど、その可能性しか知りません。

ライブにはいろんな奴が来ます。ただただ明るい奴もいれば、失恋した奴もいるし、幸せな夫婦もいれば、うつ病の奴もいるし、バカな親子がいれば、最終の仙台公演では一緒に来る予定だった友達を震災で亡くしちゃった奴も来ました。そんなまとまりの悪い集団が、魔法にかかったように一つになってしまいます。ライブはそんな場所です。

そして最後に「また来年やってくださいね」と言われちゃう。大変なコトを軽々しく言いやがって、と思いながらも、僕はやっぱり嬉しくなって「うん」と返事をします。その瞬間、責任を背負うわけですが、だけどそれもナマケモノの僕にとってはイイ薬。

『KING KONG LIVE 2011』にお越しくださった皆さん、本当にありがとう。

また夏に会いましょう。再会の約束に尻を叩かれながら、また一年かけてネタを作ります。大変だこりゃ。でも頑張りますよ、俺。

そっちはどうだい?

2011年9月18日 (日)

今日も明日も漫才ちゃん

たとえば「頑張れば夢は必ず叶う」という言葉、僕はあんなものウソっぱちだと思っています。その言葉を残した人、つまり夢を叶えた人が皆頑張っただけで、頑張っても夢を叶えることができなかった人はたくさんいるはずです。少なくとも僕のまわりにはいます。

努力することは願いを叶えるための最低条件で、参加資格のようなもの。だから結局、努力はしなくちゃいけないんだけど、それでも願いが叶わないことは往々にしてあると思います。そして、願いを叶えようとした努力は時にとんでもなく大きな不可抗力によって潰されることがあります。

去年のツアー『KING KONG LIVE 2010』仙台公演は、「また来年会いましょう」とお客様に約束をして幕を閉じました。ツアー終了と同時に「来年はどんなネタで攻めてやろう?」と『KING KONG LIVE 2011』のネタ作りを開始しました。僕が頑張ってまた一年間かけて新しいネタを作れば、会うことができると信じて疑わなかったからです。

震災があって、ちょうどその頃『KING KONG LIVE 2010』のDVDの編集にかかっていて、ツアー会場に足を運んでくださったお客様のコメントを何度も繰り返して見ていた時期でした。もちろん、その中には仙台公演のお客様の姿もありました。その方の安否を確認する術はなく、「また来年、必ず来ます」というコメントに本当に胸を痛めました。

頑張りだけではどうにもならないことがあるな、と痛感しました。

そして思ったのは、ライブはやっぱり生モノで、いつ途切れるかもわからないということ。次の保障がひとつもないということ。

『KING KONG LIVE 2011』は現在10公演を終えて、ここまできて、僕は漫才のことがものすごく好きだと思いました。僕が大好きな漫才には、3月11日より前に時計の針を戻す力もなければ、今の傾いた政治をどうのこうのする力もありません。これといったミラクルな技を持ち合わせておりません。

だけど、知らない誰かの大変な人生の“雨宿り場”程度にはなれるような気がするのです。

殺したいぐらい誰かを恨んでいたことをなんだかちょっぴりバカバカしく思わせたり、すごく悲しい出来事をその間だけは忘れさせることができたり、たとえばそんな僅かな力。

だからこそ、それをやれる間はやろうと。軽々しく次の約束はできないと知ったんだけど、やっぱり約束して、その時が来るのを信じてエンヤコラ。どうにもならないことはあるけれど、それでも頑張ろうと思いました。

笑おうとする人の生き方が大好きだし、笑い声を聞くのが大好きです。もうすぐキングコングの夏が終わります。『KING KONG LIVE 2011』残すは東京公演と、最終日となる仙台公演。会えるかな、会えたらいいな。

だから僕は頑張ります。なので、あなたも頑張って。


YouTube: キングコング DVD「KING KONG LIVE 2010」予告編


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