はねるのトびらとアタシ
「はねるのトびら」が始まった時、僕はまだニキビが残る20歳で、大阪から単身乗り込んだこともあり、共演者(全員先輩)やスタッフとの関係も築けていなければ、舞台でMCの経験もありません。テレビの世界に目が回っているといった状況でした。
くわえて、総合演出からは、番組の真ん中に立つにあたって「西野は嫌われるコトを受け入れてください」と説明されます。それは、番組スタートまもなく身を持って知ることとなるわけですが、「なんで西野は汚れ役をしないんだ!」という世間様一人一人に立ち位置のシステムを説明するわけにもいきません。
世間は「お笑いブーム」の前夜で、まだまだ才能や実力のある先輩方が日の目を見ず、自分達が(大袈裟に言えば)仮想敵になっていくのも止められません。世間の見られ方とは裏腹に、それは芸人としてとても身動きの取りにくい状況で、手放しで「良いスタート」とは言い難いものがありました。
持ち前の「知るか」という逆ギレ精神と超プラス思考が唯一の救い。(ナイーブ梶原は見事に頭がパッカーンとなり、失踪してしまいましたが‥。苦労話はまたいつか‥)
しかし現実、とくにゴールデンタイムに昇格してからの「はねるのトびら」の運営は毎週苦労の連続で、なにせ「番組に大御所が一人もいない」という弱小チームですから、いろいろな力に振り回されることもしばしば。こればっかりはグッと堪えるしかありません。
こうして挙げていくと、番組の歴史は苦労ばっかり。まったく、もう。
だけど先日の「笑っていいとも」のエンディングで、「はねるのトびら 祝400回!2時間スペシャル」の告知パネルを持っている時、「やっぱりこの番組は、なんとしてでも続けなきゃいけないなあ」と強く思ったのです。パネルには19時から始まる番組に、全身タイツの芸人が30人近く並んでおりました。
まだまだやらねば、背負わなければ。「はねるのトびら」の収録は昨日で年内分の全てを撮り終えました。あとは放送を待つのみ。
申し訳ありませんが、グルメもなければ、かわいいペットや旅情報、明日に役立つマメ知識‥その何一つご提供できておりません。そこにあるのは、ウケてスベって笑って泣いて‥そんなどうでもいいようなことです。だけど、そんなどうでもいいようなことにメロメロに恋しちゃった人達が、恥を捨てて、「楽しくなければテレビじゃないじゃん」と、大きな大きな声でみっともなく叫んでおります。
それは、僕がチビの頃に憧れたテレビでした。
12月28日(水)夜6時~「はねるのトびら 今年の顔大集合3時間スペシャル」お楽しみに!
